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シティーガールハンター3  作者: 椎家 友妻
第七話 フランソワの帰宅
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2 フランソワの復活

それから数日経った日曜日のお昼過ぎ。

園真探偵事務所に二人の女の子がやって来た。

小野寺智矢ちゃんと智由ちゃん姉妹だ。

况乃さんに治療(?)をお願いしていたフランソワを取りに来たのだ。

 事務所の客間に智矢ちゃんと智由ちゃんを通し、

ソファーに座ってもらって况乃さんを待っていると、

フランソワを抱えた况乃さんが扉を開けて現れた。

フランソワのちょん切れた首はキレイにつなぎ合わされ、

麻薬の粉を抜き取り、代わりに新しい綿をつめられた体はふっくらモフモフに仕上がっている。

ススまみれのように黒ずんでいた表面の汚れはキレイに落とされ、

毛並みもツヤツヤになり、まるで新品のようにピカピカになっていた。

す、すごい。

あのボロボロだったフランソワをここまで完璧に復活させるなんて。

由奈ちゃんでもここまでキレイに仕上げるのは苦労するだろう。

况乃さんにこんな特技があったなんてかなり意外だ。

 するとキレイに復活したフランソワと再会した智由ちゃんが大喜びで立ち上がり、

况乃さんの元に駆け寄った。

 「うゎあい!フランソワ!

フランソワがげんきになった!

ありがとう!ましのおねえちゃん!」

 智由ちゃんは况乃さんからフランソワを受け取ると、

さんさんと輝くお日様のような笑顔で况乃さんに言った。

それに対して况乃さんは、ほのかに頬を赤く染め、

右手の人差指でその頬をポリポリかきながらこう返す。

 「フン、これくらい、どうって事ないわよ」

 おお、况乃さんが照れている。

私達の前では絶対に見せない表情なので、これは結構貴重な光景だわ。

そう思いながら况乃さんを眺めていると、傍らに居た綾芽が小声で私に耳打ちした。

 「実は况乃さんはああ見えて、かわいいものが大好きでしてね。

このビルの一階に、本人意外は絶対に立ち入れないファンシールームがあるんですよ。

私もこの目で見た事は無いんですが、

中はかわいいぬいぐるみやお人形さんや、

いかにも少女趣味な小物や家具が沢山あって、

まるでおとぎ話に出てくるお姫様が住んでいそうなお部屋になっているはずです。

あのぬいぐるみもそこで治したはずです。笑っちゃうでしょう?あの况乃さんが――――――」

 と、そこまで綾芽が言いかけた時、

况乃さんの右手から放たれた『200㌧』と書かれた巨大なハンマー(何処から取り出したの⁉)が綾芽の顔面に直撃し、

ゴシャァッ!というえげつない音とともに、綾芽は真後ろに吹き飛び、

床に倒れ込んだまま動かなくなった。

そんな綾芽を睨みつける况乃さんの目からは、身の毛もよだつようなドス黒い殺意が放たれている。

要するに、この話題には絶対に触れてはいけないって事ね。

このビルの一階が一体何の部屋なのかがずっと謎だったけど、その謎が少しだけ明らかになった。

けど、その部屋の扉はそのまま天国へつながっていそうな気がするので、

絶対にその部屋には行かないようにしよう。

神話やおとぎ話だったら、好奇心に負けてついつい覗いてみたくなっちゃうけど、

私は同じ(てつ)は踏まないタイプの人間なのだ(多分)。



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