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第6錬金 私、勧誘されちゃってる?

 今日も今日とて錬金活動……しているうちに8歳(精神年齢25歳?)になってしまいました。


 私メイリーは、錬金の有用性を認識した村の人が総出で、今まで使っていた古びた小屋の隣に増設してくれた大きめの小屋で鍋をかき回しています。


 「今日の依頼品目はっと……ジンのお父さんからナイフの手入れ用に《鋭細砥石えいさいといし》3つで…村長さんからは腰に貼る湿布《万能湿布》20枚入りを2セット……あと父さんから頼まれた……精……これは最後で良いね」


 《鋭研磨石》を作るための材料は、《磨き石》と《中和剤》、あとカテゴリ【液体】の3種。

 《万能湿布》を作るための材料は、カテゴリ【布】【紙】のどちらかと・【液体】・【薬材料】の3種。

 父さんから頼まれたのは……《獣の睾丸》とカテゴリ【不思議材】【液体】【薬材料】の4種となります。


 磨き石に関してはニブロさんから仕入れています。他の材料に関しては村の周囲で採れるものを錬金すれば作れるので問題なし。獣の睾丸についても父さんたち村の男衆が狩りで得た動物のオスから剥ぎ取ってくるので大丈夫……大丈夫だよね?時たま村の男連中もこれを持参してこっそり依頼してくる人もいるもの。

 見た目は8歳の子供にナニを作らせる気なの!?そもそも父さんが村人に話さなければ身内の中の話で済んだのに。


 もはや作り慣れたアイテムを仕上げ、昼過ぎには納品できる状態となっていました。


 「おっ?メイリーちゃんじゃないか!俺んとこに来たってぇことはもう完成したのか?」

 「出来ましたよ。鋭細砥石が3つです。錬金が大成功して倍の数が作れましたので、また必要があれば声を掛けてください」

 「おぉ?ウチのは頼んだ分で十分なんだ。だがそう言う事ならガッシュのヤツに持って行ってくれないか?アイツのとこも、砥石がなくなりそうだって言ってたからよ」

 「そうなんですか?分かりました。他の納品が終わった後、聞いてきます」

 「そうしてやってくれ。ではこれが代金だ。っと、言い忘れていたぜ。いつも助かってるぜありがとよっ」

 「こちらこそありがとうございます!それでは失礼しますね」




 ジンのお父さんのダンさんから代金を受け取り、次に村長さん宅へ行き、同じように納品を済ませる。


 「メイリーや?すまんが聞いてほしい話があるんじゃが、良いかな?」

 「追加の注文ですか?内容によりますけど、お聞きします」

 「いや、注文ではなくてだな……」


 話を聞くと私の錬金術の噂を聞きつけた首都の貴族が、その高い能力を見込んで自分の家に取り込みたいと言ってきたとのこと。条件は私がその貴族宅を訪ねて行く事(貴族側からの迎えは来ない)。

 あとは錬金術に必要な物は全て支援するという物もあった。


 「私に首都まで行けと村長さんは言うのですか?」

 「い、いや。わし自身はメイリーには村に居てほしいのじゃが、この国に属する以上、上のものからの要望を突っぱねる事はできんのじゃ」

 「それってつまり確定してるって事ですか?父さんと母さんに話は通してあるんですか?」

 「まだじゃな。この話のふみが届いたのがつい先ほど、行商人から届けられたばかりじゃ」

 「それならまず父さんと母さんに、話をしてからにしてください」

 「そうじゃな。では日が暮れてからアレクとシンディと話をさせてもらおうかな。二人にはわしが訪ねて行くということを伝えておいてくれるかの?」

 「内容は言わなくて良いんですね?」

 「うむ、それはワシから二人に話そう」

 「分かりました。伝えておきます」



 村長さん宅を後にした後は、ガッシュさん宅へ行きました。

 ガッシュさんは村で量産されている果物を除き、私の作ったアイテムを使用していない唯一の村人です。

 けどそれは、単にお金がないという理由だった。


 「今日はダンさんから頼まれた事なので無料でこちらを差し上げます。これからはハンターらしくちゃんと狩りで稼いできてくださいね」


 ガッシュさんはいきなり訪ねて来た私に目を白黒させていましたが、押し売りのような勢いの私に流されるまま、鋭細砥石を受け取らさました。

 その日、ガッシュさんが鋭細砥石で自宅にあった刃こぼれの激しいナイフを研ぐと、それは買った時と同様の輝きを放ったのでした。


 「こ、これほどまでとは……」



 翌日のガッシュさんは村で一番獲物を取ってきたとして、凄く目立っていた。

 ある程度落ち着いてから、ガッシュさんは私に獣の骨をたくさん渡してくれました。どうやら私が錬金術に獣の骨を使用するということをダンさんから聞いていたようです。



 そして夕方、家には村長さん・アレク父さん・シンディ母さんが集まり、例の話をしていました。

私?私は新しい錬金を試したかったので、自分の部屋に篭ってましたよ。自室には父さんたちの怒鳴り声が聞こえていたけど気にしません!

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