錦秋名古屋顔見世・夜の部(後編)
大作「俊寛」のあとは松羽目ものと言う明るいお芝居「太刀盗人」にガラッと代わる。
舞台に大きい松の絵があり、邦楽のオーケストラがズラーッと並び、軽やか、流麗な音楽、舞踊が繰り広げられる。
内容は岡本柿紅と言う人が狂言を書き直したものが多い。
中村錦之助が田舎侍、中村又五郎が太刀盗人を演じ、丁々発止のやり取りを繰り広げる。この二人の衣装や演技が美事だが、二人を捜査する又五郎の次男種乃助の陽の気が素晴らしい。若手で私はこの人が最も好きな一人である。
前から思っているが松竹の現代映画に出たら、なくてはならない名喜劇役者になると思う。
夜の部最後は鶴屋南北の「浮世柄比翼稲妻」
あえてグロテスクと言う言葉をほめことばとして使うが、端整な近松門左衛門に比べて鶴屋南北はグロテスクなけれんたっぷりの美や、奇想天外なストーリーで楽しませる。
歴史上は出会わなかった二人の美少年武将がもし出会って戦ったら、と言うお話でこれも中村錦之助と中村又五郎が主演。
これが無い物ねだりになってしまうのだが、二人は上手いが初老、二人の美少年と言うにはとうがたっている。若い役者がやる方が軽やかだと思うんだけど、私が未熟なのかなあ?(・・;)
そして女形の大御所中村芝雀が花魁道中を演じる。貧しい長屋に身を隠す武将のところに華麗な花魁道中がやって来る、グロテスク、キッチュな美。
そして最後は満開の桜に彩られる遊郭での二人の美少年武将の鞘当て。絵巻物のよう。
(長いお話なので、クライマックスをダイジェストでやっているのですよ。f(^_^;)




