雑魚の俺と星の試練
落ちこぼれ高校生・悠真、魔法Eランクの雑魚なのに、母の形見のペンダントで禁断の墓から聖剣ゲット!
毒舌聖騎士アルディオン(幽霊!)の試練に挑む!?
ツンデレ剣士エルナ、謎めいた視線の転校生リリアと織りなす学園青春ファンタジー!
気軽に読んで感想ください!(週1~2更新予定)
聖ルミナリス魔法学園の寮、夕暮れの薄暗い廊下はさざめく生徒たちで騒がしい。
俺、天城悠真、16歳。この学園の落ちこぼれだ。
魔法は最低ランクE、剣術は木剣を振るだけで肩が悲鳴を上げる。
いつも「なんでこんな雑魚が聖騎士候補の学園にいるんだ?」って自分に突っ込みを入れる毎日。
才能ゼロ、努力しても結果が出ない。
はぁ、ため息しか出ないよ。
寮の食堂は、いつものように活気で溢れてる。
「悠真、補習サボったら俺がスパルタ特訓な!」
赤い髪を揺らし、木剣を担いだカイトが豪快に笑う。
剣術クラスのエースで、胸のバッジの星の紋章が彼の自信を嫌でも見せつける。
「スパルタとか勘弁〜! 補習だけで死にそうなんだから…」
俺が情けない声で返すと、カイトは
「まぁ、悠真ならいけるって!」
とニカッと笑って親指を立てた。
あいつの明るさ、眩しすぎるって。
隣のテーブルでは、魔術学でトップのミナが栗色のロングヘアを指でいじりながら、控えめに話しかけてくる。
「えっと…悠真くん、薬草の図鑑、貸そうか? あの、裏山、暗いから…気をつけてね?」
彼女のマントに刺繍された星模様が、優しい声と一緒に心をチクッと刺す。
ミナの気遣いはありがたいけど、俺みたいな落ちこぼれには勿体ない気がするんだ。
「う、うん、ありがとう…でも、大丈夫、かな…?」
俺がオドオド答えると、ミナはふわっと微笑んで教科書を抱き直した。
カイトのバカっ気たっぷりの笑顔も、ミナのシャイな優しさも、俺には眩しすぎる。
こんな奴らと一緒にいると、自分のダメさが余計に目立つ。
だから、いつもそそくさと逃げ出したくなる。
…あいつら、俺のこと嫌いじゃないのかな。
いや、ただの思い込みか?
自分に自信がないから、つい「ひとりぼっち」って思っちゃうけど、実際はどうなんだろう…。
食堂を出て、裏山へ向かう準備をしてると、寮の出口で妙なことがあった。
転校生のリリア・クロウが、柱の影で本を読んでた。
銀髪のショートボブが揺れ、星形のヘアピンが夕陽にチラリと光る。
ふいに俺をじっと見て、紫の瞳がなんか心を探るみたいでドキッとした。
「天城君、裏山に行く…? ふぁ…暗いから、気をつけて…ね?」
彼女の声は天然っぽくてふわっとした感じ。
なんで俺の行動知ってるんだ?
授業中もチラチラ視線を感じる気がしてたけど、こんなタイミングで話しかけてくるなんて。
「え、うん、補習でさ…って、なんで知ってるの?」
俺が戸惑うと、リリアは首を小さく傾げて、
「ふぁ…なんとなく、かな? 天城君、星みたい…ね?」
と微笑んだ。
変な子だな、って思ったけど、なんか目が離せない。
その紫の瞳、なんか心の奥を見透かしてるみたいで、背筋がゾクッとした。
「う、うん、ありがと…?」
俺が曖昧に答えると、彼女は本を閉じて、ふっと寮の奥に消えていった。
なんなんだ、あの子の雰囲気。
天然っぽいけど、なんか裏がありそう…いや、考えすぎか?
