ハリ ハリ クルシイネ
フ・・フフフ・・面白い男だ・・
ここの怨霊を助けたい・・だと?
自分の身も満足に守れないのにな・・?
今後のこの男の行動に注目だな・・クックック・・
「アラン、それからヨウ。
俺がここの霊達を助けるためには、あんた達の力が必要不可欠・・
今後俺に力を貸してほしい。」
「・・あぁ。いいだろう。
ただし条件がある。
私は長いこと暇だったんでな・・そこで、
お前には私を楽しませることが条件だ。
お前の考えには驚かされるからな・・」
楽しませる・・俺が・・?
何だか分からないが・・そんなことで力を貸してくれるなら好都合だ。
この状況を打開するにはアランの力がないと無理に等しい・・
「ヨウはどうだ?
君もここの奴らと同じと言っていた。
ヨウ・・君を助ける意味でも俺に力を貸してほしい」
「・・・分かった。」
よし!
ヨウは唯一ここの地形、そして敵の情報を知っているんだ。
彼女がいれば非常に心強い・・
「よし、皆の意見も聞けたところで、探索を再開する。
何かいい手がかりが見つかればいいが・・」
そういって俺はさらに探索をはじめた。
大朔・・か。
私は彼を守るために・・
いや、やめよう。
真実を話すにはまだ早い・・
もう少し私の胸の中にしまっておこう。
巻きこんですまない・・大朔。
私の力不足だ。
ヨウが言う、”真実”とは一体・・
****
数分後・・
「・・・何もないなあ。
やっぱりそう簡単に見つかるものでもないか・・」
俺達はいったん手がかりを探すことをやめ、
次の部屋に行くことにした。
「アラン、ヨウ、次の部屋に行こう。
ここにはもう何もない。・・・ってアランそれ・・何持ってんの?」
見るとアランの口元には光が反射してキラキラ光る何かをくわえていた。
「これか?これは隅の方に落ちていた」
それは鍵だった・・
はぁ?
鍵もってんなら言えよ!!
何普通にくわえてんだよ!
ガサガサ探してた俺バカみたいじゃん・・
「ハァ・・ヨウ。これがあのドアの鍵なのか?」
「はっきりとは分からないが・・
違うと思う。こんなに小さな鍵ではないハズだ。」
そう言われてみれば、小さな鍵だな。
なんの鍵なんだ?
鍵には手の込んだ模様が両面に施されており、とてもかわいらしい鍵だった。
用途は不明。
特徴的な鍵だ。
「とりあえず、持っていて損はないだろう。
何か鍵を使うようなものがあったら言ってくれ。
それと、アラン。」
「なんだ。」
「何か発見したらすぐに誰かに知らせること。いいね?」
「あぁ。分かったよ。」
返事はしたものの、口元は二ヤついており・・
俺がもう一度念を押して言ったことは言うまでもない。
それから俺達は部屋を移動し、さらに隣の部屋に移った。
「よし。ここだな。じゃあ開けるぞ。」
俺はドアノブを掴み、回した。
ガチャ・・キイィ・・・
「これは・・」
「なるほど・・これは楽しそうではないか?」
「・・・」
その部屋は、
一面針の山で出来ていた。
針・・!?
いや、針よりも太くてでかい・・
それにこんなにたくさん・・・
これからアラン達に待ちうけるものとは・・
なぜこんなにも針が刺さっているのか・・
この部屋は謎だらけであった。