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四月花形歌舞伎(後編)

昨日になってしまったが中日劇場で観た四月花形歌舞伎の目玉「雪之丞変化」なんたる面白さ、なんたる上手さ。あまりに面白くて涙、出てきた。(;_;)



二次大戦前夜、まだ少し世の中に光が残っていたころ、第1回直木賞の選考委員もやっていた三上雄兔吉(字が間違っていたらすいません)が朝日新聞に連載した傑作。恥ずかしながら、知らなかった。すぐにアカデミー賞最優秀外国語映画賞監督衣笠貞之助、伊藤大輔などにより長谷川一夫主演の映画に。


のち市川崑のリメイクとか、観ることはかなわないかもしれないが美空ひばり、美輪明宏などのバージョンもあり、近年ではジャニーズのスター滝沢秀明のバージョンもあるらしい。


長崎の豪商の子供雪之丞は悪党土部駿河守に両親を殺され、女形に身をやつし、中村菊之丞一座の人気者となり、幕政を操る土部駿河守を討たんとする。そこに土部の娘、将軍の婚約者浪路との恋、すり師かるわざのお初との恋、何故か雪之丞を助けてくれる闇の世界の王者闇太郎や、謎の学者孤軒先生、さまざまな登場人物の思惑入り乱れ、誰が敵なのか、誰が味方なのか、雪之丞は浪路を選ぶのか、お初を選ぶのか、そして巨悪土部駿河守を倒せるのか?



太宰治も言っている。本当の芸術とは味わうものを楽しませようとする極彩色の優しさ、琳派の絵のようなものである。そういう意味では「雪之丞変化」は私が味わった最高の芸術の一つである。私は道とか精神論を持ち出すものを信用しない。


「雪之丞変化」の中で雪之丞は「関の戸」の桜の精、「本朝二十四孝」の八重垣姫などに扮し、名作歌舞伎のクライマックスを演じる。何と贅沢な。



そして市川猿之介の雪之丞の宙乗り。劇場が熱狂の中で一つになった。

江戸の本当の歌舞伎と同じ、一番素朴で一番偉大な感動が生まれた。



宙乗り、早変わり、衣装、どれをとっても文句のつけようのない。

太鼓判!年間ベストワン決定!(・・;)

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