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菓子パン

作者: 岩崎めぐ

わたしはバーガーキングでお茶をしていた タバコを吸いたかったのだが持ち合わせもなく アイスコーヒーを飲んでいた すると隣に座っている二人連れの建築業の兄ちゃんたちがアイコスを吸っていた すいませんライター貸してくださいとはよく口にするが すいませんタバコ一本くださいとは言わないよなと思ったのだが わたしはめちゃめちゃタバコが吸いたかったので 思い切って兄ちゃんたちに言ってみた すると兄ちゃんがアイコスを一本差し出してくれた わたしは三十円しかなくてそのお金を渡そうとしたのだが兄ちゃんはかぶりをふる すいませんありがとうございます わたしは遠慮なくタバコを吸った その後用を済ませに席を外し戻ってきたのだが兄ちゃんたちはもういなかった

しかしテーブルにはタバコのケースが置いてあった しかもアイコスが三本入っている え?いまどきこんな粋な計らいする人いるんだー わたしは感動した

次の日コンビニでパンを買ってその兄ちゃんたちに会いに行った お礼をしようと思って なぜかと言うとわたしは感動のあまり家に帰るとポタポタ涙が止まらなかったのだ え?なんでこんなに?と思うほど 別に人に優しくされたことがないわけではないけど芯に触れたのだろう 兄ちゃんたちの粋な計らいがめちゃめちゃうれしかったのだ

そしてバーガーキングに菓子パンを持って行った しかしここ数日同じ時間にいた兄ちゃんたちはもういなかった かわりに別の建築業の兄ちゃんたちがお昼の食事をとっていた わたしはその日の出来事を話し そういう方ご存知ないです?と聞いた しかし兄ちゃんたちはおれたちこんな職種の人間はいくらでもいるからと言って かぶりをふる だが兄ちゃんたち独特のキラキラした瞳にわたしはつられ あのこれも何かの縁なので三時の休憩によかったら食べちゃってくださいとわたしは言い パンを手渡した 兄ちゃんたちは四十を過ぎたおばはんが突如持ってきた珍事を笑い わたしもニッコリ笑って帰って行った

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