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虹色魔導師は目立ちたくない  作者: プリン伯爵
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学園でも目立ちたくない⑧

1週間憂鬱だった。

結局野営キャンプの班は、皇子皇女、ロゼッタ、シーラ、フェイル、そして僕という最悪な面子になってしまった。


学園何処を歩いていても既に噂になってるらしく、チラチラ見られることが多くなった。

話し掛けてこないのは、下手な事して皇子らの耳に入るとまずいと考えているからだろう。

これは特に気を付けないといけないな。

もしも虹色魔導師だとバレようものなら、悲惨な事になる。


「あ、マリス!」

食堂までの道を歩いていると声を掛けられた。


「ミアか。ジンは?」

「なんか友達と昼食だってさ。それより聞いたよ!?皇子皇女様と同じ班になったって!」

二級クラスにも広まってるのか。

噂というものは広がるのにそう時間はかからないというがホントらしい。


「まあ成り行きでな……。はぁ……。」

「どうすんの?バレたらやばいよ?特に皇族の方にバレたら確実に皇帝陛下の耳に入るよ。」

「そうなんだよ……もういっその事国外逃亡でもしようかな……。」

「ま、まあそれは最終手段にしとこうよ。で、他のメンバーも凄いって聞いたけど?」

「ロゼッタにシーラにフェイルだよ。」

「ええええ!?四大公爵じゃない!ボクもマリスの近くにいたらヤバそうじゃん。」

「おいやめろよ、逃さないぞ。」

逃げようとするミアの腕を捕まえる。


「ボクまで巻き込まれたくない!」

「僕だって嫌なんだよ!!どうしようかなホント……。」

「でも呼び捨てに出来るくらいは仲良くなったんだね。」

「強制的にね。シーラが怖いんだよな、あの笑顔の裏側は殺意しかないよ。」

「シーラ様って凄いお淑やかで有名じゃない。」

「騙されるな、あれは腹黒だぞ。多分シスコンだな、お姉様に近付くやつは殺すって目をしてる。」

「うそー?絶対気の所為だよ。あ、噂をすればこっちに歩いてきてるよ?」

ミアに言われ顔を向けると、シーラが笑顔で近づいて来ていた。

聞こえていないといいけど。


「あら、マリスさん。ご機嫌よう。」

「ご、ご機嫌よう。」

「ふふ、真似しなくてもよろしいですのに。そちらの女性は?」

「ミ、ミア・テンセントです!マリスの友達です。」

「そう、ミアさんね、可愛らしい方ですわ。」

「いえ、シーラ様の方が美しいです!」

「ふふふ、ありがとう。それで2人でどうされたのですか?」

「あ、マリスの班の話をしていました。」

「あの豪華な班ですね。ミアさんも同じクラスであればお誘い出来ましたのに残念ですわ……。」

「いいい、いえいえ!滅相もないです!あ、ボクちょっと用事があったので失礼します!」

あ、逃げた。

僕を置いて行かないでくれよ……。


「で?」

「で?とは?」

「あの方は貴方の何なんですの?」

「いや、友達だって言ってたろ。それ以上でもそれ以下でもない。」

「そう、まあいいわ。お姉様に手を出さないのであれば。」

やっぱりそれか。

2人の時になるのを待っていたな?


「シーラ、僕はロゼッタなんてなんとも思ってないよ。」

「あの美しいお姉様をなんとも思っていないと?」

「あ、ああ。だから安心してくれ。君が心配するような事は何もない。」

「ふーん。貴方がお姉さまの害になるなら容赦しないけれど、何もしないのであればいいわ。」

ほっ。

何故か敵視されてたが許されたらしい。


「ですが。お姉様へのあの態度は改めなさい。」

「あーやっぱり。まあそうだよな腐っても公爵令嬢だし。」

「腐っても?」

いかんいかん。

一言多いのは僕の悪い癖だ。


「いや、美しい公爵令嬢様です。」

「よろしい。今後お姉様を蔑ろにしないようにしなさい。」

「蔑ろになんてしてないよ。ただ気軽なノリっていうか。」

「もう少しお姉様に対してマトモな態度をとりなさいよ。」

「わ、分かった。女性に対して雑に扱いすぎてたなって思ってたから改めるよ、ごめん。」

「なら、よろしいですわ。お姉様も1人の女の子。いくら貴方のような男子でも言われた言葉は気にするものなのです。」

確かにそうだよな。

ロゼッタってすごい雑に扱っても面白いからやってたけど、良く考えたら傷ついてるかもしれない。

これは僕が悪かったな。

今後は女性に対して接するように、優しくしよう。

いや待てよ?

そもそも会話しなければいいだけの話では?

よし、そうしよう。

今後無意味に会話はしないでおこう。

仲良くなってしまったら僕の平穏で静かな生活が脅かされてしまうだろうし。



「あと、ワタクシは腹黒ではありませんので。では。」

一言僕に耳打ちするとまた何処かへと去って行った。

聞こえてるじゃないか……。

シーラが思ったより姉思いだと知って、普通の女の子だったのかと思った。

シーラに関しては何か勘が鋭い気がするし、特に気を付けておこう。


教室に戻り自分の席に着く。

今日は確か最終班決めの日だったな。

今更班を変えてくれなんて無理だろうし。

「はぁ。」


「どうしたのよため息なんてついて。」

「あ、ロゼッタ。いや、何でも無い。」

「明日から野営キャンプよ?楽しみじゃないの?」

「ん?ああ、楽しみかな。多分。」

「何よ、なんか今日は張り合いないわね。」

張り合ったら貴方の妹が出張ってくるんですよ。


「それより明日何持っていこうかしら!!ティーセットはいるとして、やっぱり侍女は3人までかしら?」

何を言っているんだこいつは。

野営キャンプにそんなもの持っていけるわけ無いだろ。

それに侍女?もはや自分で何もするつもりないじゃないか。

だが、我慢だ。

ここで突っ込むとシーラのあの笑顔が思い出されてしまう。


「そうだね。」

「何よ。いつもなら色々言ってくるくせに今日は珍しく静かね。」

「ああ。」

「どうしたのよ?アタシで良ければ悩みくらい聞いてあげるわよ。」

「いや大丈夫。」

くそ、シーラに言われたばっかりなのに今日はえらく話し掛けてくるじゃないか。

分かってくれよ。後ろのシーラにドス黒いオーラが纏っているんだよ。


「マリスさん、ちょっと。」

シーラに手を引っ張られ教室から外に連れて行かれた。

上手くロゼッタと会話したはずなのに、目が笑ってないですよシーラさん……。

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