プロローグ
光と影
この世界には、それに似た関係がいくつかある。しかし、その関係は全て同じ意味とは限らず様々な意味につかわれている。では、どんなものがあるのか?
例えば、〝人生〟の光の部分といえば、幸せな時間、その人が輝いている瞬間など、要するに、その人の人生での〝善〟の部分が光の部分と言えるだろう。 逆に、影の部分といえば、その人の不幸な瞬間、自分が嫌な気持ちの時や悲しいときなど、人生での〝悪〟の部分が影の部分と言える。
まとめていうと、人生の光と影の関係は、善と悪に表わすことができる。
では、〝努力〟の光と影の関係はどうであろう。
分かりやすくするために、影の部分から説明すると、影はその努力している瞬間、頑張っている瞬間を指すだろう。もちろん努力するのは簡単なことではないから疲れたり、嫌になったりすることもあるだろう。
しかし、それは決して悪ではなく、努力したことが自分を支え、力になる。そういった意味で影の部分は〝善〟であると言えるだろう。
光の部分は一言でいうと、努力の成果。結果はどうであれ、ありのままの自分を出すことができる。それは、もちろん〝善〟であろう。
絶対とは限らないが、影が濃ければ濃いほど光も明るくなり強くなれる。 もう分かると思うが、努力の光と影の関係は善と善。内容はどうであれ、こう表せる。
最後におまけとして〝物体〟の光と影の関係を説明しよう。
これに深い意味は無い。光は日光や電灯の光にあたっていることで、影は光にあたっていないことである。
まだまだ沢山の関係があるが、まぁこれくらいにしておくとしよう。これから本題に入る。
〝人生〟〝努力〟〝物体〟
光と影の関係について三つ説明したが、そこに読者に問いたいことがある。
この三つの中で〝世界〟の光と影の関係に似ている────いや、関係が等しいものがあるのだが、それはどれだろうか。
この質問を、色々な学者にしたところ、多くの学者・・・・・・・・いや、全員はまず首をかしげた。
それもそうである。いきなり、世界の光と影の関係は?などと言われても分かるはずもない。しかし彼らは本気で考え、答えを導きだし私に伝えた。
間違えても、なにかの試験に落ちるわけではない。名誉に傷がつくわけではない。しかし、それでも正解をだしたいのは学者の性なのであろう。
彼らは私に自信満々に答えを伝えてくる。その学者が得意としている分野の考えを一生懸命私に伝えて、最後に勝ち誇ったような笑みで私に答えを言う。
私は彼らの話を感心して聞いていた。興味深いものや、よく考えられているものも沢山あった。
しかし誰一人、正解にたどり着けた学者はいなかった。
まず、三択に間違う人がほとんどであった。そして、その三択が合っていたとしても理由が全く違った。これは正解とは言えない。
これを読んでいる読者には、正解をお教えしよう。
答えは〝物体〟の関係である。
これだけ聞くと首を傾げる読者も多いだろう。なので分かりやすく説明しようと思うのだが、一つ注意してほしいことがある。
それは、先入観にとらわれてはいけないことである。 その理由は、これが貴方の〝世界〟という存在に対するイメージを壊すものだからである。
では始めよう。
私たちの住んでいる世界は平和である。現在、人々は協力して生き、人間だけに留まらず動物や植物などとも協力して生きている。そして、なにより太陽の光が暖かい。
この存在を光とすると、影はどんな世界か。
それは、平和ではない世界。人間たちは自分の欲望の為に他人を蹴落とし、動物を無差別で殺し、植物を枯らす。太陽はあるのだが、その光は闇に近い光。世界を黒く包み込んでいる。
イメージとしては、白と黒という感じである。
・・・・・・・・・なぜこんな話をしているのか。もちろん、それは〝世界〟の光と影の関係なのだが、これだけではよく意味が分からないと思うので、ここで一回、結論を言ってしまおう。
〝世界〟という存在は、二つある。
つまり私たちが生きている世界の他に、もう一つの世界というものが存在しているということだ。
非現実的なことであるが、その世界は確かに存在している
本来ならここは笑うべきとこなのだが、そうはいかない。これは事実だからである。
私たちの住んでいる世界を光とすると、その世界は影である。その世界には明るい光というものが存在しないし、平和という文字もない。
その世界では武器をもった人間と動物───いや、動物の進化系が戦っているのである。
血で血を洗う戦いが、その世界で毎日毎日続けられているのである。
何度も言うが、この話は嘘ではない。事実である。
そして、私達はその世界のことを〝世界〟という存在の裏側で光もあてられず存在する世界という意味で、〝裏世界〟と呼んでいる。
この話を読んでいる貴方に渡したのにも理由があるが、それは後に分かるだろう。
・・・愛護に、そ私と二つだけ約束してほしい。
一つは、この本を絶対に誰にも貸さず、絶対に誰にも内容を話さないことだ。この話は内密なので世間に知られてはいけないのだ。
そして、もう一つ──────後に、どんな運命がまっていたとしても、受け入れて立ち向かってほしい。
私は、これを読んでいる貴方の幸福を祈っている。
この話を本当か嘘かを決めるかは貴方次第です。しかし、この話は実際に現実に起きていることです。
著 神崎アレン
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