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04  ゴブリンとの戦いが成立しない


 俺は丘を下り小規模な森へ来た。現在の時間は昼だ。

 夜になる前にここを離れ住んでいた所とは別の街まで行きたいところだ。

 食事は元母親から受け取った最後のお弁当を食べた。色々思い出して途中から少し泣いてしまった。


 この森は比較的弱い魔物や動物が多い事が知られており、学院時代に来たことがある。

 現在の自分の実力を確認するには最適だ。


ここで魔物を倒している人は少ないが、奥地に行けば所々に魔物の集落などがあり、複数の冒険者や有力な冒険者により大規模な討伐が行われることがある。

 俺の実力は元々1対1程度が限界だったので自分の現状が分からない今は奥地に入ることはせずに外周近辺を歩いている。


 そこまで時間がかからずにゴブリンが見つかった。

 スライムなどの方が弱いのでそちらの方がありがたかったが、比較的小型の個体であり、こちらに気付いていないらしく、不意打ちできれば十分倒せるレベルだろう。


 俺は背後から近付き、ゴブリンに斬りかかる。

 ゴブリンが気付きこちらを見るが間に合わないだろう。


「ガガゲグー」


 何かを叫んだゴブリンに剣が触れる。


 そしてものすごい勢いで俺がふっ飛んだ。

 飛ばされすぎてゴブリンから見えない位置まで来てしまっている。

 これはどういうことだろうか。俺は自分のHPを確認してみることにする。


HP -325646081/-1


 どうやら今の自分の一撃で3億2564万6080のダメージを受けたようだ。

 これはどういうことだろうか。


 もしかして、いや、確実に俺の攻撃力と防御力はマイナスになってしまったらしい。

 ということは同じ数値になっている魔力もマイナスだろう。


 その一方でHPの数値は正しい数値でなかったことが証明された。

 少なくとも3億以上はあるみたいだ。意味が分からないけど。

 この防御力でこれだけダメージを受ければ大きな外傷があるはずだ。

 それにしては痛みが少ないので自分の体を見たり動かしたりして確認してみる。

 結局目立った外傷はなかった。

 となるとHPはかなり削られているものの、まだかなり余裕がありそうだ。

 簡単に死ぬことは無さそうだが、現在の俺は残念ながら武器を使って魔物にダメージを与えることは出来ないらしい。


 これが正しいとなると俺は死ににくくなった以外は弱体化してしまったのだろうか。

 全く戦えなくなっていた場合に俺は街から出ない仕事を探し生きていくしか無いだろう。

 今後の不安が増える一方だが現時点で相手からの攻撃は受けていないし魔法も使っていない。

 攻撃してきた相手が吹き飛ぶ可能性、それだけでなく魔法がものすごく有用な可能性もある。

 ちなみに装備者準拠なのか服も傷んでいない。原理が謎だ。


 俺は立ち上がり先程のゴブリンのいた場所に戻った。

 先程のゴブリンはほぼ同じ場所に居た。


 今度はこっちが攻撃を受ける番だ。

 まあさっきも攻撃をして逆に攻撃を受けてるんだけど。


 俺はゴブリンの前に無防備に立ちゴブリンの攻撃を待つ。

 しかしゴブリンはぼーっとしながら立っているだけですぐに攻撃をしてくる気配はない。


 小型で若い個体の可能性があるから知能が低すぎて攻撃出来ないんだろうか。

 俺は剣を出し攻撃をするふりをする。

 するとゴブリンがようやく腕を振り上げる。しかし速度が遅い。

 少し時間がかかるがゴブリンの腕が俺に当たる。


 俺はものすごい勢いでふっ飛ばされた。

 ひとまず今回も目立つ怪我は無さそうだ。

 俺はHPを確認する。


HP 2116854748/-1


 えーっとこれだとHP増えてないか?どうなってるんだ?

 うん、よく分からないし体調もいいから死ぬ気配は無さそうだ。突然死したりしないよな?

 しかし物理攻撃ではまともに戦えないことが分かってしまった。

 後は魔法に期待するしか無いらしい。

 だがその前にHPに関してもう少し確認したほうがいいだろうか。


 俺は近くの木に斬りかかる。そしてやはりふっ飛ばされる。

 何回か繰り返し次で0を下回る所まで来た。

 普通に考えればこの次で死ぬ。だが体感的に死なない自信があった。

 俺に外傷は無いに等しく、次で急に死ぬとは思えない。

 もし急に死ぬとなってもステータスが崩壊している今の自分には諦めがつく。

 俺は木に攻撃をして、吹き飛ばされる。

 よし大丈夫だ、死んでいない。HPを確認してみる。


 HPは0を下回り、またマイナスになっていた。

 俺の正しいHPは一体いくつなんだろうか。

 実は死んでいる状態で動いているとかは、さすがにそれはないか。


- - - -


 僕の名前は「ゴブたろう」だ。「ゴブお」と「ゴブこ」の子供で兄弟は23人で「ゴブじゅうにろう」、「ゴブじゅういちこ」までいる。

 僕たちは人間や魔物に襲われて死ぬことが多いらしいけど今の所はお父さんお母さんと兄弟全員みんな元気だ。


 今日は天気が良かったから一人で森を散歩していた。

 だけどいつの間にかちょっと遠くまで来てしまった。

 僕は周りを確認した。

 すると動いている何かが何かを持って攻撃をしてこようとしていた。

 あれは何だろうか、もしかして人間だろうか。

 分かるのは僕にはもうどうすることも出来ないということだ。

 何かが僕に当たりやられると思った。


 でもそれは僕に触った後どこかへ飛んでいって見えなくなった。


 何があったんだろう。


 少し後になって人間みたいなものが戻ってきて僕の前まで来た。

 その人間は僕の前で動かなかった。なんでだろう。


 その人間は少しすると何かを上に上げて僕に近づけた。

 これは何をしているんだろう。

 人間のあいさつなのかな?あいさつなら僕もそれをやればいいんだね。


 僕は何も持っていないから手を上げて人間に近づける。

 だけどちょっと近づけすぎて人間に当たってしまった。

 よくわからないけど人間はまたどこかへ飛んでいって見えなくなった。


 その後人間は来なかった。なんだったんだろう。

 そろそろおうちに帰ろうかな。


- - - -


設定に関する補足


 ゴブリンのストーリー平仮名にしようかと思ったけど流石に漢字にしました。


 ガーピーはゴブリンへの攻撃だけでなく吹き飛ばされた後の衝撃などで追加ダメージを受けています。

 追加ダメージの衝撃で更に追加で吹き飛ばされるのが永遠に続きそうな気もしますが、魔物からの攻撃判定が出ていないのでそうならないということにしておいて頂きたいと思います。


 HPは2147483648ダメージごとにプラスマイナスが反転する設定ですがステータスに重点を置いているわけではないのでステータス値はこの後ほぼ出てきません。

 魔王ですら通常この数値を超えることは無いかと思いますがガーピーは遥かに上回っています。

収納スキルを利用すれば十分やっていけそうな気が…時々ふっ飛ぶが…

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