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とろける。

作者: 金木犀

君がくれた甘いチョコレート。




不格好だけど手作り。その事実だけが私の体を熱くする。



頬を赤く染めながら、チョコレートを口に放り込んだ。




「甘い」



涙が頬を伝う。






そっか。好きだよ。好きだったよ。






甘い匂いに誘われて。












____________________

_________






私には、優しくて面白い幼馴染がいた。




今はそれぞれの道を歩んでいるため、会うことはない。






私が彼のことを好きになったのは、だいぶ前。幼稚園の時だった。





私が初めて入った日、不安でおどおどしていた私の手を引き、笑顔で話しかけてくれた。





彼と一緒にいると胸のあたりが暖かくなって、体が火照る。





この気持が恋だと気づいたのは小学5年生の時だ。





初めて作ったチョコレートクッキー。





「友チョコだよ。」って彼に渡した。




彼は喜んでくれたが、私の気持ちは伝わるわけない。





彼は、私のたった1人の幼馴染。私は、彼にとってたった1人の幼馴染。






そんな唯一な存在に、満足していたから。






「私ね、〇〇くんのことが好きなの」





修学旅行の消灯30分前。同部屋の子が打ち明けた。





彼の名前が上がり、私の心はざわざわと動き出した。




「幼馴染なんでしょ?応援してね」





そう言われて断る勇気なんてなかった。





もちろん。





と、唇をかみしめてなんとか喉から絞り出した声。





彼と行動班が一緒だったけれど、昨日の出来事のことで頭が一杯で、何も考えられなかった。

































一緒にいられる最後のバレンタイン。私は彼にチョコレートをあげなかった。






潔く諦めるために。







なのに。














なのになんで、ホワイトデーの日にチョコレートをくれるの?








私は彼にありがとうと、涙をこらえ、下を向きながら、震える声で言い、その場を後にした。



















彼には彼女がいる。その事実を噛み締めながら。











チョコレートを口に放り込んだ。






「甘い」




どうせなら、虫歯のように、















「私の恋心を蝕んでよ。」

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