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39.メリークリスマス

※書籍化の予定でしたが、諸事情により未書籍化となりました※

※文体に齟齬が生じるため、掲載当初のまま再掲載します※

※今見ると文章がつたないですが、ご容赦ください※

三十九 メリークリスマス




 グレイスの実家で、メンバーの招待会を兼ねたクリスマスパーティーがスタート。

「クリスマスのミサ、行かなくても大丈夫? 一応この町にもちょっと離れた場所に教会有るけど」

 一応、元修道士見習いの顔があるフレッドに対してグレイスが質問した。

「ん〜っ、今日は行かなくても良いかな、JP地区ってキリストの誕生日をダシにしてお祝い事やってるって感じだよね。JP地区はどっちかって言うと宗教は仏教や神道だろ? 敬虔なクリスチャンって少なそうだし。今日はここでパーティーしてお祈りするよ」

「そう?」

「そう」

 と言う事で、純粋にパーティーを楽しむ事にしたフレッドだった。


 地域の慣習により差はあるが、銀河連邦に於ける成人は十八歳。飲酒もタバコもこの年齢から許される。銀河連邦職員のグレイス達は、この連邦法に縛られる。

 よって、成人に達していない連中も含まれるチームであるため、お酒は程々に、が暗黙の了解になっていた。

 未成年は、ノンアルコールビールやジュース、お茶等で対応。

「本物のアルコールが飲みたいよう」

 と言ったのは誰だったか。 

 途中から参加した高杉もパーティーに参加し、ますます盛り上がりを見せた。勿論高杉も手ぶらではなく、しっかりアルコールを持参していた。


「あの中に入るまで、後二年か」

「そうだなあ」

 ライトニング・ブルーのメンバーは全員十八歳以上。プランキッシュ・ゲリラの十六歳の三人組プラス智成十四歳は羨ましそうにアルコール陣を見る。

「アルコールが入ったら出来ない事しようぜ」

 との事で未成年組はゲームを行う事になった。こちらは、一歩間違えば賭けに走りやすいポーカー。

 お金を賭ければ連邦法違反。よって、もし賭けになっても違反にならない可愛らしいものが賭けの対象になる。いわゆるお菓子や飲み物である。

「私は三枚交換」

「俺は二枚」

「僕は二枚かな」

「俺も二枚だな」

 ここでカードオープン。

 何と、三枚交換したグレイスがフルハウス。

 他のメンバーはツーペア、ワンペアと良いところがない。

「おい、三枚交換してフルハウスって、凄い確率だぜ」

「へっへ〜! ポッキー頂き!」

「お前、ついてるなあ」

「運も実力のうちってね!」

 グレイスは遠慮なく、賭けでせしめたポッキーをほおばる。

 それは他のゲームでも実力を出した。

 七並べでも、ブラックジャックでも、グレイスの一人勝ちが続いたのである。

「お前に運気全部持っていかれた、や〜めた」

 と言ったのはジーンで、そうなると他の面々もやる気をなくして来る。

 そして、またパーティーのおかずを食べる。自然とアルコール摂取陣の会話に耳を立てることになる。

 どうも、グレイスの学生生活に話が及んでいるようである。

「ちょっと、何、ある事ない事言ってるのよ!」

 とグレイスが言えば、

「ある事しか言ってないぜ」

 と返答が来る。

「ある事でも、何大袈裟に話しているのよ!」

 といって、グレイスはあろう事かプロレス技を仕掛けて締め上げた。

 仕掛けられた方はたまったものではない。

 思わずギブアップの合図を送る。

「お前、少しは慎みをもてよ」

 そう言うチームメイトに

「慎み? 十分慎み持ってるつもりだけど? これは私を話の肴にした罰よ!」

 と言葉を返して来る。

「この何処に慎みが有る!」

 このやり取りには全員苦笑いである。

 女性が男性にプロレス技をしかける事自体慎みがないと言われて仕方ないのだが、グレイスからするとスカートではなくジーンズで技を掛けているのだから、イコール慎みが有るとなる。

 グレイスはSP訓練も受けている。技の掛け具合は尋常じゃない。

 どうにか呼吸を元に戻したメンバーは肩で息をしていた。

「グレイス、『慎み』について、討論でもしようか?」

「いいわね、それ、乗ろうじゃないの!」

 どうも話がややこしい方向に行きそうである。他のメンバーが「まあまあ」と二人の間に入った。




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