ダイ 二 ノ ヤツ
俺達はゆっくりと中に入った。
壁、椅子、机、ドア・・
すべてに針のようなものがびっしりと刺さっていた。
「何なんだ・・この部屋。何でこんなにたくさんの針があるんだよ。」
俺達は何が起きたか探るように、辺りを見回した。
針・・針・・どこもかしこも針の山だった。
「大朔・・あれは手がかりにはならないか?」
そういってヨウが指を指した方を見た。
「!!」
それは確かに手がかりだった。
この部屋には奥に続く扉があったのだ。
これは大きな手掛かりになる。
・・・しかし、
一面血だらけだ・・
それも針は刺さったまま・・
あんなにおびただしい量の血が・・!!
普通の人間だったら失血死してしまうほどの量だぞ・・
一体この部屋でなにが起きたんだ・・
その時、
針がサワサワと揺れ出した・・
針が・・!!
なんだか俺達を奥へ誘っているようだ・・な。
「俺達に奥へ行け・・といっているのか?」
「このまま引き下がるのはお前の決意を反することになるぞ」
「同感だ」
皆が俺を見つめていた・・
分かってるよ。
これは俺が望んだことなんだ。
行くしかない・・
「よし・・じゃ、開けるからな」
俺は・・ドアノブをゆっくりまわしたんだ。
ガチャ・・キィイイ・・
木のきしんだ音が辺りに響いた。
中には・・なにもなかった・・
「なんだ何もないじゃないか・・」
俺は心なしか、安堵の息をついた。
しかし、
「小僧・・よく見てみろ。奥に何か転がっている」
アランが目にしたものと同じものを見たとき、
俺は全身が緊張で堅くなったことしかわからなかった。
見たくなかった