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灯願花  作者: 水珠
3/3

3話 新しい友達

キーンコーンカーンコーン


「「「「さようなら~」」」」

 間延びした声が響く。

「三千夜一緒に帰ろーぜ。」

「ああ、」

 もう夕方か、早いな。

「あ三千夜、奏も誘っていいか?」

「ああ、」

「ねぇ奏ちゃん3人で帰ろ。いい?」

「はい、いいですよ。」

 なんか智夏と奏仲いいな。


 

「そう言えば三千夜。朝、奏ちゃんとなんか話してたよな。」

「ああ、」

「はい!席が分からないようだったので私から話しかけました!」

 …。



 もうすぐ家だ。

「俺、ここ。」

「あ、そっか三千夜また明日。」

「ああ、」

「三千夜さんさよなら~」

「ああ、」

 それから毎日3人で帰るようになった。学校に行きたくないと思う日が知らないうちに減っていた。

でも話しているのは智夏と奏だ。俺はほぼ聞くのに徹している。


 そのうち学校でも3人でいることが多くなった。そんな時ある事件が起きた…。


 それは、奏がいじめに遭っていたこと。

奏side

「ねぇ!なんでアンタみたいな転校生が、あの二人と関わっているのよ!」

「そうよ!なんで!」

「二人と関わってはいけないのですか?」

 奏がそう聞くと、複数の女子が理由を話してくれた。

 その理由にとても驚いて大きな声をあげてしまい、すぐに智夏さんが来てくれた。

 二人にはちょっと悪口を言われたとだけ言って他何も言わなかった。



智夏side

 奏はその日からあまり話さなくなってしまった。あとあの時いじめてきた女の子たちとたまに会っているらしい。そのことについて聞いても奏は『もういじめられている訳ではないので気にしないで下さい』

としか言わない。本人が話したくないのなら無理に聞き出すのは良くない。って分かってるけど、やっぱり心配だ、次会ったら聞いてみよう。


奏side

 「ねぇ奏ちゃん。」

 後ろから呼び止められた。振り返ると智夏さんがにこにこしながら立っていたその横にはいつもどうり真顔で立っている三千夜さんがいた。智夏さんの笑顔、私には少し黒い笑顔に見えたけど気のせいだよね…。

「なんですか?智夏さん」

「今日こそ教えてもらうよ。」

 にこにこしながら少しずつ近づいてくる智夏さんとその後ろにはやっぱり真顔の三千夜さん。

「あ、えっとそろそろ授業がー…。」

「さっき昼休みになったばっかりなのに?」

「まだ、あと、25分ぐらい、ある。」

「もう、分かりましたよ。」

 そう言って私はくるっと回ってダッと走り出した。

「あっ!ちょ…待って!」

「三千夜!行くよ!」

「ああ、」

 すぐに追ってきた二人に私は一瞬で捕まってしまった。

「はやっ、二人ともめっちゃ早いんですね。」

あはは~と笑って逃げたことをごまかそうとすると、

「さて、もう逃げらんないよ。ねぇ三千夜。」

「うん、」

「はいはい、分かりました。分かりましたよ。」

 そして私はあの日あの子たちから聞いたことを話した。そう、あの日…。

「二人と関わってはいけないのですか?」

「ええ、そうよ。あの二人は私たちの憧れなの、智夏さんが三千夜さんのことを考えてほぼ全ての三千夜さんのことをサポートして、三千夜さんは智夏さんのことを一番信用していて、心を許してる。そう!

二人はまるで熟年夫婦のごとく。」

 その言葉を聞いて私は唖然とした。

「そして何より!二人ともすっごくスタイルが神な上に顔もすごく整ってる!」

 それは私も初めて会った時思った。

「智夏さんは日焼けで茶色い髪と少し焼けた肌そしてスラッとしてて背が高く足が長いの、その全てが智夏さんのカッコよさを引き立たせている!三千夜さんは真っ黒の髪に日焼けしてない透き通るような白い肌そして何と言ってもあの顔!中性的なのにどこか儚くてカッコいいと言うよりあれはもう美しい!身長は男子の中では低めだけど、女子では真ん中ぐらいで智夏さんと並ぶとホントにお似合いのカップルみたいで、もうこれは二人の仲を邪魔しないのが一番!って言う理由があるから私たちは関わらず見守っているだけなの。だから奏さんも二人の邪魔をしないようにしてくださいね。」

 そっか、確かにお似合いだわ。私も二人の仲を応援したくなってきた!

「はい!わかりました!私も皆さんともっとお話ししたいです。」

「分かってもらえて良かった。奏さんこちらこそよろしくね。」

 こうして奏は三千夜と智夏の仲を応援していくことに決めたのである。



智夏side

 話を聞いて驚いた。まず、自分たちがそんな風に思われているのにびっくりして、それから考えた。

 

 もしや、奏ちゃんが絡まれたのは元をたどれば自分たちのせいではないか?

「奏ちゃん、ごめんね。俺たちのせいで。」

「いえ、全然です!私は二人の禁断の恋応援してますから!」

 !?

「うん、全然そんなことないから奏ちゃんはそういう思考をやめようか。」

「なぜですか?」 

「なんでも。」

 よし、このことを考えるのはもうやめよう。もう何も考えない。

「わかりました。」

 こうしてこの事件は解決?した。

お読みいただきありがとうございました。

仲良く?なったので良かったです。

あ、それからBL展開にはしないのでそこはご了承ください。

感想を教えて欲しいです。

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