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虹色魔導師は目立ちたくない  作者: プリン伯爵
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決闘の時も目立ちたくない⑪

「「「美味しい~~~!!!」」」

皆笑顔でクレープを頬張る。

やはりここのクレープは沢山人が並ぶだけあって旨い。

それにロゼッタの持ってきた紅茶もかなり上物らしく香りもいいし味もあっさりしていて僕好みだ。


お茶会が始まると、話題は案の定決闘の話に。


「それにしても、マリスが一瞬でガイを倒したのは気持ち良かったわ~!」

「そうだな!流石は俺の親友だ!!!」

「おい、マリス!あれどうやったんだよ!!!」

あれとは。主語が欲しい。


「あの素早い電撃だよ!あんなに速く発動できるなんておかしいだろ!!」

「ああ、あれはただ僕がちょっとだけみんなより魔力が高いから出来た事だ。」

「ちょっとだけ……?」

レイさんだけは何を言っているんだこいつと言わんばかりの視線を飛ばしてくる。


「ただ、ガイの奴どこ行ったのかしらね~。」

「確かに気にはなるな。マリス、心当たりはないのか?」

あるわけないだろ。

そもそもガイの事ほとんど知らねえよ。


「さあ?ま、いいんじゃない?そのうちひょっこり帰ってきそうだし。」

「それならばいいのですが……私は何か不穏な気配を感じますわ。」

エリザがそう言うと皆一様に黙り込む。

皇族ならではの勘というやつだろうか。


「私も何か不穏な気配を感じるよ。マリス、出来るだけ周りに目を向けていてほしい。何かあってからでは遅いからね。」

「安心してくれルーザー。僕が不意打ち程度でやられるわけないだろ。」

「その自信はどこからくるんだい?」

「そりゃもちろ……いや、なんとなくかな。」

あぶねー、もうちょっとで結界を薄く常に張ってますって言う所だった。

レイさんの人を殺すような目付きがなければぽろっと言っていた事だろう。

まあ別にルーザーにはバレてるし言っても構わないのだが、ここにはクルーエル姉妹とフェイルが居る。

彼らにはまだバレていないし、わざわざこちらからバラす必要もない。


「そういえばアンタ、どうやってグランバード伯爵に師事できたのよ。男爵家の者が弟子にしてくれって言って簡単になれるもんじゃないでしょ。」

「は?師事?」

「いや、アンタ師事してたんでしょ?何よ、は?って。」

腕を組み考える。

「ロゼッタ様、それはあのアモン・レオンハートの息子だったからですよ。普通の子供だったら相手にはしていなかったでしょう。」

レイさんがフォローしてくれた。

そうだった、そういう設定にしてるんだった。


「まあ確かに平民から爵位を得た麒麟児って噂になってたしね~。それなら納得か。」

「それなら納得ってえらいうちの父親の事高く買ってるんだな。」

「そりゃそうでしょ。アンタは知らないだろうけど貴族界隈では凄いニュースになってたんだから。平民が貴族になるなど有り得ない!ってね。」

貴族からしたら面白くない話だろうな。

何故平民がってなるし。

そもそも平民だった父が何故三色魔導師になれたかが謎だけど。


「アンタもいつか城に御呼ばれするかもね~。」

「嫌だよ。頼むぞルーザー、呼ぶなんてことしないでくれよ。」

「うーん、目立ちたくないからだろう?でもこのまま実力を示していけばいつか必ず父上は目を付けるよ。もっと大人しくしておかないと。」

「そうなのか?」

皇帝陛下に目を付けられるなんてとんでもない。

もしかしたら今にも何処かから見張られてるとか……ってそれはないか。


「アンタももったいない考え方してるわね~、陛下に目を付けられるって光栄な事よ?」

「はいはい、光栄光栄。」

「ぐっ!!アンタほんと不敬な物言いするわね……。」

