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シティーガールハンター3  作者: 椎家 友妻
第七話 フランソワの帰宅
43/43

3 智矢の弟子入り

 そう固く心に誓っていると、いつの間にか私の傍らに立っていた智矢ちゃんが、

妙にモジモジしながら私を見つめている。

その頬は薄い桃色に染まり、私を見つめる瞳は燃えるような熱を帯びている。

そんな智矢ちゃんに気圧(けお)された私が

「ど、どうしたの?」

と尋ねると、智矢ちゃんは両手を胸の前で組み、

まるで好きな人に告白でもするかのような口調でこう言った。

 「わ、私・・・・・・私を、弟子にしてください!」

 「え?えーっ⁉」

 ある意味愛の告白よりも衝撃の告白に、たまげた声を上げる私。

正直、女の子に告白された事は中学の頃に何回かあったけど

(全てお断りしました。ちなみに男子に告白された事は一度もありません・・・・・・)、

弟子にして欲しいと言われたのはこれが初めてだ。

とりあえず私は、その理由を智矢ちゃんに聞いてみる事にした。

 「ち、智矢ちゃん、どうして私の弟子になりたいと思ったの?」

 すると智矢ちゃんはキラキラと目を輝かせ、ズズイッと私に詰め寄って言った。

 「私、この前詩琴お姉ちゃんが悪いヤツをやっつける所を見て、凄く感動したんです!

私もお姉ちゃんくらい強ければ、智由を守ってあげられるし!

だから詩琴お姉ちゃんの弟子にしてください!お願いします!」

 そう言って深深と頭を下げる智矢ちゃん。

ど、どうしよう?

困った事になった。

あれは怒りに任せてあの変態オヤジの顔を踏みつけただけなんだけどなぁ。

それに私より強い人間は、ここにゴロゴロ居るし。

なので私は傍らに立つ潟奈ちゃんを(てのひら)で示し、頭を下げる智矢ちゃんに言った。

 「え、え~と、確かに私は昔空手をしていたから、

少しは強いかもしれないけど、こっちのお姉ちゃんの方がはるかに強いよ?

弟子入りするならこっちのお姉ちゃんの方がいいんじゃない?」

 しかしその潟奈ちゃんは、首を横に振ってこう返す。

 「いえ、私は剣術が専門なので、護身術を教えるなら詩琴さんの方が適切だと思います。

それにこの子は、詩琴さんの弟子になりたいようですし」

 「えぇ~?で、でも私、弟子を育てるなんてできないよぉ・・・・・・」

 「いいじゃないの、弟子にしてあげれば。

あなたは部活もしてないのだから、放課後に時間は作れるでしょう」

 困り果てる私に、况乃さんがそう言って口をはさむ。

ちなみにその况乃さんはすっかり智由ちゃんと仲良しになったようで、智由ちゃんが

「またここにあそびにきてもいい?」

と尋ねると、

「別に構わないわよ」

などと満更でもない表情で答えている。

况乃さんみたいな人でも、子供を可愛がる感情があるのね(本人には言わないでください)。

とか思っていると、いつの間にか復活した綾芽(顔は鼻血まみれだけど)が右手を上げて言った。

 「はいはい!じゃあ私もしぃちゃんの弟子になります!それで毎日私と仲良く組手をしましょう!」

 「はぁ?あんたまで何を言い出すのよ?あんたなんかと組手をしたら、私の身が持たないわ!」 

 私が綾芽に声を荒げていると、背後で潟奈ちゃんが対抗するように右手を上げて口を開く。

 「ならば私も詩琴さんの弟子にしてください!

こんな脳まで筋肉だらけのバカ女より、私の方がはるかに詩琴さんに相応しい弟子になれます!」

 「はいぃ?誰の脳が筋肉だらけですかぁ?

あなたこそ目の前の物をスパスパ切り倒す事しか考えられない単細胞バカでしょう?

私の方がよっぽどしぃちゃんの弟子に相応しいですよ!」

 そう言って睨みあう二人。

まったくこの二人は、いつになったらもう少し打ち解けられるのかしら・・・・・。

 况乃さんと智由ちゃんは対照的に凄く仲良くなってる感じだし、

智矢ちゃんは智矢ちゃんで、もう私の弟子になる事が決まったみたいに、

 「これからよろしくお願いします!師匠!」

 なんて言っている。

 はぁ、今回の依頼も何とか解決する事ができたけど、私の人生はまだまだ前途多難みたいだ。

 そして園真探偵事務所でのにぎやかな毎日も、まだまだ続きそうなのでした。


シティーガールハンター3 完



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