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タタカイノトキ




ヤバイヤバイヤバイ!!!

俺の中の何かが危険信号を出してる!!

これでレベルAなのかよ!!

バカじゃねえの!?

あんなのどうやって逃げればいいんだよ!!


「おい」


「ぁあ!?なんだよ!!

 今話してる場合じゃね・・」


ポイッと足元に転がるもの・・それは薄汚れた腕輪だった。


腕輪?

なんでこんな時に・・!

こんなもんが今何かの役に立つっていうのかよ!!


「はめろ。そして念じろ。

 その腕輪に”我腕輪の主なり。その力を我のために解放せよ”と」


この・・腕輪に?

バカか?こんな汚い腕輪になんの効果があるっていうんだよ・・


「やってみろ。ほら・・早くしないと・・・」



カサカサカサカサカサ・・


「何をしているの・・・?

 わたしたちの前では人間なんて無力そのもの。

 今さらなにをしようと意味なんてないのよ!!

 わたしたちは生まれ変わったんだから・・アハは・・アハハハハハははハハははハハ!!!」


いつの間にかさっきの女がケタケタ笑いながら迫って来ていた。

そのようすは例えようがなく、両手足を動かし高速で走っていた。

首を左右に動かしながら・・・


「ヤバイよ・・これ・・

 この腕輪・・本当に・・?」


「何を躊躇している・・

 やつらはそんなに待ってはくれないぞ」


はっ・・!!


気づけばヤツはすぐそこまできていた。


「君はバカだね?

 おそいんだよ!!キャハハハ!!」


ガッ・・・・!!!


四つん這いの女は大朔を力の限り殴った。


何だよあいつ。こんな力・・反則だろ・・!!



ダァン!!!!



「ガハッ!!」


大朔は壁にたたきつけられた。

壁は激しく大破し、大朔はドサリと床に倒れた。


「まじかよ・・いってぇ・・骨折れたんじゃねえの・・」


痛みにのたうち回る大朔だったが、そんな彼を怨霊が待ってくれるハズもなく再び襲いかかってきた。


怨霊は信じられないほど大きく口をあけた。

その口にはギザギザとしたいくつもの歯が並んでおり、唾液が滴るほどだった。

その口で大朔を噛み切ろうというのだ。


「お前はなんて弱いんだ小僧。わたしの足元にもおよばぬわ!!

 さっさと死ぬかいい・・小僧運がわるかったな?」


大朔は覚悟を決め、目をつぶった。



・・・・ガキンッ!!



「何をしている!!だからはやく念じろといったんだ!!」


鼓膜が破れるほど叫ばれた大朔は目の前の光景に驚いた。

大朔を最初に助けてくれた女が鉄パイプで怨霊の攻撃を防いでいた!!


「おまえ・・なんで・・」


「話はあとにしろ!!

 私も・・もうもたない・・!!」


大朔は意を決した・・


この状況をなんとかするにはこの腕輪に頼るしかない!!

頼む!!おれの・・俺達を助けてくれ・・!!



『我腕輪の主なり。その力・・我のために解放せよ!!』



一時の間・・静寂があたりを包み込んだ・・



ポゥ・・・


光が・・・!!


パアァァァアア!!!


腕輪に光が宿り、一気に輝きが放たれた。


「な・・なん・・」


大朔が動揺しきっていると、

再び鼓膜を破るようなどなり声が上がった。


「はやく・・はやくこいつを吸収しろ!!」


きゅっ・・吸収!?

どうやって!!この腕輪でかっ!?


「念じるだけでいい!!あとは腕輪がやってくれる!!」


念じる・・

さっきもできたんだ・・

とにかくこの腕輪に賭けるしかない・・


『たのむ!!こいつを吸収してくれ!!』


すると、

腕が何かに引っ張られるように前に突き出た。


そしてまたも神々しい光が腕輪から発せられた・・


ポウ・・・


その神々しい光はやがて赤く・・赤く・・炎へと変化した。


ボウ・・・ボウ・・・ボッ・ボォオオオオ!!


炎は四つん這いの女の元へ飛んでいき、あっという間に怨霊を取り囲んだ。


「!!っ・・何だこの炎は!!

 やめろ!あ・・あつい!!やける!!焼けるぅウう!!!!!」


怨霊は転げ回り、なんとか炎を消そうと必死だった。

しかし、炎はまるでまとわりつくように怨霊を離れなかった。



「こぞおぉぉおお!!許さんぞ!!ゆるさんぞおおおおお!!!

 なぜ・・またも人間に・・くそっ・・・」



そして・・・


怨霊は燃え尽き・・


灰が光の塊へと変化した。


そして怨霊は



『小僧・・すまなかった。

 あの炎はお前の意志そのものだった・・

 ありが・・とう・・

 お前のような人間が・・もっとはやく・・私が生きているうちに会いたかった・・よ・・』  



そう・・言い残し、怨霊だった何かは天高く昇って行った・・・



・・・シュウウウゥゥ・・


腕輪の炎が消え、もとの古びた腕輪にもどった。



ガク・・


戦いがおわり、大朔は気が抜けたように座り込んだ。



「はあ・・はあ・・・

 終わった・・のか・・?

 俺の意志?俺は・・何も・・」



カランカラン・・



バサッ・・!!



「くっ・・・!!」


ここにきてからずっと大朔を助けてくれていた謎の女が突如たおれた。


「おいっ!!大丈夫か!!」


ダッ!!


大朔は急いで駆け寄った。

見ると、女はさっきの炎を腕にくらっており、腕に酷いやけどを負っていた・・


「これは・・

 しかもただのやけどじゃねえ・・

 何この刻印・・」


腕には謎の刻印が焼き付いていた。


「これは・・ただのやけどでは・・ない。

 ふれるな!!・・ぐあっ!!」




その言葉は本当らしく、まるで何かの呪いのような効果を発していた・・・





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