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シティーガールハンター3  作者: 椎家 友妻
第四話 黒幕の目論見
23/43

1 予想よりキツイ返し

 「どうして教えてくれなかったんですか⁉」

 潟奈ちゃんと一緒に事務所に帰った私は、一目散に况乃さんの居るデスクの前に立ちはだかり、

ノートパソコンをカチャカチャやっていた况乃さんに向かい、

両手でデスクをドン!と叩いて開口一番叫び声を上げた。

 すると况乃さんはパソコンの画面から顔を上げ、

『何をそんなに騒いでいるの?うるさい小娘ね』

とでも言いたげな表情でこう言った。

 「何をそんなに騒いでいるの?本当にうるさくてションベン臭い生娘(きむすめ)ね」

 私の予想よりもキツイ言葉が返って来たけど、私はそれでもひるまずにこう返す。

 「私が捜していたぬいぐるみの誘拐犯と、連続首切り殺人の犯人が同一人物だった事ですよ!

それが分かっていれば私も一人で犯人捜しなんかしなかったのに!

おかげで私は(かみ)一重(ひとえ)の所で首をちょん切られる所だったんですよ⁉」

 私は闘牛の牛のごとく鼻息を荒くして訴えたが、况乃さんはため息交じりにこう返す。

 「だからちゃんと潟奈に連絡を入れて助けに行かせたでしょう?

紙一重でも首をちょん切られなかったんだから文句を言うんじゃないわよ。

それにもし首をちょん切られていたとしても、すぐに接着剤でくっつければ何とかなるわよ」

 「首が折れたコケシにするような応急処置!

まあそれはいいとして、いつの間に私の制服に小型カメラ付きの発信機なんか仕込んでいたんですか⁉

私全然知らなかったんですけど⁉」

 「あなたが知っている必要はないもの。だから言わなかったのよ」

 「これってプライバシーの侵害じゃないですか⁉」

 「は?あなたにプライバシーがあるとでも思っているの?

それに今回はそれのおかげで命が助かったんでしょう?

私はあなたの事を心配してその発信機を取り付けているのよ?

それをプライバシーの侵害と言われるなんて、私の心中(しんちゅう)心象(しんしょう)心外(しんがい)だわ」

 「心の表現がややこしい!」

 「とにかくつべこべ文句を言うんじゃないわよ。それより犯人はちゃんと捕まえて来たんでしょうね?」

 「うっ、それは・・・・・・」

 况乃さんの言葉に言葉を詰まらせる私。

すると傍らに居た潟奈ちゃんが、况乃さんに頭を下げて言った。

 「申し訳ありません、取り逃がしました」

 それを聞いた况乃さんは、右手で頭をかきながら声を漏らす。

 「何をしているのよ?そこで犯人を捕まえていれば、事件の半分は解決したって言うのに」

 その言葉にカチンときた私は、再びデスクを両手でバン!と叩いて声を荒げる。

 「だって犯人が一目散に逃げちゃったんだからしょうがないじゃないですか!

っていうか、事件の半分が解決ってどういう事ですか?

今回の事件の黒幕は、アヤメビトコーポレーションの殺し屋である久尾刹羅なんでしょう?

彼女を捕まえればそれで事件は万事解決なんじゃないんですか?」

 私が首をかしげながら尋ねると、况乃さんは

『あなた、本当におバカね』

とでも言いたげな表情でこう言った。

 「あなた、深刻なおバカね。(あき)れるのを通り越して(あわ)れみすら覚えるわ」

 またもや私の予想よりキツイ言葉が返って来たが、私はそれでもくじけずに尋ねる。

 「ええそうですよ!私は深刻なおバカですよ!

だからそんな私にもちゃんと分かるように説明してくださいよ!」

 すると况乃さんは椅子の背もたれにグッともたれ、腕組みをしながら口を開いた。

 「いい事?殺し屋っていうのはね、誰かから依頼を受けてターゲットを殺すの。

自分の恨みや強盗目的で人を殺したりはしないの。

つまり今回の一連の殺人も、犯人の久尾刹(くびせつ)()に殺しを依頼した黒幕が居るって事よ。

潟奈の時もそうだったでしょう?」

 「そ、そうか、確かにそうでした」

 「詩琴、今回の依頼主である高藤恵子の依頼の内容は覚えてる?」

 「え?ええと、高藤さんにしつこく言い寄っていた赤井(あかい)(えい)(すけ)という男が、

どうして殺されたのかを調べる事と、高藤さんの命を狙う殺し屋から、高藤さんを守る事です」

 「そうよ。で、高藤恵子の命を狙っているのはアヤメビトコーポレーションの殺し屋である久尾刹羅だけど、

彼女に殺しの依頼をしたのは別に居る。一体誰だと思う?」

 「えと、誰、ですか?」

 「あなたねぇ、赤井栄助がどうして殺されたのか、ちゃんと覚えてる?」

 「え~と、確か赤井栄助が、勤めている会社の重大な秘密を知ってしまったから殺された。

という事は、その会社の社長か、もしくはその会社の重大な秘密に関わっている首謀者(しゅぼうしゃ)が、

久尾刹羅に依頼して口封じに赤井栄助を殺した・・・・・・って、事ですよね?」

 「そうよ。そして今回の一連の殺人事件は、無差別殺人に見せかけて、

赤井栄助を殺した真相をウヤムヤにする為に仕組まれている。

その真の被害者である赤井栄助が勤めていた会社の名前は何だったかしら?」

 「ミ、ミルグイーヌカンパニー・・・・・・でしたっけ?」

 「そう。赤井栄助はそのミルグイーヌカンパニーのやり手の営業マンだった。

ちなみにミルグイーヌカンパニーは海外のぬいぐるみを輸入する会社で、

ヨーロッパを中心に、世界中の有名なメーカーのぬいぐるみを輸入しているのよ。

そしてこの会社について色々と調べていると、

どうも裏でコソコソと小汚い商売をしている事が分かったのよ」

 「小汚い、商売?」



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