南北戦争
それから5年の月日が流れた。
「皇帝陛下、お待ちしておりました」
「うむ、出迎えご苦労。それで、どうなったか教えてほしい」
私は将軍に政策はどうなったか聞いた。「はい。陛下が進めたメキシコにおける産業促進、米墨戦争賠償拒否及び、各国との同盟締結によりアメリカは孤立しました」
「うむ。それで?」
「アメリカは我が国との貿易を制限し、また我が国に移民規制を課してきました。そして、アメリカの対メキシコ政策は強硬になりました」
「ふむ。だがそれは想定済みだ。問題は……」
私は将軍に大統領について聞いた。事実通りクーデターを起こそうとしているらしい。
「大統領がクーデターを画策している。それは事実だな?」
「はい。既に大統領に賛同する勢力は、大統領支持派、中立派、不支持派に別れております。また、大統領支持者も3つに分かれております」
私は史実のメキシコとの違いを実感した。史実では大統領がクーデターを起こしているが、この世界では大統領の派閥内での争いが起きているのだ。
そして大統領は私との戦争を選んだようだ。
「将軍、軍は動かせるか?」
「はい、既に準備は整っております」
「うむ。ならば、余からの命令である!」私は将軍にメキシコ軍全軍の指揮権を委譲した。
「皇帝陛下! それは……」将軍は私に反論しようとしたが、私はそれを遮った。
「これは命令である!」私は強い口調で言った。将軍はそれ以上何も言わなかった。
そして翌日、メキシコシティで大統領と大統領支持派がクーデターを起こしたと報告を受けた。
「将軍、よくやってくれた」
「いえ、私はただ命令に従ったまでです」
「それでも余は感謝している」
「はい……」
そして私はメキシコシティに進軍した。
メキシコシティに到着した私は、まず大統領と大統領支持派を拘束した。そして大統領と大統領支持者は処刑し、メキシコは私が支配する国となった。
「将軍よ、よくやった」
「はい」
「それで将軍よ、これからどうする?」
「はい、まずは国内を安定させる必要があります」
「うむ。だが余はメキシコが繁栄するまで死ぬつもりはないぞ?」
「はい、承知しております」
そして私は国内を安定させるために尽力した。
国内の治安は徐々に回復していった。だが、まだ完全ではない。
「将軍よ、メキシコはいつ頃安定する?」と私は将軍に尋ねた。「はい、あと2年もあれば完全に安定すると思われます」
将軍はそう答えた。
私は2年間、メキシコを統治した。そして、その間、アメリカがメキシコに攻めてくることはなかった。
そして、1861年。アメリカ北部のサムター要塞が南軍に砲撃されたことによって南北戦争が勃発した。




