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第13錬金 私の錬金釜を作ってもらおう! その1

約5ヶ月ぶりの投稿になります。


またいつ止まるかわかりませんが今回より3日間で3話分0時に連日投稿します。


次話以降は遅くとも月に一話くらいで書けると良いな。

 オスロ村で借りた家を錬金術素材でリフォームしてから4ヶ月後、アレク父さんが我が家に帰ってきました。アレク父さんは帰ってくるなり、私とシンディ母さんを抱きしめました。


 「急にすまないな。二人の顔を見たら嬉しくて抱きしめずにいられなかったんだ。……あと、ただいま」


 「おかえりなさい、あなた。無事でよかったわ」


 「お帰り~お父さん」



 アレク父さんは今までハイデンバーグにいき内部の状況を探っていました。理由は私の名前にあるベルシアの姓に由来するものです。


 ベルシア家というのは十数年前にハイデンバーグで王族をしていた一族の姓であり、この姓を持っていることがハイデンバーグに知られると拉致されたあげく、王に任命されてしまい好きなこと(錬金術)が一切出来なくなるということがわかり、生まれ育ったハルベ村から逃げたのです。


 父さんが言うには私達が逃げ出して暫くしたらハルベ村にハイデンバーグの兵士たちが訪れ、私達の事を探していたみたいですが、1月ほどハルベ村周辺を探したあとは本国の方向へ戻っていったみたい。


 父さんはそれに追従してハイデンバーグへ入り、情報を集めた。

 その結果、私の姓の解放は意図せぬ事態であり、本当にその地域にベルシア家のものがいるのかを調べていただけだと分かった。


 ハルベ村の誰もが私達のことを話さなかったので、ハイデンバーグの兵たちは国で拾った反応は誤報だったと決めつけて戻っていったわけですね。ってことはこれで安心できる?




 「それにしても山奥の村でよくこんなに良い家を借りれたもんだなぁ?」


 父さんが4LDKの豪邸(少なくとも村の中では一番?)を見ながら言いました。ソレを聞いた母さんは微笑みながら、私の錬金術で素材を作り立て替えたり増築した(リフォームしたと言っても伝わらなかった為)と説明すると、父さんは錬金術とはすごいもんだなぁと感心していました。


 「母さんやセツナさんに色々と素材集めを手伝ってもらったから良いのが出来たと自負してるよ!」


 「ふむ、これからは父さんも手伝うから何でも言ってくれて良いぞ?……あ、そうだ。メイリーこれをあげよう」


 「これは何?」


 父さんが出したのはハイデンバーグで採れる鉱石やら宝石を含んでいそうな大量の石……いえ、岩。

 ハイデンバーグは周囲に山が多い為か鉱山資源に富んでいるらしく、適当に掘ってもゴロゴロとこう言った素材が手に入るという。


 鑑定の結果、私が転生特典の知識にはあるけど見たことのない素材でした。素材の仕分けに数日経過しちゃいましたけど良い成果でした。手に入った素材は主に《ボルカニックストーン》、《雷鱗石》、《魔銀結晶》《ルビー原石》etc…と、バラエティに富んだものばかり。


 「父さんありがとう!大好きっ!」


 「ふぅ、メイリーが喜んでくれてよかったよ」


 直接触るとピリッと痺れる雷鱗石も錬金術で雷属性を含んだ攻撃用の道具 《サンダークラフト》に加工できるという風に【知識】が囁いていました。


 他にもボルカニックストーンは火の属性を多く含み家庭で使う調理器具の材料になるし、魔銀結晶は魔力の伝導率が高いので魔法を使う魔術師や、私の錬金術と相性が良い。

 これらを組み合わせる事で念願のアレを作れるようになりました。早速、準備して製作開始ですよ!




 「ふむ、素材持込をするから大き目の釜を作って欲しいと?それは構わんが、特注品扱いになるから既製品よりも値が張るが良いのかの?」


 「うん、だいじょうぶ!お金ならあるよ!」


 ところ変わってオスロ村に唯一の鍛冶屋に来ております。鍛冶屋の主でドワーフのウガンさんは見た目は怖いが話し方は好々爺といった所。私がよく知る?鍛冶屋のイメージって見た目どおり言葉使いの荒いイメージだったんだけど、そのイメージを見事に潰されました。


 「そうかい。メイリーはその歳でお金を稼げる力を持っていてすごいのぅ。祖国に住むワシの孫にも見習わせたいくらいじゃわい」


 「ウガンおじいちゃんのお孫さんって若いの~?」


 「うむ!よぅ聞いてくれた。歳は確か今年八十になる若造じゃったかの?」


 「は、八十……ふえぇ~~!!」


 80歳で若造扱いとかドワーフって寿命がどの位あるんだろう……。いや、それ以前にそんなお孫さんがいるおじいちゃんの実年齢がすごく気になるよっ!



 そんな世間話をしながらもきっちりと商売のお話を纏めていきました。


 釜を作ってもらうに辺り必要になる材料と加工に使う燃料の総量を見積もりに出してもらったら、自室に戻りそれらを作るのに必要な量の素材を計算していく。


 結果、少々燃料の材料が足りない事がわかったので、父さんとセツナさんに頼んで材料を狩って来て貰う事にしました。今回足りないのは《タールスライムの体液》というよく燃えるのに消費しにくいもの。


 これをもっているタールスライムという魔獣が都合のいいことに村の裏手にある山に棲んでいる。

 しかもオスロ村長さんもこのタールスライムのおかげで山で採れる鉄鉱石の採掘にいけなくて困っているという風に村民から言われていたらしく、倒してくれたらその報酬も支払うといってくれました。


 うんうん、これこそ一石二鳥です!まあ私が駆除するわけじゃないけどね~。



 「何言ってるの?メイリーも来るのよ?」


 「えっ~~!!」


 「えっ~~!!じゃないわよ?アンタもいい加減戦いなさい。危なくなったら助けてあげるから」


 「む、無理!超無理だよ!?私がスライムなんて強敵を倒せるはずないよ!」


 「大丈夫よ。私とアレクさんが付いているんだから。あとスライムは言うほど強敵じゃないからね」


 「そうだぞ?メイリー。この先私達がいない時に魔獣に襲われるかもしれない。その時、何も出来ずに殺されるのは嫌だろう?この辺で魔獣を倒す事に慣れておいたほうが、きっと後になって役立つときが来るぞ」



 なんと父さんにまで裏切られた!?おにょれー!もうどれだけ母さんとの夜戦で疲れてても精○剤を作ってあげないんだからねっ!帰ってきてから毎日のように夜戦をしていることなんてバレバレなんだよ!


 私ももうすぐ10歳になるんだから、そろそろ気を使って欲しい所。まあセツナさんは既に慣れたものですね。最初の数日間は朝起きたら顔を真っ赤にしていたけど、暫くするといつものクールな顔に戻ってました。


 よし、それじゃ今日の予定は、魔獣討伐用の道具作りだよ!今回作るのは爆発物ではない魔法道具。

 山で爆弾を使うわけにもいかないからね。土砂崩れとかしてオスロ村に被害を出したら大変だし。

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