6 突貫
突貫!
という綾芽の物凄い叫び声が轟いたかと思った刹那、
ズバシャアアアッ!
というこれまた物凄い音が轟き、シャッターの中央が吹き飛び、
その付近に居た男達もゴミくずのように吹き飛んだ。
「どわぁああっ⁉」
「ぎゃああああっ⁉」
「な、何なんだ一体⁉」
吹き飛ばされなかった男達は悲鳴やどよめきの声を上げ、吹き飛んだシャッターに視線を集中させる。
その視線の先のシャッターは、直径約三メートル程が円形にブチ抜かれ、
そこに一人の少女が、自分の身長程の長さがある棒を構えて立っていた。
四邸阪田高校指定の黒のセーラー服をまとい、
背中に漆黒のマントを羽織り、
短いプリーツスカートの中に黒のレギンスを穿き、
燃え盛る炎のような長い赤髪を風になびかせ、
獅子のごとき鋭い眼光を光らせている。
その少女の名は花巻綾芽。
通り名は『シティーガールハンター』。
見た目は街の何処にでも居そうな女の子だが、
その強さは猛獣を次々と仕留める狩人のごとしで、
通り名がハッタリじゃない事を、私自身もこの目に何度も見せつけられている。
今の一撃は、綾芽が愛用の武器である『暴憐棒』でシャッターを突いてブチ抜いたらしく、
『突貫』というのはその必殺技の名前なのだろう。
とにもかくにも、綾芽が助けに来てくれた事に安心し、
勇気が湧いて来た私は、思わず歓喜の声を上げた。
「綾芽!来てくれたのね!」
それに対し、綾芽もニッと笑ってこう返す。
「当たり前じゃないですか!しぃちゃんがピンチの時は、私は世界の果てでも駆けつけますよ!」
すると私の腕を掴んでいる男が、額に青筋を浮かべながら言った。
「おいおい!何をもう助かったみたいな会話をしてんだよ⁉
一体どんな手品を使ってシャッターをブチ抜いたのかは知らねぇけど、
この人数相手に、お前みたいな小娘一人が何とかできるとでも思ってんのか⁉」
確かに、言われてみればそうだ。
この場には、シャッターごと吹き飛ばされて失神した男達を除いても、
まだ四十人以上のゴロツキが残っている。
綾芽は見た目とは裏腹にアホみたいに強いけど、
いくら何でもこれだけ大人数を相手にすると勝ち目がないんじゃないの?
そう思いながら不安になっていると、吹き飛んでいないシャッターの影から、別の声が聞こえてきた。
「確かに、彼女一人では分が悪い。ですがここには、私も居るのです」




