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第4錬金 私の将来は何になる?

お詫び


先日まで投稿していた第3練金から第5練金まで削除し、新たに書き直してあります。

 バーナやアストリアなどの果物が村に普及し始めてから数ヶ月が経過。この位時間が経つと村の情報も外に流れるらしく、今まで滅多に村に来なかった行商人が護衛冒険者を連れてこの村の名産となった果物を求めてやって来ました。


 私はといいますと、父さんからお小遣いを頂き、行商人の持ってきた私が見たことの無い素材を可能な限り買って行きます。この時、一応交渉をしたのですが、そのうちの数人の行商人の体のいたる所に傷が幾つかあるのを発見したのです。


 「おじさんたち、怪我してるの?」


 「ん?あぁ、これはね、村に来る途中で魔獣に襲われたんだよ。護衛の冒険者が倒してくれたのは良いんだけど、運悪く噛まれちゃってね」


 「そうなんだぁ?じゃあおじさん!このお薬使ってみて?」


 もちろん取り出したのは、魔獣にやられた傷から料理中に切っちゃった傷まできっちり綺麗に治す一家に一個は欲しいルタの塗り薬。錬金術の腕が上がったおかげで失敗することが無くなり、在庫が増える一方で困ってるものでもあります。

 渡された傷薬を不思議そうに見ながら行商のおじさんは傷薬を使用する。


 「これは……塗れば良いのかい?……おぉ!?い、痛みが消えていくぞ?」


 先ほどまでジュクジュクしていた傷が塞がり、痛みまで消えるというおまけつき。こんな凄いものを見て触って使った行商のおじさんが食いつかないはずが無かった。


 「おじょうちゃん!この薬は何処かで買えるのかい?」


 「うん?ウチの家で作ってるから在庫はたくさんあるよ?」


 「本当かい?もし良かったらこの薬を全部売ってほしいんだけど……お父さんかお母さんに言った方が良いのかな?」


 「薬は私が管理してるから返事は私が出来るよ。……えっとね、村の中で使う分を除けてもおじさん達が乗ってきた馬車2台分くらいあるから」


 「そ、そんなにあるのかい?すごいな。これは噂の果物と同じ位……いや、それ以上に凄いものだよ!」


 なんか凄い手放しで褒められて恥ずかしい。おじさんはそのまま私の家から少し離れた小屋にある薬の量を見て驚いている。


 「これは魂消た……流石に全部を買い取る事はできないな……お嬢ちゃん。馬車一台分の薬の売買契約を頼みたいのだけど大丈夫かな?」


 「大丈夫ー。えっと、ここに【売買契約宣誓書】(実はこれも錬金術で作れるんだよね、今は素材がないから無理だけど)が在りますので、必要事項の記入をしてください!」


 この契約は内容が恐ろしいもので、契約を結んだ本人が死んだりした場合、その家族や縁者が引き続き支払いをしなくてはならないと言うものです。けど行商人の方々は、信用を得るためにこういった重い契約を交わすことがある。ちなみに契約期限は1年有効です。無効になると同時に謎の魔術的要素により親類などの血族に支払い命令がなされる。



 この契約の結果、今回馬車一台分の対価として、私が使える錬金素材を金額分を、次回来村時に納品する事になっている。



 半年後、おじさんが大量の素材を持ってやってきました。


 「おぅ!嬢ちゃん!嬢ちゃんとこの薬がバカ売れしたおかげで大儲けできたぜ。これは契約の納品分と大もうけできたお礼にイロをつけておいたぜ!?」


 おじさんの乗ってきた馬車にはこれでもかというほどの魔石と、まだ見たことの無いカテゴリの素材が大量に積み込まれていた。


 「こ、こんなにたくさん?いいの?」


 「おうよ!あの薬の売れ行きのお礼だからな。遠慮しないで受け取ってくれや」


 「ありがとう!ところでおじさん。薬を切らしたのなら今日も薬を買ってくれる?」


 「まだ在庫があるのか?あんなに効く傷薬だからとっくに切らしてると思ってたぜ?」


 私はあれからも薬作りを続けていましたので、在庫などあっという間に増えたと答えました。

 村の中ではあまり需要がないんだよね。これ使う人なんて数人だけだもん……。むしろ村の中では果物たちが大人気だもん。美味しいし、自走するので遊び相手になる。疲れたなら休憩がてら食べれば美味しいし。大事な事なので二度…(ry


 「そういうことなら在庫の確認と、効果の確認もさせてもらいたいんだが良いか?」


 「良いですよ。ではまたこちらへどうぞー」


 こうして品質に納得した行商のおじさん……ニブロと再契約をしました。



 「いやー、嬢ちゃんの家の薬はほんとに凄いんだな。あれだけの物を作れるのなら、首都の方に来て自分で売った方が良いんじゃないか?首都に行けば学校もあるし、美味しい食べ物もあるぞ?」


 「んー、そんなことしたらおじさんの仕事なくなっちゃうじゃない」


 「はっはっは!そんなこと気にしないで良いさ?嬢ちゃんが自分で売れないなら俺が間に入ることも可能だしそうなれば俺も嬢ちゃんたちも儲かるだろう?」


 「まあかんがえておきますー」


 「そうしなっ」


 ニブロとの会話で思いがけず首都の情報を得られましたけど、実はそこまで興味があるわけではない。

 街の税金と市場での素材の値段が高いと感じたからです。素材のカテゴリさえあっていれば薬の錬金はできますが、素材を高く仕入れるのは絶対勘弁願いたいですしね。



 「んー?まだ7歳だけど将来のことを考えたほうが良いのかなぁー?」

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