2話 その頃の智夏の心情
智夏の性格が安定しない(´;ω;`)
読んでいただけると幸いです。
智夏side
明日も三千夜の家に行こう。明日も三千夜は学校に行かないかもしれないけど、もしかしたら行くかもしれないし……。いや、俺が会いたいだけか…でも生存確認はしたほうがいいし。
明日も朝早いから今日はもう寝よう。
……
ふっ、と意識が浮上した。そのまま時計を見ると針は7時ちょうどを指していた。
俺は大きく伸びをしてベットから起き上がり枕元に置いておいた制服に着替えた。
すると、
「兄よ!朝ご飯が出来たゾ。」
という妹の声がした。
「はーい、すぐ行くよ!」
部屋を出て洗面台で顔を洗い、寝ぐせを直してリビングに向かった。
リビングのテーブルに4脚の椅子が並べられていて俺は妹の隣の椅子に座った。
「「「「いただきまーす」」」」
今日は、白米に味噌汁それに鯖だ。俺の好きな日本食だな。
鯖の背中に箸を入れて丁寧に分解していく、それからご飯と一緒に口の中に入れる。
「うん、美味い」
しみじみとそう言うと、
「兄は美味そうに飯を食うのだな。」
と妹が言った。それに続いて父さんと母さんもうなずいている。
そんなに美味そうかな?まあいいか、
「だって美味いじゃん」
そう返すと父さんが声を出して笑いだした。妹と母さんは嬉しそうな顔をしている。
「そうか、美味いか、飯が美味いのが一番だ!」
父さんはそう言った後もしばらく笑っていた。
その間に俺は食べ終えた。
「ごちそうさまでした。智春、母さん美味しかった、いつもありがと。」
俺はそのまま自分の器を流しに持っていき、洗って、食器乾燥機に並べた。
そして玄関に置いといた学校の鞄を持って、
「行ってきまーす」
と家族に声をかけて家を出た。
……
三千夜の家の前に着いて、インターホンを押すが何回押しても三千夜は出てこない。
まさか!と思いドアノブに手をかけると鍵が開いている。
心配になって、すぐに三千夜の部屋に向かった。
三千夜の部屋に入って三千夜の寝ているベットに目を向けた。
すごく魘されてる。
息が荒い。顔が真っ青だ。俺はなぜかやばい気がして三千夜を起こした。
……
「だいぶ魘されてたぞ大丈夫か?」
「あ…ああ、夢か…」
三千夜、なんか考え込んでるな。俺に話せないことなのか?
色々なことを考えてしまい、悶々としていると
「智夏、俺今日学校行くよ。」
という三千夜の一言で、考えていたこと全てが吹っ飛んだ。
「ほんとか!」
久々すぎて大きな声が出てしまった。
「ああ、」
おお!久々に三千夜と一緒に学校に行ける!
嬉しいな。
「じゃあ、お前着替えるだろ」
嬉しさで声が震えないように気を付けながら冷静に言った。
「ああ、智夏はリビングで待っててくれ」
「オッケーじゃあ俺は下に居るからな」
「ああ、」
やばい顔がにやける。
部屋を出て扉を閉めようとした瞬間、俺は見てしまった。
三千夜が…笑っている。
あのずっと何を考えているか分からなくていつもボーっとしている三千夜が、笑った。
その姿を思い出し、また顔がにやけてしまった。
そうだ、学校に行くなら朝ご飯食べさせたほうがいいよな。そう思いおもむろに冷蔵庫を開けると、俺が三千夜に飯を作ろうと思って買ってきた物しか入ってない。
ご飯は冷凍しといたやつを使うとして、おかずはどうしよう?
考えながら冷蔵庫の中にあるものを確認する。
鶏肉、玉ねぎ、卵、他にも入っているが俺はこの三つに目を付け、作るものを決めた。
親子丼だ。
まず、鶏肉を一口サイズに切る。そして玉ねぎはみじん切りにして、
親子鍋に水、醤油、みりん、出汁を入れて濃さを整え、そこに鶏肉と玉ねぎを入れて中火で3~5分
煮る。そのあと溶いた卵を回しながら入れ、好みの硬さになるまで煮る、そしたら解凍して温めて
おいたご飯の上にかけて出来上がり。
三千夜を呼びに行かないと。
そう思ったときに丁度、三千夜がリビングに入ってきた。
「三千夜、朝めし作っといたぞ」
「ああ、」
「冷蔵庫の中にあったやつ勝手に使ったぞ」
一応言っといたほうがいいよな。
「ああ、」
許可を取りつつ三千夜が椅子に座るのを確認して、親子丼を出した。
「即席親子丼でーす」
「朝から重くないか?」
え?作ったのに食わないつもりか?
「俺が真心込めて作った男飯食えないってのか!」
少しイラっときて言い返すと、
「いただきます…」
小さな声で言った。
よかった、ちゃんと食べてくれるようだ。
「どうぞ召し上がれ。」
三千夜はゆっくりとスプーンで掬って一口頬張った。
その瞬間、三千夜の顔がぱぁという音が聞こえてきそうなほど輝いた。
「うまい…」
小さい声でつぶやくように言ったのを俺は聞き逃さなかった。
「そっか、よかった作った甲斐があったよ」
俺は嬉しくて、嬉しくてとても幸せだった。
………。
そう言えば、今何時だ!
はっとなって時計を見ると、七時五十分のところを針がさしている。
やばい、あと十分で遅刻だ!
「学校忘れてた!三千夜、急いで食べて」
三千夜を急かしながら鞄を持って、靴を履き外に出た。
三千夜が付いてきていることを確認して俺は走り出した。
……
「セーフ」
ぎりぎり着いたな。
三千夜の方を見ると、膝に手を置いて呼吸を整えている。
「…速いな…走るの…。」
「そうか?三千夜も運動してない割に速かったぞ!」
いや、まじで速かったぞ。俺が本気で走ってるのにそれについて来るって、先輩でも無理だったから。
「もうチャイムが鳴る」
あ、そっか。
「そうだな、じゃあまた後でな!」
そう言って自分の席に座ると、いつも喋っている友達が話しかけてきた。
「今日は赤城くん来たんだ。ってかさっきからめっちゃキョロキョロしてるんだけど」
そう言って笑いながら指さした。
友達の指差した方に目をやると、そこにはキョロキョロしている三千夜がいた。
……あ!そうだ俺、三千夜に席教えてなかった。
すぐに席を立とうとすると、
「あの!私の前の席ではありませんか?」
と三千夜に話しかける女子生徒がいた。
あの子は確か、転校生の水嶋奏、三千夜の後ろの席だったな。
「えっと、赤城三千夜さんですよね?」
そっか奏ちゃんは三千夜に会ったことないもんな。
三千夜は、誰?って顔してるな。
「……はい」
「じゃあやっぱり私の前の席ですよ!」
「私、先週転校してきたんです。その時、智夏さんが前の席が三千夜さんだって教えてくれたんです」
そうだ、友達が面白はんぶんで『話しかけて来いよ』って言ってて、ジャンケンで負けたから、三千夜のこと話したんだった。
三千夜には『可愛いかった』って言ったけどそれも三千夜が興味示して学校に来るかもしれないから言っただけなんだけどな。奏は俺の趣味じゃないからな。
「そうか、ありがとう」
…………。
え、笑った。なんで?やっぱり三千夜の好みなのかな。ってことは三千夜と奏をくっつければ、三千夜が毎日学校に来るかも……よし!二人をくっつけよう!
この瞬間、智夏の勘違いから、三人は仲良くなっていく。
読んでいただきありがとうございます。
3話は三人が程よく仲良くなるといいな。