錦秋顔見世③
今日のお昼に観たのは、「鳴神」「鷺娘」「与話情浮名横櫛」
あんまり体丈夫じゃない私、昨晩、夜の部を観てから、金山のホテルに宿泊して、朝、ボーッ。(*_*)
それを叩き起こすように「鳴神」はファンタジーで面白い話であった。これは私の専門の王朝文学を下敷きにした大ボラで素晴らしい。
陽成帝の御代、(この人は歴史上最も悪い天皇の一人でこの人を持ってくるところ目のつけどころがすごい。)朝廷を倒さんと野望を抱く魔の上人鳴神は世界中の龍神をある滝に封じ込め、世界中に雨が降らなくなる。鳴神上人は中村橋之助。
その野望を打ち破らんと雲の絶え間姫という人がいろんなアイテムを持って魔の山に乗り込んでくる。歌舞伎は王朝文学とは違い、庶民の逞しい笑いやエロスの世界であり、雲の絶え間姫は着物をはだけて足を見せたり鳴神上人を誘惑する。そして上人ほど悟っていない弟子の僧たちはほとんど猥歌、春歌に近い歌を歌い出すなど楽しい舞台である。
鳴神上人は雲の絶え間姫の色香に迷い酒に酔いへべれけになる。雲の絶え間姫はそのすきに世界中の龍神を解放し、鳴神上人の野心はついえたのであった。
歌舞伎の面白いところはここで終わるのではなく、鳴神上人が炎の魔王のような姿になり、弟子たちに暴れるさまを見せて楽しむところで、中村橋之助はすごく達者にやっていた。美事であった。雲の絶え間姫は中村扇雀。
次の鷺娘は邦楽のオーケストラと合唱隊をバックに中村福助一人が舞踊。於染久松ほどでないが四回ぐらい早変わりを見せる。
本当は暗い話なのだが、ボーッと観るのがよいと思う。(続く)




