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星祭の熱狂と隠された星の影

みなさん、こんにちは!

初めましての方ははじめまして、いつも読んでくれてる方いつもありがとう!

ep.9「星祭の熱狂と隠された星の影」をお届けします!

キラキラ輝く星祭のドタバタの中、星祭はさらにカオスに!?

今回は悠真の雑魚っぷりもちょっとだけ成長…?

星祭の賑わいと不穏な空気を楽しんでもらえたら嬉しいです!

感想、評価、ブクマ、いつも励みになってます!

ミミちゃんのギョロ目に見つめられながら(笑)、ぜひ最後まで読んでってくださいね~!

聖ルミナリス魔法学園の星祭最終日は、校庭を彩る魔法の光と屋台の賑わいで最高潮に盛り上がっていた。

焼きそばの香ばしい匂い、リンゴ飴の甘い誘惑、ふわふわ浮かぶ星形の風船。

生徒たちの笑い声と魔法の火花が響き合い、夜の花火大会を前に、校庭はキラキラと輝く熱気に包まれていた。


俺、悠真は一年B組のお化け屋敷の客引きを終え、仲間たちと別れて校庭をぶらついていた。

けど、なんだか胸騒ぎがする。

華やかな光景の裏に、まるで闇が潜んでいるような、微かな違和感が拭えない。


ふと、コスプレ喫茶のテントに吸い寄せられるように足を踏み入れる。

色とりどりの衣装に身を包んだ生徒たちが笑顔で給仕する中、ひときわ目立つ少女がいた。

リリスだ。

ゴスロリ風のメイド服、黒のフリルスカートに白いエプロンがふわりと揺れ、星形のヘアピンがキラリと光る。

だが、彼女が抱く不気味な人形「ミミちゃん」のギョロッとした目が俺を睨み、背筋がゾクッとした。


「ふふ~、悠真君、ようこそ~! ミミちゃんと一緒に、最高のメイド喫茶へ~!」

リリスがトレイを抱えてスキップで近づいてくる。ミミちゃんの手を振る仕草に、思わず一歩後ずさる。

「リリス、メイド服めっちゃ似合ってるな。……ミミちゃんは、ちょっと怖いけど」

俺が苦笑すると、リリスが唇を尖らせた。

「ミミちゃん、超可愛いのに~!」

でも、すぐにニコッと笑って俺の顔を覗き込む。

「ふふ~、これから休憩なの! 悠真君、お昼食べた?

ほら、屋台巡りしようよ~! ミミちゃん、お腹ペコペコ~!」

リリスに手を引かれ、俺は半ば強引に屋台ゾーンへ連れ出された。


屋台通りは、星祭の熱気でカオスなまでに盛り上がっていた。

木製の屋台に吊るされた星形の提灯が魔法の光でキラキラ瞬き、焼きそばの鉄板からジュージューとスパイシーな香りが漂う。

リリスは焼きそば屋台に飛びつく。

「このキラキラ焼きそば、めっちゃ美味しい~!」

麺に振りかけられた青のりが魔法の粉末でほのかに光り、リリスの笑顔をさらに引き立てる。

「光るリンゴ飴、甘~い! ミミちゃんも大好き~!」

「んん~、たこ焼き熱っ! でも最高~!」

湯気をハフハフ吹きながら、頬を紅潮させてはしゃいでる。

その無邪気な笑顔は、まるで普通の女の子そのものだ。

(リリス、こんな純粋に楽しんでるの見ると……悪い子じゃないよな?)


屋台の合間を歩くリリスに、他のクラスの生徒たちがざわつく。

「ねえ、あのメイド服の子、めっちゃ可愛い!」

「転入生だよね? あの星のヘアピンの子!」

「人形ちょっと怖いけど、超目立ってる!」

女子生徒たちがヒソヒソ囁き合う。

その中の一人が思い切って声をかけてきた。

「ねえ! あなた可愛いね! 名前は?」

リリスはくるりと振り返り、メイド服のスカートがふわっと広がる。

「ふふ~、ありがと~! わたしリリス! ミミちゃんと一緒にポーズ~!」

男子生徒が「やば、めっちゃいい!」と近づこうとするが、ミミちゃんの目がギョロッと光り、ビビって後ずさる。

(リリス、人気あるな……まあ、これだけ可愛いと納得だけど)


