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第9錬金 私はマッドなサイエンティスト?

申し訳ありません。投稿するものを間違えていました。


改めてこちらを投稿しなおします。すみませんでした!

 シーナコッタの街についた私達家族は、ここで一旦宿を取り、情報の精査をすることになった。


 父さんがハイデンバーグがどの程度まで私達のことを認識しているか調べに行くと言い出したのだ。


 私と母さんはとりあえず、この街に身を潜め、ハイデンバーグから来るかもしれない人を警戒する事になる。



 「シンディ、メイリーを頼むぞ」


 「えぇ、こっちは任せて」


 「連絡手段は……メイリーがくれたこの《パラポラ通信紙》で、滞在する街についたら連絡し合う形で良いな?」


 「えぇ、いつでもアナタからのお手紙お待ちしています……」



 二人抱き合いながら別れを惜しむ夫婦。うん、端から見たらそう見えるけど……実際はもっとこう……。



 「父さん。この《空間指輪》を持って行って。《空間耳飾》の劣化アイテムだけど、魔力は高くなくても使えるから。その代わり一つの指輪に1種類しか入らないけどね」


 「おぉ!それはすばらしいな。ありがたく使わせてもらおう」


 「もう一つ注意ね。つまり誰にでも使えるってことだから、父さんにもしもの時があれば……」


 「ば、爆発するのか?」


 「しないって!?何でそんな物騒なのさ。奪われた場合、持ち主が変わることになるから、中のアイテムは全部消えるからね。それだけ」


 「わかった。パラポラ通信紙が入ってるんだから手離しはしないさ」



 アイテムの使い方の説明をし、合計で3つ渡した指輪にそれぞれ《パラポラ通信紙》《携帯食料(オークラム)》《携帯食料(果物ナップル)》を渡しておきました。


 携帯食料に関しては説明ないと思いますので、パラポラ通信紙について軽く説明を。

 パラポラ通信紙は、手紙電話の事。手紙に書いた事を瞬時に相手方の通信紙に表示する錬金術で作ったアイテムです。同じ世界であればこの紙1セット(10枚入り)あるだけで、紙が破れて使えなくなるまで使用できます。書いた文字を相手に贈る事になるので書いた方の履歴は残りません。(残せないのが欠点でもありますけどね)送られた文字は他の紙や羊皮紙、壁や床など何処にでも移し変えることも出来ます。


 商品化も考えましたけど、先ほどの欠点を改善しないと欠陥商品ですので暫くは身内だけで使うことにしています。



 「アナタ……私の……私達のもとに必ず帰って来てくださいね」


 「もちろんだ。ハイデンバーグ兵ごときに遅れは取らないし、いざとなればこの靴で何処まででも逃げられるからな」


 「二人とも!いつまでもイチャついてないで動くの!もともと父さんが言い出したことでしょう?」


 「母さん……メイリーがいじめるんだ……」


 「あらあら?メイリーったら、母さんたちの仲の良さに嫉妬したのね。うふふ」



 さっきまでのシリアスな別れの挨拶から一転し、笑顔に溢れた別れを交わし、父さんは調査に向かいました。期間としては1年ほどだそうです。もちろん危なくなる前に戻ってきてというのは忘れてないですよ。





 母さんと二人になりましたが、ここで母さん大活躍です。なんと母さんも父さんも冒険者免許を持っているらしく、こういった街での仕事には事欠かないとの事。

 私は8歳という年齢的な問題で冒険者登録できない(条件を満たしても登録するつもりは一切ありませんけど)ので、大人しく(?)借家で錬金術を行っています。


 港町という事で魚介類が多いのでそれらを使用して錬金鍋をグルグルグルー。

そうして出来たピザ?やらアクアパッツァ?やピラフ?やらを家の窓を改造して作った持ち帰りのお店で売っています。そしてこれが今までに無い味という事で大人気となり、母さんも冒険者の仕事よりこっちの方が良いというのでロリ巨乳で美形の母さんが売り子、私はひたすら錬金術という形が出来上がりました。



 「おぅおぅおうっ!誰に断って此処で商売してやがるんだゴルァァ!」


 「ここは自宅ですから何をしようと自由ですよ?それよりも皆さんこちら如何ですか?おいしいですよ?」


 「全然、怖気づかないぜ?この母娘……」


 定番の柄の悪い風体のイチャモン集団がニ名です!こう言う展開待ってましたー!という訳で、早速こう言うものを彼らに見せて見ました。……実験がてら、ね。



 《至高のブレッド》:あらゆる味の調和した個人それぞれの味覚に最高の刺激を与えるパン。他の食材をあわせることで効果が変化する。

 分類カテゴリ:食材・パン・不思議材・神秘素材・中和剤

 メイン特性:【千差万別】【至高】

 付加特性:【過去を振り返り反省する】【性格:素直(一定期間)】



 「はっ、ただのパンじゃねぇか。……な、何だこの美味そうな香りはぁ!パクッ」


 「たかがパン……しかしこの匂いには抗えねぇ!?いや、抗いたくねぇ。ムシャムシャ」


 二人のイチャモン使いがパンを奪い食す。

 それをしっかり見た私は不敵な笑みを浮かべ二人に近寄る。


 「あのー?御代を戴いていないんですけど?」


 パンを食べ終わった二人の顔は何処からどう見ても暗い。あのパンを食べてしまったので、付加特性が発動し、反省したからですね。


 「すいませんでした!このように美味いものにお金も払わずに食べてしまうなど!」


 「申しわけありませんでした!こちらが代金です!あと、ご迷惑を掛けたお詫びにこちらのお店のお手伝いをさせて頂きたいと思います!」



 なんとあの柄の悪いイチャモン使いが、パンを食べただけでこんなに素直になってしまったではありませんか。(棒読み)

 数日後彼らはもとの柄の悪い感じに戻り……かけましたが、私がパンを見せると萎縮するので、もう町の人に迷惑をかけないようにすることを約束してもらい(させ)ました。

 ……あぁ、実験体が2人も減っちゃったか。またこう言う輩来ないかなぁ……。我ながら危ないマッドな科学者になった気分。


 それを見ていた常連のおばちゃんから同じパンを売ってくれと言われましたが、さっきのパンは悪人用ですので、普通の人用は作り直さないといけないことを説明しました。

 常連さんたちからは、後日美味しいパンを売ってほしいと言われ、私はそれを承諾。


 ちなみにこういったパンの材料には普通、小麦等を使用しますが港町では扱っていません。

 しかし錬金術であればカテゴリが【食材】と【植物素材】に《中和剤(特性【千差万別】付》を組み合わせれば、小麦っぽいものを作り出せるのでそれをパンにして売っているというわけ。

 あと《中和剤》って、今出来るほぼ全ての調合で使うので色々な特性のものを用意しておくのは当然のことです。


 パンにするのも錬金鍋ですので竈も必要ないですしね。

 材料は《小麦?》と《研磨剤》と《中和剤》だけ。食べ物に研磨剤入れるなって?

 普通ならそう思いますよね。でも私は錬金術を使うのでそこに問題ありませんから安心してください。


 うん、やっぱり錬金術は万能だね!こうして錬金術で料理を作る私ですけども、家で食べる食事は母さんが料理してくれてるのを食べてます。母の味には勝てませんからね!



 数日後からパンの販売も始めると、いつも以上に行列が出来るようになるのは当然の流れだった。


 家を買うときに借りた借金などありましたが、商人でも普通半年は掛かる借金だったそうですが、それを一月程度で返せてしまったので母さんも呆れていました。

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