「はぁ…家に帰りたい…」
でも、寮暮らしの俺には、帰る場所なんてない。
母さんが亡くなってから、父さんは寡黙になって、ただ黙々と飯を食うだけの生活が気まずかった。
だから、この学園の寮を選んだのに、内向的な俺は誰とも打ち解けられず…いや、ほんとにそうか?
カイトやミナの笑顔、リリアの妙な視線を思い出すと、ちょっと心が揺れる。
母の形見の星型ペンダントを握る。
青い宝石が薄暗い廊下でもきらめいて、心の重さを少しだけ和らげてくれる。
母さんの笑顔を思い出させてくれる、唯一のものだ。
今日の課題は補習の薬草採取。
教授の優しさ――ぶっちゃけ「適当に草摘んでこい」って手抜きな指示だ。
でも灯火魔法すらろくに使えない俺が、裏山の暗い森で迷ったらどうしよう。
考えるだけでゾッとする。
「エルナなら、こんなのサクッと終わらせるんだろうな…」
星奈エルナ、学園のエースで聖騎士の血を引く金髪の美少女。
いつも「あんたって使えないわね」って笑いながら、ピンチで助けてくれる。
赤いリボンが揺れる笑顔は、なんだか心をぎゅっとつかむ。
嫌いになれるはずがない。
寮の出口で、そのエルナが俺を待ち構えてた。
「悠真、裏山は危ないから気をつけなさいよ。補習とはいえ、適当にやったら私が許さないから。」
赤いリボンが夕陽に映え、エメラルドグリーンの瞳が鋭く俺を捉える。
キツい口調だけど、なんか心配してくれてる気がして、胸が温かくなる。
「う、うん、わかったよ! …エルナ、顔がめっちゃ怖いって…」
「ふん、だらしないんだから。ちゃんと帰ってきなさいよ。」
エルナは小さくため息をついて、レイピアの鞘を軽く叩いた。
彼女の気遣いに、俺、ちょっと頑張れるかも…なんて、思っちゃう自分が情けない。
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裏山の小道を歩きながら、カイトの「なんとかなるっしょ!」やミナの「気をつけてね…」、リリアの妙な視線を思い出す。
あいつら、ほんと良い奴ら…なのかな?
リリアは、なんかちょっと不気味だけど。
エルナの「ちゃんと帰ってきなさいよ」も、頭から離れない。
ぐるぐる考えながら歩いてるうちに、周りの空気が変わった。
霧が濃く漂い、木々の間から青白い光がちらちら見える。
「…なんだ、これ? やばい、道間違えた!?」
気づけば、苔むした古い石碑の前に立ってた。
大きな星の紋章が、まるで生きてるみたいに輝いてる。
「ただの石碑…だろ? でも、めっちゃ怪しいな…」
学園で「絶対近づくな」って言われてる『聖騎士の墓』っぽい。
でも、なんか…好奇心が抑えきれなくて、つい近づいちゃう。
こんな俺でも、謎に惹かれる瞬間ってあるんだな。
石碑に近づいた瞬間、ペンダントが急に熱くなって、青白い光を放ち始めた。
「うわ、熱っ! 何!?」
ペンダントがふわっと浮かび、石碑の紋章と共鳴するようにキラキラ輝く。
ゴゴゴッ! 地面が揺れて、石碑に亀裂が走った。
「やばい、やばい! 何これ!?」
光が収まる一瞬、霧の奥で誰かが見えた。
銀髪のショートボブが揺れ、星形のヘアピンが光を反射する。
紫の瞳が俺をじっと捉え、冷たく微笑む。
「リリア!? なんでこんなとこに!?」
転校生の彼女が、禁断の墓にいるなんてありえない。
彼女は首を小さく傾げ、ふっと霧に溶けるように消えた。
…なんか、ゾクッとする。
まさか、偶然じゃないよね?
