第10話 ダンジョン潜入
翌日、僕は初のダンジョンとなるマグナの洞窟に向かった。このダンジョンは現在確認されている階層で42階層。
フェイドさんの探知魔法によると50階層が最下層と言われている。
Sランク冒険者たちは毎日が忙しいそうで、50階層にまだ到達していないそうだ。
最後の潜入の際は5日かけて42階層に到達したそうだ。
10階層ごとに転移ポータルを作っており、行きやすくなっている。
僕は今回は1階層から潜っていくことにする。
「あー、きみきみ、冒険者のライセンスはあるかい?」
門番のような人に話しかけられた。きっとDランクの確認だろう。
「ステータス」
アグマ・ライオレット
年齢:10歳
職業:魔剣士
冒険者ランクD
所持金:42100G
Lv.14
状態:正常
HP:184/184
MP:92/152
ATK:168(+50)
MAT:140
DEF:158
MDF:162
INT:65
AGI:195
LUK:100
スキル
剣撃Lv.5、連撃Lv.4、縮地Lv.5
ディメンションLv.1
魔纏Lv.MAX、魔壁Lv.MAX、魔力操作Lv.4
付与魔法(火、水、風、光)Lv.5、暗視Lv.1
水魔法Lv.2、風魔法Lv.3、光魔法Lv.5
耐性
毒耐性Lv.3、痛覚耐性Lv.1、火耐性Lv.1、
疲労耐性Lv.3
固有スキル
ラストリベンジ(他人には表示されない)
特殊装備
ゴブリンの腕輪:ATK+50
ステータスを表示させ、見てもらう。
「ほう、若いのにいいステータスだな。頑張ってこいよ。ここは1層ごとのレベルが違うから慎重に進むんだぞ。」
「ありがとうございます。」
こうして僕は1階層に足を踏み入れた。
〜1階層〜
薄暗い洞窟だ。暗視スキルで少し見やすくなる。
「プシャァァァ!!」
(!!、剣撃っっ!!)
急に背後から蜘蛛のようなモンスターが襲ってきた。
死体はあとで買い取られるそうなので回収していく。
(縮地。)
縮地でどんどん進みつつ、敵を倒していく。
目の前から大量の蜘蛛が現れる。
「ライトニング。」
光魔法で一網打尽にする。
「ふぅ、、」
目の前に階段がある。やはり1階層程度なら問題なさそうだ。
体力的にも、時間的にも余裕あるな。いくぞ。
〜6時間後〜
僕は9階層を突破した。
階段を降り、10階層に到達した時あることに気づいた。
道が一つしかない。
その道なりを慎重に歩くと大きな扉があった。
多分ボス部屋だろう。扉を開ける。
少し前に出ると後ろで扉が閉まった。
その瞬間、10メートルくらい上にあった壁の松明に火がつく。一気に部屋が明るくなり、敵の姿がはっきりと映る。
オーガだ。
オークの上位種と言われるオーガ。ガタイも大きく、攻撃力が高い。
「ギュオオオォォォォ!!!」
バアァァァァン!!と足を踏み込み、地面を鳴らしてこちらへ向かってくる。
(付与魔法・火、魔纏。)
「剣撃っっ!!」
正面から斬る。
オーガの胸元が斬れる。
「ギャオオオオォォォ!!」
魔纏で大剣にしているので、向こうからしたら間合いの感覚が取れていないのだろう、驚いている。
(縮地。)
ここを逃すわけにはいかない。
(ライトニング。)
側面からライトニングを放つ。あまり効いていないようだ。
背後を狙う。
「連撃。」
背中を6回ほど斬れた。まだまだ!!
(縮地、剣撃!!)
