表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

第3錬金 私、やればできる子なんです!《完全改稿版》(3歳~6歳)

最初の評価が低かったの第2錬金以降、設定を変更しました。

それにより第5錬金まで削除し、新たに書き直した第3錬金を投稿しております。


 勝手な都合で申し訳ありません。

 実際に錬金術スキルを使用出来るようになるまではそう多くの時間は必要ありませんでした。


 料理をしているシンディ母さんの周りをうろうろしていると、料理に興味を持ったと勘違いした母さんが、私が持てるサイズの鍋をくれたためです。

 その鍋を使い、家の周りに生えている草木や井戸水を混ぜているとスキル内に設定されていた特性っぽいものでそれらの情報が頭に中に流れ込んできたのです。

 その後も、父さんが森で狩って来た動物の骨やら、赤や青などの色が綺麗な石などを持って来てくれたので素材には困らず、どんどん錬金術にのめりこんでいきました。



 色々な動物の骨:色々な動物の骨の混ざり物。どの動物の骨かを見極めるのは至難の技。

 使用可能カテゴリ…骨・エリキシル素材・中和剤

 特性…【硬い】【栄養のある】【劣化しにくい】……


 トーネ:世界のいたるところに生える薬草の一種。苦い物がある。

 使用可能カテゴリ…草・調味料・料理素材・中和剤

 特性…【ニガイ】【美味しい】【染みる】【劣化する】……


 井戸の水:一部地域を除き世界中にある液体の代表。

 使用可能カテゴリ…液体・中和剤

 特性…【劣化しにくい】【味は千差万別】


 火硝石かしょうせき:あらゆる鉱山や火山などでよく見られる火の力を宿した石。

 使用可能カテゴリ…鉱石・火薬材料・中和剤

 特性…【劣化しない】【よく燃える】【火傷する】……


 呼氷石こひょうせき:大陸北部の寒い地域でよく見られる氷の力を宿した石。

 使用可能カテゴリ…鉱石・火薬材料・中和剤

 特性…【劣化しない】【よく冷える】【手足がかじかむ】……


 魔石:魔獣の体に精製されるなぞの石。

 使用可能カテゴリ…鉱石・不思議材アンノウン・中和剤

 特性…【魔力を宿す】【壊れやすい】【劣化速度2倍】……


 他にも種類はあるのですが、最近良く使う物だけ説明させて頂きました。

では早速これらの素材を使って錬金して見ましょう。まずは、錬金鍋(まだ釜じゃないの……)を用意して

水もしくは中和剤という名の液体を注ぎます。


 そこまでできれば後はトーネを1束…ポイッとな?続けて適当な骨をチャポンっ。


 あとは30分間かき混ぜるだけー。でもただかき混ぜるだけじゃないのよー?混ぜ続ける時間は錬金術スキルが最適な時間を教えてくれるから腕が疲れていても混ぜないとダメなのです。

 回し続ける事、台風の如しっ!(違っ!


 こうして出来たのはなんと……傷薬ぃ~。……定番でしょ?


 最近アレク父さんが狩から帰ってくると傷だらけになってたりするから心配なのです。だからこういった簡単なお薬を作って父さんにプレゼントするのです!

 父さんを探してみると家の外で今日の狩で獲ってきた鹿を解体していました。私は父さんに近づき、サッと手に持っていた作りたての傷薬を差し出し父さんの腕にある今日付いたであろう裂傷を指差しました。



 「おやっ?メイリー、これは一体なんだい?」


 「んとね!【ルタの塗り薬】って言うの!父さんのおててにある傷に塗ると治るんだよ」


 「へぇ~、本当かい?じゃあ試しに塗って見ようかな?」


 薬を受け取った父さんはとりあえず腕にある引っかかれた様な生々しい傷に薬をぬりこんでいく。

 ぬりぬり……ぬりぬり……


 「いたたっ……んー?あまり変わった事は無……んっ?おっ、おぉお~?」


 なんと塗った瞬間は意味が無かった(当然だけど?)が、時間が経過するに連れて傷が薄くなり、数分後にはほぼ目立たないレベルまで治っていた。


 「メイリー!こ、この薬を一体何処の誰からもらってきたんだい?」


 「貰ってないよ~?私が作ったのー!錬金術で!」


 「作った?メイリーが?……それに錬金術ってなんだい?」


 「えっと~、トーネの草と父さんが狩って来る獣達の骨があれば作れるよ。あとは、説明が難しいからパスー」


 スキルの説明って難しいですよね?こう、私の中にふわっとした感覚があって、それを自分の体の外側に持って来ようとするという感じ……うん、伝えづらい!


 「……そっちの方が聞きたいんだけどな?じゃあ父さんから聞くよ?錬金術って言うのは父さんの剣術と同じような物かい?」


 「剣術?ってなに?それもスキルっていうのー?」


 「なるほど、その答えで理解できたよ。メイリーがちゃんとその錬金術をスキルと認識出来ているのならそれで良いんだ。だが、まさか娘にも先天的スキルがあるとは思わなかったな……こうしちゃいられない!母さんに教えてやらなければ!」


 父さんは治ったばかりの手で私を抱き上げるとうちに駆け込み、母さんにたった今あったことを話しました。母さんも私に先天的スキルがあったことに驚きながらも、喜んでくれました。



 この世界には先天的・後天的にスキルを持つ人・持たない人が存在します。持つ人はなんとなく自分の中に宿った力を認識できます。スキルを持たない人も鍛錬や練習次第でスキルを得ることは出来ます。ただし後天的に取得した物は先天的なスキルに比べかなり劣るのです。そして先天性スキルがある人間など世界の全人口の一割にも満たないらしい。全部で何人位いるのか知りませんけどね!

