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シティーガールハンター3  作者: 椎家 友妻
第五話 暴れる二人
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5 アイツが来た

 このままじゃああの姉妹が、文字通りあの変態男の餌食(えじき)にされちゃう!

何としてでも助けなきゃ!

そう思った私は縫来の後を追って駆け出そうとした。

けど、その前に何人もの男達が立ちはだかった。

 「おおっと、ここから先は立ち入り禁止だせお嬢ちゃん?」

 「その代わり、お嬢ちゃんの相手は俺達がしてやるからよ」

 「たっぷり楽しもうぜ?ゲヘヘヘヘ」

 そう言って男のうちの一人が、私の左手首をつかむ。

普通の女の子なら怖くて悲鳴でも上げる所だろうけど、

怒りのあまりに全身の血液が頭に逆流していた私は、

 「私に触るなぁっ!」 

 と叫び、私の手首をつかんだ男の顔面に右の正拳突きをお見舞いした!

 ボゴォッ!

 私の右拳が男の眉間と鼻頭の部分にめり込み、男は

「ぶへぇっ⁉」

という声とともに真後ろに吹っ飛んだ。

 が、次の瞬間私は背中を鉄パイプで打ちつけられ、その衝撃でその場に倒れ込んだ。

 「随分威勢のいいお嬢ちゃんじゃねぇか」

 「だがこの大人数相手じゃあ、どんなに腕っ節が強くてもどうにもできねぇぜ?」

 「優しくしてやるから、大人しくしてるんだな」

 そう言って私の周りに男達が群がって来る。

くそぅ、ここに居るヤツら全員ぶっ飛ばしてやりたいけど、

これだけの人数相手じゃあ私にはどうする事もできない。

智矢ちゃん達も助けられないし、もうダメだ。もう、何もかも終わりだ・・・・・・。

 「綾芽・・・・・・」

 私はすがるようにそうつぶやき、静かに目を閉じた。

と、その時だった。

 ガシャンガシャンガシャン!ガシャンガシャンガシャン!

 と、外からけたたましくシャッターを叩く音が響いた。

その突然の騒音に、私の腕を乱暴に掴んでいた男の手の力がゆるみ、

シャッターの方に顔を向けて声を上げた。

 「な、何だ?」

 そして他の男達もシャッターの方に向き直る。

そんな中、シャッターの外側から場違いなくらいにのんきな調子で、私のよく知った声が聞こえて来た。

 「しぃちゃぁん、居ますかぁ?居たら返事してくださぁーい」

 その声はまぎれもなく、綾芽の声だった。

あの子、今夜は高藤(たかとう)さんの家に居るはずじゃなかったの?

どうしてここに?

いや、今はそんな事を考えていてもしょうがない。

とにかく私はあらん限りの力を振り絞り、シャッターの外に居る綾芽に叫んだ。

 「綾芽!私はここよ!今ちょっとヤバイの!早く何とかして!」

 「わっかりましたーっ!それじゃあ今からこのシャッターをブチ破りますから、

しぃちゃんはそこを離れていてくださいねー?」

 どうやら綾芽は、今から目の前のシャッターをブチ破るつもりらしい。

そんな事をしなくても脇にある通用口から簡単に入れるんだけど、まあそれは言わない事にしよう。

とりあえず私は、イエス様のように慈悲深い心で、

シャッターの近くに立っていた十人ほどの男達に声をかけた。

 「あのぅ、今から外に居る私のツレが、このシャッターをブチ破るそうなので、

そこに立ってると危ないですよ?」

 が、私の言葉をただのハッタリかと思ったのか、

シャッター付近に立っている男達は大声で笑い出し、(あざけ)るように言った。

 「ハッハッハ!このブ厚いシャッターを一体どうやってブチ破るって言うんだよ?」

 「どうせ外に居るのは君と同じ歳くらいの女の子だろ?

ハッタリをかますならもう少し俺らがビビるような事を言うモンだぜ!」

 「いやいや!俺はビビってるぜ!外に居るお友達は、

バズーカ―でも使ってこのシャッターを吹き飛ばすんじゃねぇかってな!」

 「そりゃあやべぇな!ビビってションベンちびりそうだぜ!」

 そう言って再びドッと笑う男達。

ま、私はシャッターから離れた場所に居るからいいけどね。

これ以上何を言っても無駄みたいだし。

そんな中男達はシャッターの外に向かって大声を張り上げる。

 「おおい!早くこのシャッターをブチ破って中に入って来なよ!俺達と一緒に楽しい事しようぜ!」

 「そうそう!君のお友達はもう俺達とお楽しみ中なんだからよ!」

 しかし綾芽はその言葉には答えず、倉庫の中はシンと静まり返った。

 「あん?どうした?まさかビビって帰っちまったのか?」

 一人の男がそう言ってシャッターに耳を近づけた、その時だった。


「突!貫!」



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