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義経千本桜;平成25年3月18日
夜の部の最後の公演は義経千本桜、しかも中村勘九郎の半年前の公演と全く同じ場面である。クラシック音楽などと似ていて、歌舞伎もスタンダードなレパートリーがある。しかし、半年前に中村勘九郎が大喝采を受けた演目をやるというのはなかなか複雑な気持ちである。
しかし、クラシックでも指揮者やオーケストラが違うと同じ曲が別の作品になるようにこれはおもだか屋一門の義経千本桜になっていた。
細かいところだと中村勘九郎一座の義経千本桜では義経、静御前が若い役者だったが、今回は坂田藤十郎と片岡秀太郎。
義経千本桜は狐忠信が中心だが、それが市川猿之助。
猿之助のアクロバット的わざは、中村勘九郎と甲乙つけがたかった。けっこう厳しく観ていたが、文句のつけようがなかった。
そして一番最後、市川猿之助が花道の上を針金で吊るされて宙乗り、花吹雪が降り注ぎ、圧倒された。そういう派手な仕掛けに厳しい態度の私がトロトロになって、感動、興奮してしまうすごい終わり方だった。