身体中を斬っていく。やはり強くなったのだろう。相手が遅く感じる。
「ギャオオオオォォォ!!!」
大振りの拳で殴ってくるが、簡単に避けられる。
これで終わりだ。
「フレイムディメンション。」
自身の剣が灼熱の炎で包まれる。オーガの胸元を一気に切り裂く。
「グォォォォォォォォッ」
オーガが倒れる。魔法袋にしまっておく。
「あれ?おかしいな。」
異変に気づいたのはオーガを収納してからだった。
「扉が開かない?」
次の階層への扉が開かないのだ。押しても引いても開かない。
「パキッ」
どこからかひび割れた音が聞こえた。
「グルォォォォォッッッ!!」
直後、叫び声と共に壁からオーガが出てきた。
しかも先程よりも一回り大きい。
腰には大剣を抱えている。その大剣を抜いてこちらへ顔を向ける。
ニタァッッと口から涎を垂らしながら気味の悪い顔をこちらへ向ける。
足が震える。キングゴブリンよりもやばいとすぐに感じた。
「逃げなければ。」とそう強く思った。
剣を持つ手が震える。
「グォォォォォォォォッッッッッ!!!!」
オーガが剣を振り下ろす。
(縮地!)
ドォォォォオオオオオン!!!
自分の避けた地面がベコベコになっている。なんで力なんだろうか。あれは普通のオーガではないとすぐに理解できた。
剣を構え直す。死を覚悟して、自分を奮い立たせる。自分の震えがだんだんおさまっていくのを感じた。
「いくぞ。縮地。」
左側から攻めていく。まずはオーガの大きな剣を躱さない限り攻撃を当てる方はできない。
「グルォォォォォ!!!」
オーガが横振りで剣を振ってきた。瞬時に飛び跳ね、刃が自分の真下を通り過ぎる瞬間に剣の峰の部分に攻撃を当てる。
「フレイムディメンションッッッ!!」
灼熱の炎を纏った自身の剣がオーガの剣に当たる。
ギィィィィィィッッッッッン!!
金属音がフロア全体に鳴り響く。
「グォ?」
先に異変に気づいたのはオーガだ。パキッと音を立ててオーガの剣が割れる。
「グルルルル。」
やるなと言わんばかりにこちらを見つめて剣を捨てる。
手ぶらになればこっちにも勝機はある。縮地で間合いを詰めて、背後に回りつつ斬り込む。
(フレイムディメンション)
よっし、斬った。
「は?」
斬れない。首に刃が少し食い込んで止まった。
「グォォォォォォォォッッッッッ!!」
「ぐはぁあぉ!!」
オーガの叫びと同時に吹き飛ばされる。すごい衝撃波だ。
「おい、嘘だろ?」
目線の先にあったのは信じ難い光景だった。オーガが魔力を纏っていた。力だけでなく魔法も使えるというのだ。
「グルルルォォォォォ!!」
咆哮だけで暴風が吹く。そして、オーガが魔力で剣を作り出した。いや、あれは剣というより斧だ。
オーガが斧をこちらに振り下ろす。すると斬撃波が飛んできた。それを飛び避ける。
「ライトニング!!」左手で光魔法を放ちながら間合いを詰めていく。
「グォォ!!!」オーガの頭上に無数のダークボールが浮かんでいる。
オーガが手を振り下ろすとそれらが一気にこちらに向かってくる。
ドドドドドドドドドッッッ!
ダークボールを斬り裂きながら進んでいく。
「ウィンドランス!ホーリーランス!」
2つの魔法がダークボールを貫いていく。
「グォォォォォォォォッッッッッ」オーガが闇の斧を振り下ろす。それをギリギリで交わしていく。
「ホーリーディメンション。」
スライディングをしながら両足の膝裏を掻き切る。オーガが地面に倒れる。その隙を見逃さない。
「ホーリーディメンション。」
次はオーガの背中を走り、両肩を斬り落とす。
いくぞ。真上は飛び跳ね、そこから一気に振り下ろす。
「ホーリーディメンション!!」
オーガが一瞬、魔力を溜めているように見えた。
(魔壁)左手で身体を守る簡易的なシールドを作る。
「グルルルルォォォォォォ!!」
オーガが叫ぶと同時に衝撃波が飛んできた。だが、魔壁のおかげでそれは効かない。
「2度は効かないぞ。終わりだ!」
首を剣で斬り落とす。
スバッッ!!
首を落とすと共に身体が軽くなる。レベルが上がったのだろう。
そしてオーガを剥ぎ取ろうとすると、蒸気がオーガの身体から噴き上がり、身体が消えた。そして煙が晴れるとそこには魔石とネックレスが落ちていた。
それらを一旦魔法袋に収納し、ここに留まるのは危険だと思い、フェイドさんの転移ポータルに乗って地上へと戻った。




