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虹色魔導師は目立ちたくない  作者: プリン伯爵


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龍族が合流しても目立ちたくない⑧

ミネルバが司令室へと戻ると、少し喧騒が目立った。

何事かと見回せば部下達は誰も彼も足元が光った、身体が軽い、やらとアザトースの魔法に一喜一憂している。


「あ、ミネルバ司令!!凄いですよ!誰の魔法か知りませんがとても身体が軽いんです!」

「私もです!ほら!身体能力向上の魔法でしょうか?先程デッキを走って来たのですが息切れ一つもしていません!」

誰の魔法かなど、言える訳もない。

これだけの大規模魔法、人間一人には手に余る代物だ。


ミネルバは適当に濁すと、その場を後にした。



自身はあまりトゥルーアイズへの信仰心が高いとは思えないが、人目に付かない所で少し身体を動かす。


やはり部下の言う通り、身体は軽く息も切れない。

信仰心が高くなくとも魔法の効果を受けるのかと不思議に思ったが、もしかするとアザトースの魔法はあくまでメガラニア軍に属する者に対して効果を発揮するのではないかと考えた。


それであれば自身も魔法の効果を受けている事に納得できる。



もしも兵士達が魔法を行使した人物を特定してしまえば、大騒ぎになるだろう。

人間とは思えぬ大魔法の行使なのだ、神の御業と騒ぎ立てる者が必ず出てくる。


騒ぎが起きぬよう祈るばかりだ。



ただ悪い事ばかりではない。

純粋に身体能力が向上したという事は、一気に攻勢に出れるという事に変わりない。


司令室に戻ると未だ興奮冷め切らない部下達に命令を下す。


「全軍に通達、進軍速度を上げ一気に敵の懐まで入り込め。今がチャンスだ!」

「「了解です!!」」


すぐに各所へと通達が送られる。


今のメガラニア軍を知らない敵からしてみれば、脅威だろう。


「本陣を落とせば奴らの勢いは下火となる。全軍を挙げて叩き潰せ。」

敵がなかなか退かないのは後方に支援可能な拠点があるからだ。

傷付いても直ぐに下がり治療を受ける事が出来る。

その間、別の部隊が前に出て来るといつまで経っても攻防が終わる事はない。


アザトースの不気味な力は置いておくとして、せっかくのバフを活躍させるいい機会ではあった。


「兵装解除。全部隊、魔導兵器の使用を許可する。」

「宜しいのですか?あれはまだ見せるはずではなかったのでは?」

「今更隠しても意味はない。どうせ敵は我々の武具すら物珍しそうに見るんだからな。新たな未知の兵器が出て来たところで大して反応は変わらんだろう。」


相手の意表を突くために隠していた魔導兵器。

この大陸では見たこともない武器ばかりだ。

その為頃合いを見計らって使うつもりであったが、アザトースの魔法と掛け合わせれば更に凶悪になる。



「全部隊、武装解除。これより掃討作戦に入る。各々魔導兵器を使い敵の本陣に攻めよ。」

「各員、索敵用魔道兵器の展開を忘れるな。」

「設置型兵器を使用する際も許可は必要ない。」


ミネルバの部下達は各所に命令を出して行く。

彼らもまた沢山の部下を持つ指揮官の一人であった。




森の中に潜伏するメガラニア軍は、現在四万人程。

それら全てが本陣に押し寄せれば、たとえ十二神や五聖剣がいても厳しい戦いとなる。



「クレイ殿!!!」

焦った表情で本陣の天幕へと駆け込んで来たレオニスが敵の動きを伝えに来た。


「奴らが急に進軍速度を早めた!!それに異様な兵器なんかも見受けられたぞ!」

「異様な兵器?」

「ああ、魔導銃だけではないぞ。滑車が取り付けられたバリスタのような物まであった。」

まだ隠していた兵器があったのかとクレイは舌打ちをする。


初見というのは確実に対応に遅れが生じる。

いよいよ敵も本気を出してきたという事だが、まだ龍族は合流出来ていない。

すなわち、初見の兵器を殆ど帝国騎士団で防がなければならないのだ。


「十二神を出した方が良いのではないか?あれらを相手に騎士団ではマトモに戦えん。」

「そうしよう、レオニス団長。今前線にいるのは確かルーズ殿、サフィー殿、シルビア殿下、ゼノン伯爵、剣聖ルキウス、か。オルバもいたな。」

「シャーリーの隊も既に前線にいる。アスカも動かすか?」

「そうしよう、アスカへの連絡頼めるか?」

レオニスは頷くと踵を返し急いで天幕から出て行った。


「クレイ殿、こちらからはリーダーを出します。出し渋っていても被害は大きくなるだけでしょうから。」

五聖剣最強のミランダ・グラディオス。

ロランは彼女を動かす事を提案する。


「ミランダ殿か……最高峰の戦力は出来るだけ温存しておきたかったが、敵に雷天ジェイドが現れたと聞いているし、そうしよう。ロラン殿、頼む。」

「分かりました。ここの守りは薄くなりますが、貴方がいれば何の問題もありませんね。」

そう言うとロランもマントを翻し天幕から出て行く。


クレイは現在司令塔としての務めを果たしているが、いざ戦闘になれば最高の戦力であるのは間違いない。

ただし、クレイが敗れれば指揮系統は間違いなく崩れるだろう。


だからこそ下手に動く事は出来なかった。



「一時間もあれば同族らが合流する。それまで耐え凌げクレイ。」

「ええ、龍族の方々が到着するまでは凌いでみせます。ただ、どうしようもなくなった時は私も出るでしょう。その間は貴方にここを任せたいのですが。」

「そんな時が来れば妾が出てやる。逃げ惑う敵兵が目に見えるな!!」

レギオンは高笑いをするが、実際にそうなる事はクレイにも想像出来た。


龍王の力は絶大だ。

あの虹色魔導師マリスですらも苦戦を強いられた相手なのだ。

たかが魔導兵器を出してきた所で、レギオンの前には何の意味も成さないだろう。



「マリスはまだ出さんのだろう?妾が出ればアイツの活躍する場は無くなるな!フハハハ!」

ライバル意識を持っているのかレギオンはマリスを引き合いに出す。

龍王が人間をライバル視するなど、本来見れる光景ではないが、それだけマリスは特別なのであった。



「魔族はまだなのか?まあ龍の翼がない魔族程度では足も遅いか!」

「何だとー?ボクの右腕が今頃率いてこっちに向かってるよ!!龍は飛べるから速いけどこっちは徒歩なんだから!」

テスタロッサはレギオンの煽りにカチンと来たが、正論ではある為あまり強く言い返せない。



「まあクレイよ。安心せよ。ここには魔神と龍王がおるのだぞ。敵がどんな武器を使おうが負ける事は有り得ん。どっしり構えておくがいい!」


レギオンの心強い言葉に、クレイは幾分か救われた気がするのであった。

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