松竹大歌舞伎(7月18日)
こちらは春日井で観た。こちらは年間ベスト候補。
挨拶。市川染五郎。
「晒三番叟」中村壱太郎
「松浦の太鼓」市川染五郎、嵐橘三郎、中村歌昇
舞踊「粟餅」市川染五郎、中村壱太郎
こちらでは市川染五郎が黒いスーツで挨拶をし、春日井の話題にふれるが、春日井は新興都市で、地元の人は歴史など知らないし、名古屋などから来ている人が多かった。
よく出入りする私の方が詳しいぐらいだった。市川染五郎のトークは軽快で、好感が持てた。
そのあとの「晒三番叟」は三番叟というめでたい踊りがあるのだが、それを平家のお姫さまが踊り、源氏の武者と大立ち回りを演じ、数回、衣装替(早変わり)。新体操のように源氏の白旗を両手に持ち、地面につけないようにイナバウアーなど、やんややんやの喝采だった。
そして、次の「松浦の太鼓」これは中村吉右衛門の大事なレパートリーで、市川染五郎にやれるのか?(・・;)と思った。
「忠臣蔵」の時代、松浦鎮信というお殿様がおり、吉良上野介の家の隣に住み、俳句、茶の湯、女遊びで気をまぎらわしつつ、討ち入りを心待ちにしている。
ハッキリ言ってバカ殿であり、ドカーン、ドカーンと爆笑をとる。
しかし、バカであるからこその、澄んだ心、強い正義感、おおらかな優しさや気品。そういうものを上手く出さないといけない難しい役だが、市川染五郎はけっこう達者にこなしていた。考えてみれば、市川染五郎は中村吉右衛門の甥なのだから、松浦鎮信として座っていると、けっこうさまになっていた。もちろん、叔父、指導も受けたのだろう。
嵐橘三郎が俳句の先生の役をやっていた。これは高齢の役者の活きる役なのだが、本当は松浦鎮信の方が年上で、市川染五郎も白髪のかつらをかぶるか迷ったらしいが、結果的に等身大の殿様はよかった。
また、松浦鎮信公に討ち入りを報告する大高源吾を中村歌昇がやっていた。これも吉右衛門がやる時は歌昇の父親、中村又五郎がやるのだが、若くハンサムな歌昇の武者ぶりはうれしいものだった。全体的に若く、活気に満ちた舞台となった。
「粟餅」は上方の「団子売」の江戸版ではないかと思うのだが、餅を臼と杵で作るのは男女のこと、実事を表している。めでたい舞踊である。
奥さん役の中村壱太郎も私の注目の若手である。扇千景の孫である。この人は去年もかなり巡業をこなし、父親中村鴈治郎の襲名披露というコンサバから、市川海老蔵の新作まで、幅広くこなしていた。天才とは量である。
大満足。連休を締めくくってくれた。