その瞬間、石碑がゴゴゴッとさらに揺れ、霧が渦を巻く中、金髪をオールバックにした半透明の男が現れた。
銀の鎧に星の紋章が輝き、青いマントがふわりと揺れる。
まるで絵画から抜け出した昔の聖騎士みたいで、圧倒された。
「お前、雑魚のくせに我が墓を荒らすとは肝が据わってるな。
我が名はアルディオン・ステラリス、聖騎士団長だ。」
低く響く声は、まるで古の王のような威厳。
俺は膝がガクガク震えながら叫んだ。
「え、誰!? 幽霊!? 俺、ただここに来ただけで…!」
アルディオンは鋭く微笑み、星屑のような光の剣を俺に突きつけてきた。
「ふん、怯える姿は見るに堪えぬが…そのペンダント、ステラリス家の血を引く証か? 試練をくれてやるぜ、逃げるなよ!」
剣の輝きは綺麗だけど、めっちゃ怖い!
「試練!? いや、絶対無理だって!」
彼はフッと笑い、剣を引いてマントを翻した。
「雑魚め、怯えながらも立ち続けるその姿…我が試練を耐え抜く資格、僅かながら認めてやろう。だが、慢心するなよ。星の意志は我が手中にある!」
その自信たっぷりの声と、王様みたいな仕草に、なんか…ちょっとカッコいいかも、って思っちゃった自分が情けない。
その時、背後で草を踏む音がした。
振り返ると、エルナがレイピアを構えて立ってた。
「悠真! 補習で裏山に行くって言ってたのに、なんで禁断の墓に!?なに!?この人…」
「エルナ!? いや、なんか勝手に光って…!」
エルナは小さくため息をついて、レイピアを下げ、ふっと微笑んだ。
「まったく、悠真ってほんとだらしないんだから…でも、危ないから私のそばにいてね。ちゃんと守るから。」
その言葉に、俺の心が少し軽くなった。エルナがいてくれるなら、こんな状況でもなんとかなる…かも?
アルディオンがエルナを見て、目を細めた。
「ほう、聖騎士の血を引く娘よ。気高き瞳と剣に宿る誇り、まさに我が同胞の末裔に相応しい。この雑魚を導くならば、星の加護もまた汝に与えられよう。だが、覚えておけ。この試練は我が監視下にある。半端な覚悟なら、我が剣が容赦せんぞ!」
「試練ですって…何!? 悠真、ちゃんと説明しなさい!」
エルナのレイピアが俺に向く。
「いや、俺が悪いわけじゃないよね!?」
その瞬間、墓の奥から轟音と共に星屑の光が溢れ、地面が裂けるようにして荘厳な石の階段が浮かび上がった。
星の紋章が刻まれた階段は、まるで夜空へと続く道のように輝き、霧を切り裂く青白い光が俺たちを飲み込む。
「うわっ、なんだこのカッコよさ!? でも、めっちゃ怖いんですけど!?」
アルディオンに導かれ、俺とエルナは地下へ降りていく。
そこは、まるで夜空を閉じ込めたような空間だった。
星座を模した魔法陣が青白く輝き、宇宙に漂ってるみたいな雰囲気。
アルディオンが祭壇を指差し、偉そうに言い放った。
「貴様らの試練は魔王の眷属『影の使徒』を討つことだ。
雑魚よ、星の意志に逆らうな。聖剣『星降る刃』を手にせよ、さもなくば運命に呑まれるぞ!」
祭壇に刺さる剣は、刀身に星屑のような光が流れて、めっちゃ神秘的。
「いや、絶対無理だって!」
母さんのペンダントを握りしめ、震える手で剣を握ると、頭の中に声が響いた。
「お前の血が、星を呼ぶ。
信じろ、雑魚でも英雄になれる!」
読んでくれてありがとうございます!
初投稿でめっちゃドキドキです!
悠真の雑魚っぷりは自分そっくりで恥ずかしい(笑)
アルディオンの毒舌は、某FG○の俺様王様っぽくしたいな〜
ほわほわ天然銀髪リリア(謎?)とちょいツンサラサラ金髪エルナ、みなさまはどっちがお好み?
次回は試練が本格スタート! エルナのツンデレも炸裂!
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