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第7錬金 私、旅の準備をします!

 「村長!一体どういうつもりだ!?」


 「まあ落ち着け。アレクよ」


 「これが落ち着いてられるか!?娘をよこせだと?この国の貴族は一体何様だ?」


 「アナタ。怒るのは分かるけど詳しい話を聞いてないのよ?今は黙って聞きましょう?)


 「ぐっ、だがな!?「アナタッ!」……分かった」



 村長さんから例の件……首都の貴族が私の錬金術を欲していると言うヤツです……をきいた父さんと母さんはそれはもう凄い怒り様でした。



 「俺達はそう言うしがらみが嫌で国を出てここに来たんだ。この思いは何処の国が相手だろうと変わらん!」


 「アレク……私もアナタと同じ気持ちよ。ですから村長さん、その話お断りさせて頂きます」


 「む……ぅ、やはりそうかの。じつはメイリーにも、この話をしたのじゃが反応からして乗り気ではなくての」


 「!?メイリーに既に話しただって!?こう言う大事な事は先に親である俺達に話を通すのが筋ってものじゃないのか!」


 「アレクの言う通りじゃな。ワシも何故あの時メイリーに話してしまったのか……。

あの子と話しておるとどうしても大人を相手しているような感覚に囚われてしまい、ついつい話してしまったのかもしれん」


 「……!そ、それは……」


 「かまわんよ?あの子に何か秘密があるらしい事位、長く人を見て来たワシにはなんとなくわかるでな」



 村長さん……私の中身のこと薄々気づいてたんですね……。

昔(高校生の時の口調)と同じように話しすぎたからかな?……あれ?これってバレないとおかしいんじゃ? なんで年齢一桁の子供が大人びた話し方をしてたのよ!?今まで気付かないなんてバカも良いところだよね!今更なおす気もないけど……。



 「それでじゃ、貴族側は迎えに来ないと言っておるが、このまま放置しておいては返事の催促が厳しくなるじゃろう。そこで……」


 村長さんが策を述べようとしたタイミングで私は話に割り込みました。


 「私、旅にでるわ!」


 「メイリー!?き、聞いていたのかい?」


 「父さんがあれだけ大きな声を出していたら流石にね?」


 「アナタ……」



 母さんが冷ややかな目で父さんを見ると、父さんは萎縮してしまいました。

 村長さんも私の登場と発言に驚きを隠せないでいます。



 「メイリーや?旅に出るといっても何処へ行くつもりじゃ?旅に出るといっても村の回りには魔獣が住み着いておるから危ないんじゃよ?」


 「その点は大丈夫です!ここ数ヶ月の間に、魔獣討伐用の道具いっぱい作ってますから!父さんも知っているでしょ?試作品の実験結果も見てたし」


 「あっ、あれか!?確かにあれならそこらの魔獣程度相手にならないだろう。だが心配しているのは魔獣のことだけじゃないんだ」


 「そうよ?途中には盗賊行為をする人もいるの。魔獣だけが怖いわけじゃないのよ?」



 よくよく聞くと、冒険者の振りをして依頼を受け、人の気配がなくなる辺りで盗賊行為に鞍替えするらしい。確かに信用して連れてきたのに、裏切られて殺されたりでもしたら、たまった物じゃないですからね。



 「それにだ!沢山アイテムを作ってるのは良いが、持ち運びはどうするんだ?護衛を雇って冒険者に持たせるつもりか?」



 その心配もありますね。でもそこは対策済みです!



 「ふふふ!そういわれるだろうと思いまして、1年以上掛けて、さっき完成したこれがあるから大丈夫!」



 《空間耳飾スペースイヤリング》:空間を捻じ曲げてあらゆる物を収納することが可能。ちなみに生物を入れると……。魔力が高くないと使用不可能。

 分類カテゴリ・不思議材・金属素材・神秘材・中和剤

 メイン特性:【出し入れ自由】【劣化・重鎮速度調整自由自在】【無限収納】

 付加特性:【気配が消える】【匂いが消える】【空間内環境調整自在】



 異世界もの定番のアイテムボックスといわれるものですね。カテゴリが不思議素材である魔石を上位変換し続けていたら、空間魔石に変化したのでこれを素材に試行錯誤を重ね、ようやく完成したんです。

 ゲームなら中~終盤に手に入るアイテムを始めに作りすぎ?そこは私の情熱が不可能を可能にしたんです。



 「メイリー?これは、指輪みたいだけどどういうものなんだ?ただのアクセサリじゃないのだろう?」


 「もちろん!この指輪の使い方はね……こう!」



 私は家の中に合った箪笥タンスを指輪に収納しました。

 そんな不思議な光景に父さんたち3人は驚いています。



 「すごいじゃないか!?一体どうなっているんだい?」


 「ウーンとね、魔力で空間を作ってそこにアイテムを収納してるの。取り出すのも意識すればそ場所を指定して出せるからこう言うこともできるよ」



 先ほど収納したタンスを家の出口に出るように念じると、家の出口に突如タンスが現れる。



 「……なるほど、これを使えばどれだけ沢山アイテムがあっても、持ち運びは自由という訳だね?」


 「えぇ。でもその代わりに魔力がある程度、高くないと使用できないし、使用者登録もしないと誰にも使えないように出来てる」


 「……すごいわねぇ。メイリー?お母さんにもその指輪作ってもらえないかしら?」


 「いいですよ。ところで母さんの魔力ってどの位あるのかな?」


 「私?たしかBだったはずだけど?」


 「それなら大丈夫だね。魔力B-から使用できるから」


 「あっ、じゃあ私の魔力が高いのは母さんの血を継いでるからですね!去年まで魔力はB+だったんだけどいつの間にかA-にあがってたの」


 「あらあら?母さんより魔力が高いのね。うふふっ。将来が楽しみね」


 「ま、まて!?待つのじゃッ!?今恐ろしく不穏な発言が聞こえたんじゃが?」



 和やかに母さんと話していると村長が割り込みをかける。

 父さんはもう魔力云々の話の時から冷や汗らしき物がダラダラと流れています。


 村長さんが不穏だといったのは、私の魔力が成長した事……もあるけど、元々B+もあったことでした。

 魔力が高い人は大抵、貴族や王族が多いので、そういう子が生まれるという事は、その親も疑われるという事で……。



 「そうね。それじゃ、お話しましょうか。アレク良いわよね?」


 「魔力に関する話が出た時から覚悟はしていたよ。メイリーは物事の理解が出来るんだし、話しても良いだろう。いや…話す時がきたというのが正しいのかもしれないな……」



 そう前置きをして二人は互いの足りない所を補いながら話してくれました。

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