初めての絆
ジュリアの中で何度も果て疲れて眠る
何時間経ったのか眼を覚ます
隣で幸せそうに眠るジュリアの頬に頬を寄せ伝わってくる体温に幸せが込み上げてくる
幸せと共に不安が胸を過ぎる
自分は転生者でしかも人間じゃない
こんな事を思い悩む時がくるとは思わなかった
全てをジュリアに打ち明けるのか
吸い込まれそうな寝顔を眺めながら一人考えていた
疲れて眠るジュリアをベッドに残し一人店舗の方へ
自分の全てを話して受け入れてくれるのか?一人自問自答する。答えは出ない事を気付きながら
ふとカウンターに置かれた賢者の書を手に取る
「彼女は俺の全てを受け入れてくれるか?」
神様からは直ぐに返信があり赤い文字が本に浮かび上がる
【大丈夫!あたしを信じて全て打ち明けろ!】
神様の言葉だ信じよう。駄目だと言われても打ち明けてしまうかもしれないが
本を眺めながら一人どんなふうに打ち明けようかと悩んでいると、ベッドから俺が居なくなった事に気付いたジュリアが起き出してくる
「どうしたの?隣に居ないから夢だったのかとおもったじゃない」可愛く頬を膨らませ抗議してくるジュリア
「ごめんごめん」
「わたし....良くなかった?」
「いや、本当に最高だったよ」
「ありがとう」ほっとしたような笑顔で俺に抱きついてくる
力一杯抱きしめて打ち明ける覚悟を決める
「ちょっと聞いてほしい事があるんだ」
真面目な俺の態度に何かを感じたのか緊張した面持ちでジュリアは少し離れ上目遣いでこちらを伺う
「私もシンに言わなきゃいけない事があるの」
ジュリアがどこか悲しそうに呟く
話の続きを待っていると瞳一杯に涙をためながら
「わたし......実は...人間じゃ無いんだ」
そう呟き瞳から大粒の涙を零し始める
その言葉に驚き何と返していいかわからずにいると
「お爺ちゃんがエルフなんだ、だからクォーターエルフなんだごめんね」泣きながら謝るジュリアを優しく抱きしめて
「いや、俺も本当は人間じゃないんだ」
「え!!」驚いた顔でこちらを見つめるジュリア
「シンもまさか?エルフなの??」
「いや、ハイヒューマンなんだ」
「ハイヒューマン?」
「ああそうだ。それと俺はこの世界の生まれじゃ無いんだ」
「シン?本気でいってるの?」
「ああ、信じられないだろうが他の世界で死んだんだけどこっちの世界でもう一度人生をやり直す為に生まれ変わったんだ」
俺は全てをジュリアに打ち明ける
信じられないだろうジュリアは俺の言葉を理解しようと必死で考えているようだ
そこで
「この本を見てくれ。この世界の神様の叡智が詰まった本だ。」賢者の書をジュリアに指差して見るように促す
ジュリアは訝しい顔で賢者の書を覗き込む
「何も書いてないわよ?あれページをめくれない?この本カウンターに引っ付いてるわよ?」
「この本は俺だけが使える神様からの贈り物なんだ。見てて、ジュリアと結婚したいんだどうすればいい?」俺はジュリアの前で本に尋ねる
急に本に話しかけた俺を大丈夫なのか?と言う顔でジュリアが覗き込み俺のおでこに手を当てて熱を測っている
本に赤い文字が浮かび上がる
【独り者の私にそんな事聞く?リア充爆発しろ】
「え?文字が?本が答えてるの??」
「神様だよ」
「本当の事なのね?」
「ああ、本当の事だ」
ジュリアは俺の胸に顔を埋めて
「良かった、わたし嫌われるんじゃないかってずっと心配していたの」
「いや、俺も全てを話せる相手が出来て本当に良かった」
「シンはこの世界で何をしてるの?」
「いや、何も決めずに放り込まれて何も当てもなく店だけもらった感じだな?」
「で?ポーションを作ってるの?」
「ああ、日追い草を沢山手に入れて、その使い道を賢者の書で調べてたら、時間は掛かるが不老不死薬が作れるから、取り敢えず作ってみようかなとおもってな」
「不老不死薬を作ってるの?」
「まだまだ、工程の半分くらいだよ?やっと部位欠損薬が出来た所だここまでで十年かかったよ」
「部位欠損薬って...そんなの他の人に知れたら問題になるわよ」くすくすと笑いながら囁く
「ああ、不老不死薬を完成させる為に頑張って来たからな薬の量もそんなに多く無いし世間には出さないよ」
「わたしのこと愛してる?」くすくす笑いながら抱きついてくる
「もちろん」
「わたしのこと捨てないでね?」
「ああ、絶対に離さないよ」
愛おしさが溢れてきて口付けをし再び愛し合う
全てを分かち合い分け合うことが出来る相手は必要だなと感じながら眠りにつく
翌日、ポーションをいくつか手にしてジュリアは帰って行く
「一緒に住まないか?」と声を掛けるとはにかみながら「PTリーダーに許可を貰って貴方が迷惑じゃ無ければそうするわ」
「まってるよ」笑顔で見送る
「ありがとう」首に手を回し熱い口付けを交わす
「じゃあね」笑顔で手を振り通りを行くジュリアを少し寂しく感じながら見送る
「気をつけて」「はーい」笑顔でこちらを振り向きながら去って行くジュリア
あれから一週間立ったがジュリアは姿を見せない