「ちょっとマリス……流石にロゼッタ様に対してその言い方は……。」

不安になったミアは僕を窘めてくる。


「いいんだよロゼッタは。やりすぎるとだめだけど。」

「やりすぎるって何よ!別にアタシそこまで沸点低くないでしょうが!!」

「ほら、プリプリしただろ?気を付けなよミアも。ロゼッタはすぐプリプリするから。」

「きぃぃぃぃぃ!!!!」

これ以上からかうとシーラが黙っていないだろうし、この辺でやめとこう。


お茶会も終わり雑談タイムに入ると自然に男子組と女子組で別れだした。

女子達は服の話で盛り上がってるし、話には入れなさそうだ。

かといってこっちはこっちでフェイルとジンが筋トレの話に夢中になってるし。


「ルーザー、そういえばさ魔道具に連絡先登録するから教えてくれないか。」

「あ!確かにまだだったね!」

お互いの連絡先を登録する。

これで今後あのめんどくさい扉の前でのやり取りをしなくて済む。


「それとさ、今も影の護衛って付いてる?」

「え?今はいないよ。扉の外に護衛がいるからね。」

今はいないのか。

おかしいな、さっき魔力探知をすると一人引っ掛かったんだが気のせいだろうか。


「でも一人いるみたいだけど。」

「そんなはずはないけどなぁ、あ、でも父上が私に内緒で付けているのかもしれないね。」

それはありそう。大いに有り得そう。

てことはあまり僕の秘密に関してはルーザーの前で話さない方がいいかもしれない。


「そういえばクラブは何処に入るか決めた?」

クラブ?なんだそれ。


「この学園に入ると、必ず何処かのクラブに入らないといけないんだよ。要は放課後にする活動みたいなやつだね。」

「ふぅん、そんなのがあるのか。知らなかった。」

「何で知らないんだ……パンフレットに書いてあったよ?」

パンフレットなんて最初の1ページ呼んで捨てたよ。

なんか長々と学園ではこうしてああしてみたいな事しか書いてないからどうでもいいかと思って。


「それで、沢山のクラブがあるんだけどまだ私も決めてないんだ。」

「それって絶対入らないと駄目なやつ?」

「そうだね、学園の規則に書いてあったから。あ、でも例外はあるよ。クラブを自分で作った場合はそこに所属することも可能だって。」

ははあ、なるほど。

既存のクラブに入らず自らクラブを立ち上げるのもありなのか。

そっちの方が楽そうだな。


「確かその場合の規定は5人以上集めて顧問となる教師も自ら声を掛けなければならないけど。」

「なるほどな。でもそれいいな。よし、決めたぞ。僕はクラブを作ろう!!」


声が大きかったのか女子組も全員振り返る。

フェイルとジンにも聞こえたようで、会話を辞めてこちらを見ていた。


「何!?マリス!クラブを作るのか!?ならば俺も入るぞ!!!何しろ親友だからな!!!」

「クラブを作るって本気?あ、でもそれはそれで楽しいかも!ボクも入るよ!」

よし、これでフェイルとミアは確定。後三人だ。


「マリスがクラブを作る、か。面白そうねアタシも入れなさい。」

「お姉様が入るのでしたらワタクシも入りますわ。」

シーラも来るのか……この人怖いからちょっと苦手なんだが。


「なら私達も入れてくれないか!やっぱり皇族となるとなかなか他のクラブにも入りずらくてね。皆気を使ってくれるのはいいんだけどよそよそしいというか……。」

皇族には皇族なりの苦労があるらしい。


「ふう、なら私も入れてもらおうかしら。見ておかないとマリスは何をしでかすか分からないし。」

「俺も入るぞマリス!!!そんでフェイルさんに剣を見てもらうんだ!!!」

様じゃなくていつの間にかさん付けになってるところを見るとフェイルと相当仲良くなったらしい。


「じゃあ決まりだな、ここにいる全員でクラブを結成しよう。」


さあ、どんなクラブを作ろうかな。

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