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増幅使いの這い上がり  作者: aaa168(スリーエー)
『灰色の少女』編
112/127

灰色の戦い②

気が遠くなるような時間。


俺は、スタッフを振り続けた。



「はあ、はあ――増幅!」



魔力が無くなる前に、俺は魔力を増幅させる。


この戦闘中――10回目。



……アルスと戦った時に分かった、俺の魔力は無限じゃない。


魔力を増幅しても、繰り返していれば必ず底をつく。


その前に、こいつらを倒さなければ。



「――――!」



前方から、槍兵の突進。



「っ――」



背中に刺さるような痛み。恐らく矢。


長い戦闘の疲労か――判断が遅れた。


血が、背筋を伝っていく。


――構うな。


痛みに構う時間なんて無い。



「っ、らあああああ!」



前方の槍兵の頭を飛ばし、すかさず槍を奪い取った。


そのまま矢の方向へ槍を投げる。




「――……」


「――……」



音が、消えた。



「はあ、はあ、はあ――やったか」



今にも倒れそうな体を、スタッフで支える。


外傷多数、魔力もかなり使い切った。


……。


追撃は来ない。


見れば、幾多の金属が地面に転がっていた。




『一見』、この戦いは終わったかのようにも思える。



しかし。



「――っ」





()()()()()()――俺の身体で感じられる。


最初よりも、多くだ。




「はは、まるで――『最初』の時みたいだな」




辺り一面、紅い光。


じわりじわりと、俺に近づいてきている。


ヒト型ではない、俺がこれまで戦ってきた、動物型の機械達。





「魔力量も、そろそろヤバいか」




この数を、まともに戦おうとすればまず持たない。





『敗北』。






この場所周辺一帯の機械達がここに集まっているとすれば。


バッテリーも切れた。


魔力量も限界に近い。




それは、もう『絶望』的状態。




「「「「「――――――」」」」」





紅い機械達が、俺を取り囲む。


今まで苦しく戦ってきた、多種の化け物達。……恐らく前よりも強化されている。


こんな状況では、諦めない方がバカだろう。






――『今まで、本当に――ありがとう。ユウスケ』――





……ミアは泣いていた。


作った笑顔の裏にはどんな顔を隠していたのか。


きっとそれは悲しくて、寂しいものだった。




だから──俺は。


俺の……『全て』を使ってでも。


そんなミアを、助けたいと思ったんだ。






……だから。



まだ、終われない!




「……『最後の切り札』ってやつかな」






これはピンチだ。これを抜け出すには『アレ』しかない。


成功するかは分からないが。



でも、ここでやらなければ――『男』じゃない。





「……」



練習通り。



目を閉じ、胸に手を当てる。




魔力を放出して、俺の『身体』を感じる。




血の流れ――心臓の鼓動――背中の痛み。




身体全てに意識を張り巡らすように。











――――イメージする。








俺の身体を『モノ』として。









俺の『全て』を、『増幅』させる!!











「――――『 増速駆動 (オーバードライブ)』!!!」










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