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おばちゃんとラグビーW杯

ラグビーW杯日本開催ににおける1にわかファンのおばちゃんのねえねえ聞いてよなお話

作者: さくら比古

タイトルそのままです。

 

 2019ラグビーW杯を観た。


 おじさん日曜ラガーメンの夫にぶら下がって観戦してきました。トンガVSアルゼンチン戦!in花園。

 時折り涼しい風が吹くスタジアムは、芝目が見えそうなほどの鮮やかさで近く、選手の顔まではっきり見えるとても美しいラグビー場だった。

 圧倒的に水色が多く見える客席はファンの席は混ざり合っていて、ラグビーの町を象徴するように両チームを応援する日本人が多かった。

 大体4つの層に分かれた客席。一つは圧倒的に多いアルゼンチンファン(日本人含む)。両頬に二つの国旗を書いた日本人。数は押されても情熱的に応援するトンガ人。そして祭りが好きな日本人と何でと思うデートに来てるカップル。

 人の数にうんざりするけれど、会場はどのスポーツにも無いフレンドリーな空気と、意外にも多かった女子トイレの個室数(ここ大事!)。飲食は自分以外の人には好評なのか?とは思ったが、話題のビール売り子は、サーバーでしない?な感想。いちいち缶を開けてと言うのは見ていてまどろこしい。まあ、どうせ呑まないからいいかで流してたけど。


 実のところ、当日まで一切ルールも試合の流れも知らなかった。

 印象は苦手なゴリマッチョが組んず解れつ痛いことをする。それ位だった。

 試合が始まりそれぞれ夫と注目点や選手を語り合いながら観ていた。

 

 トンガはアルゼンチンにいいようにされていた前半。

 パスミスや反則、ポロリの連続で試合はアルゼンチンが圧勝な空気。

 次第に目が慣れ、その頃にはトンガの特長や癖、アルゼンチンの攻撃の意図などを分析し出す。夫は目を丸くしながら正解と答える。

 サッカーの試合に擬えて観ると意外と飲み込めるようになった。

 試合は漸くエンジンが掛かってきたトンガの反撃に入る。それからは点を入れさせずトンガは戦いきったけれど敗退。残念。

 実は試合前に、トンガを応援するという夫のためにフェルトでトンガ国旗を作り、ついでに日本国国旗のトンガバージョンを作って臨んだ試合なもので、本当に残念だった。

 トンガは遠征費用を賄うことさえ困難な状況で頑張っていたから、おばちゃんとしては知らんけど応援しような気持ちで観に来たのだった。


 試合後には日本戦を花園近くの日本代表最年長のトンプソン選手のご近所さんで交流もあった義叔父のマンションで観戦してから帰った。勝った勝った!落ち込んだ気持ちが上げ上げで帰ることが出来た。

 お陰で道に迷った夫に優しく出来た。


 それからはにわか爆発で観戦しまくり(テレビ越しですよ)!面白い!

 そりゃそうだ、日本全勝の快進撃だもの。

 でも、それを置いてもラグビーって観戦する側には本当に面白いスポーツだと思う。

 息をつけない展開にタッチダウンまでの技術とチームワークのストーリー性。だらだらしたゲームなんて一つも無かった。夫が言うようにこれは世界のトッププレイヤーの集まりだからかもしれないが、フィジカルだけでは生み出せないドラマに感動したのだ。


 そして、彼等一人一人に映画化してもおかしくないようなドラマがある!

 外国籍の選手でも条件を満たせば代表になれる。

 知らないにわかファン同士ではずるじゃないの?とか、日本代表なのに日本人が少ないんじゃない?と言う声を聞いたが、おばちゃんはそう思わなかった。


 南の島からやってきた未だ幼い顔をした少年が、いきなり北海道なんて寒い地域で悪戦苦闘し芽の出ない日々を歯を食いしばって日本に根付いてくれた。

 彼等はとても献身的で純真で優しく美しい戦士だ。

 彼等の献身に日本人はどれだけ応えられるのか。おばちゃんは悩んだ。

 そうだ!おばちゃんは考えた。知っている人にこの素晴らしさを伝えよう。

 それからはラインで繋がる人々に布教の毎日だ。

 明らかに夫は呆れている。我が家の長老はこうなるとはと半笑いで見守ってくれている(多分・・・きっと)。

 でも、興奮すると声が高くなる度に窘めていた夫は、ラグビーに関しては許してくれている。漸く家でラグビー観戦が解禁になったので細かいことはいいらしい。ラグビー場でふうっってはしゃいでも注意されなかったもんね。


 ラグビーは面白い!おばちゃんは知ってしまった。

 稲垣君、チンギスハーンって言ってごめんなさい。具ちゃん、スコットランド戦芝の上に立っていたかったよね?早く直して南アフリカ戦頑張るんだよ?田中君、奥さんに子供さんを放り投げるのは危ないよって言ってね?トンプソンさん、頑張れ?

 そして、北海道の寒さに震え、結果を出せずに戸惑っていたマイケル君。君は代表の王様だ。臣は王に従って進軍する。

 ピンチには必ず君がいた。何人も君がいるのかと錯覚するほどに。

 ありがとうリーチ・マイケル(31)!おばちゃんラグビーを教えてくれて本当にありがとう。

 きっと君のお母さんと同じくらいのおばちゃんはこれからもラグビーが好きで居られると思う。君のお陰だよ。

はしかのようなものかはまっちゃったかはこれから?

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― 新着の感想 ―
[良い点] スポーツは盛り上がるとすごいなぁと毎度思います。 道に迷った旦那さんを許せるとは!(笑) 外国チームを受け入れた?市町の応援とかもすごい! 子どもたちのハカ披露とかテレビで見てて感動しま…
[良い点] 自分も今回のW杯ではじめてラグビーに興味を持ちました。なんか展開の速さというか局面の移り変わりが絶妙で本当に息がつけないんですよね。気がつくとずっと中継を見てしまっている。 あと、今回はテ…
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