俺がそう思っていると、リリスが振り向いてニヤッと笑う。

「悠真君、なに見てるの~? ミミちゃんに惚れた~?」

ミミちゃんの目がまたギョロッと光り、俺は「いや、絶対ない!」と慌てて手を振った。

リリスのキラキラした笑い声が屋台通りに響き、星形の提灯が揺れる。

その笑顔が、なんだか妙に心に残った。


屋台を巡り終え、俺とリリスは校庭の特設ステージに引き寄せられた。

木製の小さな舞台では、人形劇「星の魔法使いと魔王の戦い」が上演中だ。

星形の魔法陣を操る魔法使いの人形が、黒いマントの魔王を追い詰める。

子供たちが目を輝かせて前のめりになり、リリスもその輪に混ざって手を叩く。

「ふふ~、人形劇、キラキラ~! ミミちゃんも仲間に入りたいって~!」

リリスの声が弾むが、ミミちゃんのギョロッとした目が怪しく光る。

「リリス、ミミちゃんは大人しくさせておけよ。なんかヤバそうな目してるぞ……」

俺が警告すると、リリスは「ふふ、大丈夫だよ~!」と無邪気に笑う。


だが、次の瞬間、ミミちゃんの目がギョロッと強く光り、舞台に細い糸のような魔力がシュッと飛んだ。

突然、魔王役の人形が勝手に動き出し、「うおお、俺は無敵だ!」と叫びながら舞台を飛び跳ねる。

魔法使いの人形がぐるぐる回転し、背景の星空幕がバタバタ揺れる。

子供たちが「怖い!」と泣き出し、観客が「何!?」「壊れた!?」と大混乱。

「ふふ~、ミミちゃん、いたずらしちゃった~! ごめんね~!」

リリスが慌てて謝るが、口元のニヤニヤが隠しきれていない。

「リリス! お前、絶対わざとだろ!?」

俺が叫ぶとリリスは

「ふふ~、ミミちゃん、やりすぎちゃった~!」

と笑いながら俺の手を引こうとするが、俺は足を止めた。


(このままじゃ、子供たちがトラウマになるだろ……!)


「リリス、ちょっと待て! この混乱、なんとかしないとヤバいぞ!」

俺が叫ぶと、リリスがキョトンとした顔で振り返る。

「え~? でも、ミミちゃんのイタズラ、めっちゃ盛り上がってるじゃん~?」

「盛り上がってるじゃねえ! 子供が泣いてるんだぞ!」


その瞬間、胸の奥で熱い脈動が走った。

――悠真、動け。こんな小さな混乱も収められんようじゃ、聖騎士の名が泣くぞ。

頭に響く低く渋い声。

アルディオンだ。

いつもの毒舌だが、どこか楽しげだ。

(お前、こんな時に出てくんなよ! ……でも、確かに放っとけねえな)


「よし、アルディオン、ちょっと力貸せ!」

俺は心の中で呟き、胸に手を当てる。

すると、指先に星のような淡い光が灯り、半透明のアルディオンの姿が俺の背後に浮かぶ。

「おい、雑魚。余の力を借りるなら、ちゃんとやれよ? 失敗したら1000年墓で説教だ!」

「うるせえ! 見とけよ!」


俺は舞台に向かって手を伸ばす。

アルディオンの力が指先を伝い、細い光の糸がシュッと飛び出した。

その光は、暴れる魔王の人形に絡みつき、まるで操り糸のようにピタリと動きを止める。

魔法使いの人形もスッと元の位置に戻り、背景の星空幕が静かに落ち着いた。

観客のざわめきが止まり、子供たちの泣き声もピタリと収まる。


「す、すげえ! 直った!」

「何!? 誰がやったの!?」

観客がどよめく中、俺はホッと息を吐く。

リリスが目を丸くして俺を見る。

「悠真君、な、なにそれ~!? めっちゃカッコいいじゃん!

ミミちゃんもビックリ~!」

ミミちゃんの目がギョロッと光るが、さっきより少し大人しく見える(気がする)。


「ふん、雑魚のくせに、なかなかやるじゃねえか」

アルディオンの声が頭に響き、半透明の姿がニヤリと笑う。

「まぁ、余の力が9割だがな!」

(お前、いいとこ8割だろ!)

「いや8.5という所か」

俺はアルディオンのボケをガン無視しつつ、リリスに振り向く。

「リリス、次はお前のイタズラでこんな騒ぎ起こすなよ! ミミちゃんもだ!」

「ふふ~、約束できないな~! でも、悠真君のキラキラな技、超カッコよかったよ~!」

リリスが無邪気に笑い、俺は思わず苦笑い。


背後でアルディオンの声が小さく呟く。

「ったく、この雑魚……少しは見どころあるじゃねえか」

その声には、どこか満足げな響きがあった。


校庭を抜け、中庭の噴水広場に足を踏み入れた瞬間、リリスがピタリと立ち止まる。

噴水の水面が不自然に揺れ、周囲を黒い霧が包み込む。

冷たい空気が肌を刺し、星祭の喧騒が遠のいていく。

リリスがミミちゃんをぎゅっと抱きしめ、囁いた。

「…この気配、ミミちゃんが何か感じてる。探してた物の匂い……!」

その声は、いつもの無邪気さとは違い、どこか真剣だ。

「探してた物? リリス、何だよ?」

俺が問うと、リリスはニヤリと笑って、

「ふふ、内緒~! ちょっと見てくるね!」と噴水へ駆け出した。

「待て、リリス! 危ねえぞ!」

俺は慌てて追いかける。

星祭のキラキラした夜に、暗い影が忍び寄る予感がした――。

ep.9「星祭の熱狂と隠された星の影」、読んでくれてありがとう!

星祭のドタバタ、楽しんでもらえたかな?

今回はリリスが何かヤバいものを探してる気配がチラッと出てきましたね。

悠真、雑魚のままじゃこの不穏な空気に対応できないぞ!(アルディオンに怒られそうw)

次回は星祭がさらに盛り上がりつつ、物語の核心に迫る…かも?

ミミちゃんの次のイタズラも見逃せない! ?

引き続き応援してくれると嬉しいです!

感想や評価、いつもほんとに励みになってます!

誤字指摘やアドバイスも大歓迎なので、気軽にコメントくださいね。

次回もキラキラな星祭でお会いしましょう~!

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