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増幅使いの這い上がり  作者: aaa168(スリーエー)
日常から、異世界
15/127

決心

外は真っ暗に。


どうやら、夜になったようで。


しばらくすると、目が慣れてくる。


……何か、ベッドに人の頭がのっていて。


すー、すーと寝息も聞こえる。


これは……


デジャヴってやつ、ではないようだ。


「……樹か?」


俺が声をかけると、樹も目を覚ましたようで。


「……」


「……はは」


いつもの沈黙。だが、この無言の時間がやけに温かく感じてしまって、つい笑ってしまった。



――――同時に。


俺の無理に抑えてきたものが、涙となって出てきたようで。


「ご、ごめんな、これは、」


無意味な弁解。その声は涙声に。


そして、流れ始めた涙は止まることなく、頬から流れ落ちていく。


「……んっ」


ぎゅっ。と、樹が小さい体で抱きついてくる。


樹の体は暖かく、心まで暖かくなるようだ。


「ありがとな、樹。このままいてもいいか?」


この暖かさを離したくなくて、自然に声が出てしまった。


「……うん」


樹の声を聞き、俺は情けない男だと思いながらも、この涙が枯れるまで樹に体を預けた。


――――――――――――



どれぐらいたっただろう。


樹は……寝ているようだ。



そっと俺のベッドに、起こさないように寝かしておいてやる。


樹の寝顔を確認してから、立ち上がる。


……おかげで、気持ちを0にできたようだ。










――俺は。




俺は、この世界で生きていかなくてはならない。



コンティニューもなく、元の世界へ戻れる手段もない。紛れもなく現実だ。



ならどうするか?




――当然、この世界で強くならなければ。




魔力がない?魔法が使えない?そんなの関係ない。


魔法が使えないなら剣術で。


剣が使えないならこの拳ででも。



俺は――――




「『何が何でも、強くなってやる』」




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