 そのためか先天的スキルを持つ人は、関連するギルドもしくは国から求められる事が多いと言う。


 ただ、私の錬金術というスキルは存在自体を知られていないらしく、スキルを使用しながら生活しても問題ないとの事。……あ~、良かった。変な事に巻き込まれることは無いみたい。

 せっかく憧れの錬金術のある世界に転生したのに、国同士の戦争や国内の政争に巻き込まれるのはイヤですもんね。



 ってか、父さんも母さんも3歳をちょっと過ぎたくらいの子供にそんな難しい話しないでよね!?

何で二人とも当然の様に私が理解する事を前提で話しているように思う。


 「メイリーったら、全然子供らしくないんだもの……。仕草からいつもの話し方まで全部演じてるように見えるのよ」


 「そうだよなぁ。特に母さんから鍋を貰ってから様子が変わりすぎたね。あののめりこみ方は子供とは到底思えないよ?」


 おぉー?さすが父さんと母さんですね?頑張って子供を演じていたのがバレてたようです。


 「……ふっふっふ!バレたのならしょうがない!父さんと母さんには正体を明かしてやろうではないかぁ~」


 「えぇ~?し、正体ってメイリー……人じゃなかったの!?」


 「な、なんだってぇぇー(棒……」


 父さんと母さんはノリが良いです。こんな二人だから本当の事を言っても問題ないと思いました!

詳細は省きますが、自分が前世の記憶を持っていること、転生前に神様とか言う変な人にスキルをもらった事、こちらに生まれる前はぎりぎり17歳だった事を明かしました。


 「あらぁそうだったの?大変だったのねぇ~」


 「その歳で一度死を経験しているとは凄いな。だがしかし!父さんと母さんの子に生まれる前の年齢を足しても年下なのだから子供のように甘えて良いんだぞ?」


 母さんの反応には拍子抜けしてしまいましたが、父さんの答えにはウルッときました!生前の父さんの事は反抗期の関係もあって口も利かなかったけど、アレク父さんは好きかも!見た目は残念だけど……人間中身だよね!

 二人には生前の思い出とかについて聞かれましたけど、口から出たのは好きなゲームやらアニメのことばかりでした。それでも二人は、異質な告白をした私を理解するために、長々と語られる言葉に聞き入っていました。




 その告白から3年の月日が経過し私は6歳になった。

 最近は父さんの狩りに同行して錬金術で使う素材を自分で集めるようにしています。もちろん戦闘は出来ませんので父さん任せですけどね!

 最初は父さんも渋っていましたけど、私の精神年齢を踏まえ

 危険な行動はしない

 採取を行う時は父さんに一声かける

 父さんが撤退の合図を出したら採取途中でも逃げる事を約束させられました。


 この頃になると私の錬金術スキルの《知識・応用》の2種が伸び悩みました。

 というのも、私が行動する範囲がこの3年同じという事もあり、村の周囲の素材に関して調べつくしてしまった為です。


 《知識》とは、新しい素材について調べる能力。新しい素材がなくなれば伸びなくなるのは当然のこと。

 《応用》とは《開発》能力で思いつく限りのパターンを極めてしまい、新しい発想が浮かばなくなった為伸びなくなった。


 かろうじて伸びているのは《上書き》《上質化》くらいかな。

 各素材になるものにはランダムで色々な特性(もちろん特性無もあるよ)が含まれています。


 《上書き》はこれら特性を含んだものを同時に大量生産できる能力。

 たとえば【傷の治りが早い】【滲みない】という能力が付いた【ルタの塗り薬】を大量に作りたいけど、こう言った特性のある素材がもう手持ちに無い!

 そう言った場合、作りたい数の材料にこの上書きを使用すれば、述べた2種類の効果のある素材が出来るというわけ。後はこれを通常通り作ればほしい特性だけが残る塗り薬が完成します。


 《上質化》は文字通り、同じ素材2つをあわせてより効果の高いもの1つに作り変える能力。

 この能力は、【肥沃土】を作るときに多用しましたね。そこらでいくらでも採れる土を採取しては上質化を繰り返し3回ほどやれば【上質な土】の完成。

 同じく錬金術スキルの《劣化》能力で木材を加速度的に腐敗させ《融合》で【上質な土】と【腐った木材】を融合し作り上げました。


 この【肥沃土】の使い道は、村の畑です。最初は村長さんに相談し、物は試しでこの土を使用してもらったら、今まで全く育たなかった作物が少しずつ成長し始めたのです。

 ですが、この土だけでは現在の状況は変わらないと思った私は平行して【植物栄養剤】とすぐに食べられるようになる果物を数種類作りました。


 その名もバーナ・アストリア・ミップル・レーモ(の種)。

これらの元になった素材は、父さんと狩猟に向かう森の奥で幾つか拾うことが出来たので《融合》と《上質化》を併用して作りました。


 バーナ・ミップル・レーモの3種の果物に関しては融合前の素材の特性にいくつもの【自走する】という特性が付いており、効果が不明だったので特性を残したまま種を作成して、試しに自宅の裏に植えてみたところ翌朝、目が覚めて庭に出るとそこら中に大量の果物がうろついていたのには恐怖を覚えましたね。

 恐らく植物栄養剤の効果が高すぎたのでしょうけど、これはこれでありだと思うので品種改良をするのはやめておきました。



 そんなこんなで実際の所ただ歩き回るだけと分かり、家族みんなで果物狩りを行い村人におすそ分けをしました。私も含め、この生きている(現実的な意味で)果物たちを食べた瞬間、幸せオーラが満ち満ちていました。


 「「「甘さのタイダルウェイブや~」」」


 こう叫びたくなったのは仕方ない事かもしれない……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