ナゾノオンナ
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「あぁー寒い。つーかこの季節に廊下の窓全開ってどういうことだよ。
勝手に閉めたけどいいのかな・・
相変わらず誰もいないみたいだし。
今何時だよー・・
ほんとここどこだよ・・・」
大朔は廊下中の窓を閉め、両手で身体をさすりながら出口を探していた。
廊下は思った以上に長く、曲がっていたり枝わかれしていたりと・・
一通り歩いた大朔はそれだけで疲れていた。
「あぁーー・・つかれた・・
どんだけ・・広いんだよ・・・はあ・・
でもその割に部屋数が少なかったようなー
一つ一つの部屋の面積が広いってことか?
この洋館は何に使われていたんだろう?」
いや。そんなことは俺には関係ないか。
ここを出てしまえば、日常を生きていく上で忘れてしまうだろう
その時、大朔は肌に冷たい風を感じた。
ん?窓はすべて閉めたハズだが・・
まだ開いていたか?
ゾワッ・・
何か、イヤな感じが・・
すると、どこからか機械のような声が聞こえてきた
ジ・・ジジ・・ガッ・・
「ワスレテシマ・・ウ・・ノ・・?
オま・・エ・・ニンゲン・・カ・?」
な・・んだ?
どこから声が・・・ッ!!!!
大朔の目の前には信じられないモノがいた。
「な・・に・・女?
でも・・え?・・透けてるじゃん・・」
大朔の目の前には、白く透き通った女がいた。
どこから現われたのかも分からないいつの間にかその女はここにいた。
その女は透けていること以外は普通の女だったが、目が・・死んでいた。
「お前・・誰だよ・・
なん・・何で透けてんだよ!!!」
半ば怒鳴り気味で半狂乱になる大朔。
それもそのはず。
目の前には物理的に考えて、いるはずのないものがいるのだから。
「ワタシハ・・イヤ・・ソンナコトヨリ・・
オマエ・・ドウヤッテココに・・?」
女はゆっくりと、でも確かに口を開けて喋った。
しばらくぼうっとしていた大朔だが、女の発した言葉の意味を理解すると、大朔も口を開けた。
「ッ・・知らねーよ!目が覚めたらここにいたんだ!!
ここはどこだ!!オマエはなんなんだよ!!」
「マア・・オチツ・ケ。
ワタシハオマエの・・ミカタダ
ココハ・・きケンダ。場所ヲ・・移スゾ」
「はぁ!?危険?何が危険なんだよ。
それに味方ってなんだよ!!
意味が・・わかんねえよ・・・・・・ウワッ!!」
あまりの混乱でめまいをし、その場に座り込もうとした大朔だったが、
めまいとは別の、自分が宙に舞うような感覚に襲われた。
そして意識を手放した・・・
「な・・んだ・・やめ・・何を・・クッ・・」
あぁ・・俺はこのままこいつに殺されるのか・・?
まだ・・沢山やりたいことがあったのに・・
母さん・・みんな・・ごめんよ