表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/127

蒼と赤

上空で、落下していく俺。


この一撃の為に、蒼炎の火力を上げなければ。


残り少ない魔力を搾り出す。



「ぐっ……」



激痛が俺を襲う。


まだ、倒れるわけにはいかない。





「『増幅』」





魔力をブーストし、さらに蒼炎に注ぎ込んだ。


そして、スタッフを構える。


上空からの勢いを乗せて、アルスへと。




「らああああ!」




叫び、俺はアルスへ振りかぶった。


アルスは、まだ動かない。




そして……スタッフを振り下ろした、刹那。





封じ込められた尋常ではない殺気が蓋を開けられたかのように、鞘から抜かれた剣と共にこちらを襲った。




そして、アルスの燃え上がる剣が、俺のスタッフへと。





俺の蒼と、アルスの赤が交わる。









「……まあ、こんなもんだな」




――それは一瞬だった。




赤い軌跡は、俺のスタッフを襲い……





『斬られた』。






スタッフの、持ち手の部分より上は全て無くなり、地に落ちる。




唖然とするしかない、何も攻撃が出来ない。




「おい」




アルスの、声。




「目、覚ませ」





顔面へと襲いかかろうとしている、アルスの蹴り。




「ぐっ!」




炎を纏ったその脚は、反射神経により咄嗟に構えた腕によってガードされる。


ガード、したのだが。


俺が見えている今の風景は、アルスからどんどん離れ、前へ進む。


俺が物凄い早さで吹っ飛んでいるという事に気付いたのは、聳え立つ炎の壁にぶち当たった時だった。




「久々に、楽しかったぜ」




そう言いながら、近付いてくるアルス。


動かない、動けない。


腕が、脚が、頭が。何もかも使い果たしたような。




「諦めろ」




その言葉は、今の俺には物凄く響いてくる。





………………俺は。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