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計画遂行

王都の商店街の外れに位置する

ゴルカの店。店自体は古ぼけて看板も半分腐りかけ字をはっきりと読み取ることすら出来ない

ここ10年以上開いているのを見たものはいない


いや、その前も開いていたのかも定かでは無いそんな古ぼけた店から一人の男が辺りを気にしながら通りへと出てくる


辺りは暗く人々は我が家で過ごす

人通りの少ないそんな時刻。


男は影から影へと移動してやがてその姿を消す

その直後、連続した爆発と共に炎がゴルカの店から吹き出す。


静かな街は一瞬で混乱と沢山の野次馬でごった返す


街の治安維持の為に兵隊が消火活動も行い集まった野次馬から事情聴取が行われている

冒険者ギルドで軽い食事と酒を飲みながらギルマスの帰りを待つ


「大丈夫かしら?」ジュリアは整った顔に憂鬱を表しながらギルマスの計画の首尾を心配している


「俺達にはただ待つしか出来ないよ。心配しないで任せよう」ギルドの入口から暗くなった通りを眺めながら呟く


ひとりの冒険者が入口から駆け込んでくる

「ギルドマスターを呼んでくれ!東地区で火事だ!放火の疑いもあるらしい」


その言葉におれ達が居たギルド奥の酒場も少しだけざわざわと騒がしくなる皆んな暇を持て余している。何人かは野次馬をする為にギルドを飛び出して行く


なかなか現れないギルマスにイライラしながら職員に詰め寄る冒険者


「早く!ギルマスを呼んでくれ!!」

その言葉におれ達は顔を見合わせる。まだギルマスが帰って来ていないのを知っているからだ


「少々お待ちください、ただ今用意しておりますから」

「一刻を争うんだ!早くしてくれ!テロの可能性があるんだぞ!」


その時に受付の奥の階段から

「やれやれ、少しぐらい待てないのか?」

まるで今まで奥で寝ていたような顔のギルマスが現れる


え?いつのまにか帰って来ていたようだおれ達は顔を見合わせ驚いていると


「ギルマス!早くしてくれ!」

冒険者は少しでも急ぐように促しながらギルドを後にする


ギルマスはこちらにウインクを投げ冒険者の後を追いかけていく


打ち合わせ通り

「よし!ジュリア!俺達も様子を見に行こうか?」わざとらしく大きな声で目の前のジュリアに問いかける


「シン!趣味が悪いわよ!人の不幸を笑うような真似はだめよ!」こちらも周りの人間に聞かせるように大きな声で答える


「違うよ!ジュリア、俺の店も東地区だから少し心配になって来たのさ!」


「まぁ!そうだったわ!急いで行きましょう!シン!何かあったら大変だわ!」


俺達は打ち合わせ通り少し時間を置いてギルドを後にする。少しでも今までギルドにいた事をほかの人間に印象つけるように大きな声で話しながら


自分の店にたどり着いた俺の前には沢山の衛兵と警備隊が野次馬を整理しながら爆発の原因を調べていた


警備隊は野次馬に店の持ち主を聞き込んでいる

「すいません、ここから先は通れません」

警備隊に止められた俺は

「僕は、あの店の所有者です!」狼狽したふりをしながら地面に膝をつき人生の終わりを演出している


後ろからジュリアが慰めるように抱きつく

「中には、大切な先代が作ったポーションが!先代が作ったポーションが!」大切なことは二回

「危ないわ!シン!!」火はとっくに消えているがジュリアは大根役者っぷりを発揮しながら大きな声で周りに聞かせる


そこへ

「どうした?少し騒がしいぞ!」現場検証をしているギルマスがこちらに向かってくる

「申し訳御座いませんギルマス、こちらの方がこの店の持ち主であるとの事でして」


「うん?君はシン君じゃないか?」

「ああ!ギルマス!あの店は僕の大切な店なんです!先代から受け継いだポーションが!ポーションが!!」


「だめだ!危ない!さっき中を確認したが店の中は可哀想だが何も残っちゃいない」

「そんな!そんなーーー!」俺は蹲りながら叫ぶ。主演男優賞は確実の演技だ


そんな取り乱しすぎな俺を哀れんでか取り調べはごく簡単に終わる。ギルマスの身元保証も功を奏した


その後、全てを終えた俺達とギルマスはギルドへと戻っていたギルマスの部屋へと移り計画の成功を確かめ合う


「さてと、全てが上手くいったがこれで終わりになると良いんだがな」ギルマスの言葉に感謝の言葉を述べ俺はジュリアと共にギルドを後にする


「何があっても私がシンを守ってみせるわ」

隣を歩く超美人にこんな言葉をかけられながらジュリアの住む部屋へと俺達は街中を歩く


「少し狭いかも知れないけど自分の家だと思って遠慮しないでね?」

そんな言葉を聞きながら生まれて初めて女性の部屋へと足を踏み入れるドキドキワクワクが止まらない


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