表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Odd :Abyss Revengers  作者: 珠積 シオ
無窮の記憶編
127/270

クリスマス特別編2024

『ク~リスマスは今年も~』


 ヨミヤの家。


 誰も居ない居間で、コタツに入るヨミヤとアサヒは二人でテレビを見ていた。


「私、この歌の歌詞ずっと、『楽しかった出来事を、消し去るように』かと思ってた」


「聖夜になんてことをしようとしてんの?」


「まぁ、小さい頃の、よくある聞き間違いよ」


 ある年のクリスマス。


 恒常的に親が家に居ないヨミヤの家で、ヨミヤとアサヒは二人だけの時間を満喫していた。


 のだが―――


「お姉ちゃん!! それ私のチキン!!」


「………すいません、チキンが私を呼んでいました」


「ねぇ~ヨミヤくぅ~ん………お酒頂戴!」


「な、なんでヴェールとシュケリさんとハーディさん!?」


 なぜか現実世界に似つかわしくない髪色をした方々が、なぜかヨミヤの家のリビングで、なぜかチキンやらお酒やらを貪っていた。


「はぁ!? ヨミッ!! 一体これはどうゆうこと!!?」


 一方、目の前の幼女やら少女やら、飲酒エルフに見覚えのないアサヒが、般若面のごとく怒りを露わにして―――目に涙を浮かべてヨミヤに詰め寄っていた。


「ちょっ―――まって、オレにも何が何だか………ウワーッ!!」



 ※ ※ ※



「………ハッ!?」


 目が覚めると、焚火の前で、本を抱えたまま寝落ちていた。


 今は乗合商業馬車(キャラバン)の旅の途中。ハーディに魔法を教えてもらっている最中のヨミヤだった。


「………自分の家にアサヒとヴェールとシュケリさんとハーディさんって」


 マジで、本当に、欠片も現実感のない夢を見ていた自分を恥ずかしく思うヨミヤは、悶えるように顔を覆った。


 女の子の知り合いに、何なら恋人に恵まれた少年に、きっとヒカリもタイガも中指を立てる。


 ―――誰だって立てる。


 コンビニでケーキをお勧めされる中、弁当だけ買って帰る人間だっているんだから………!!

閲覧いただきありがとうございます。

ヨミヤ君にバトンが渡りました。………作者の中指と共に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
私は独身時代から1人で自分の誕生日もクリスマスも祝っていましたね。1人の方が楽しいですかね、正直。今でも。ディ◯ニーとか飛騨とか伊豆とかにも1人旅行しましたね。水族館も遊園地もカラオケも焼肉も一通り一…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