1話 転校生
初めまして水珠です。
書くのが初めてなので下手かもしれませんがそこはご了承ください。
服も肌も髪も白い女の子、とても可愛らしい笑顔を僕に向けている。
ああ、好きだな、そんな風に思ったのを覚えている。とても寒くて雪の降っていた6年前のあの日。
真っ白い景色の中、彼女は僕の目の前で死んだ。
……
俺の通っている学校に女の子が引っ越してきたらしい。とくに興味もないが幼馴染の智夏が嬉しそうに話していた。明日は学校に行かないと智夏が怒るな。
中学二年に入ってから俺は学校にあまり行かなくなった。いじめとかじゃない、ただ行きたくなかっただけ。親はほぼ帰ってこない。離婚してるとか、片親が蒸発したわけじゃなく、父と母二人とも海外出張が多いんだ。二人とも仕事人間だから、月の生活費を振り込む以外ほとんど何もしない。
でもそんなに困ったことはない、料理や家事などは自分でできるし、授業参観などの学校の行事は小学生のときは寂しかったけど、もう慣れた。
明日は学校に行こう。きっと智夏は朝むかえに来る。不登校になっても智夏は毎日俺を呼びに来ていて、
俺の唯一の友達だ。
そんなことを考えながら時計に目をやると。十一時をまわっていた。
今日はもう寝よう。そう思いベットに横になって目を閉じ、意識を手放した。
……
目の前が真っ赤に染まり、白い雪の上に赤い彼岸花が咲いたように血飛沫が舞った。
自分の手に持っている物には赤い液体がついていた。動揺して前を見ると、目の前には白い女の子が仰向けに倒れていた。女の子の下から這うようにして赤い物が流れている。遠くで声がした……。
「…い………ち」
「お…い…み……ち」
「おい、……おい!三千夜!」
「だいぶ魘されてたぞ大丈夫か?」
「あ…ああ、夢か…」
またか、最近は少なかったのにな。
「智夏、俺今日学校行くよ。」
「ほんとか!」
「ああ、」
智夏嬉しそうだな。
「じゃあ、お前着替えるだろ」
「ああ、智夏はリビングで待っててくれ」
「オッケーじゃあ俺は下に居るからな」
「ああ、」
にこにこしながら智夏は俺の部屋から出て行った。俺も少し笑ってしまった。
着替え終わってリビングに降りていくと、いい香りがした
「三千夜、朝めし作っといたぞ」
「ああ、」
智夏は料理上手いんだったな。
「冷蔵庫の中にあったやつ勝手に使ったぞ」
「ああ、」
お前以外使わないからな。冷蔵庫、お前が買ってきたのしか入ってないし。目の前にドンッと丼が置かれた。
「即席親子丼でーす」
「朝から重くないか?」
「俺が真心込めて作った男飯食えないってのか!」
食えないとは言っていない。美味そうだし。
「いただきます…」
「どうぞ召し上がれ。」
スプーンで掬い一口頬張ると、
美味い!
卵がふわふわで鶏と出汁が絶妙で白米にすごく合う。
「うまい…」
「そっか、よかった作った甲斐があったよ」
智夏は嬉しそうな笑顔でこっちを見ていた。いい笑顔だな。
すると智夏は、ハッとした顔をして時計に目をやり苦虫を噛み潰したような顔をした。
「学校、忘れてた!三千夜、急いで食べて」
そう言えばそうだったと思いながら、残りの親子丼を口の中にかき込んで、隣にあったカバンを持ち智夏の後を追いかけた。
……
「セーフ」
やはり智夏は足が速いな、流石サッカー部。
「…速いな…走るの…。」
「そうか?三千夜も運動してない割に速かったぞ!」
それは褒めているのか……、まあいいか。そろそろチャイムが鳴るんじゃないか?
「もうチャイムが鳴る」
「そうだな、じゃあまた後でな!」
俺の席はどこだろう?
そう思いながらキョロキョロしていると、
「あの!私の前の席ではありませんか?」
そう声をかけてきた女の子がいた。
見たことがない……覚えていないだけかも……。
「えっと、赤城三千夜さんですよね?」
「……はい」
誰だろう?
「じゃあやっぱり私の前の席ですよ!」
「私、先週転校してきたんです。その時、智夏さんが前の席が三千夜さんだって教えてくれたんです」
智夏の言ってた転校生か。
智夏は『可愛いかった!』って言ってたけど俺の趣味じゃないな。でも目は二重で整っている、
顔の大きさも小さめで梟みたいだ。席を教えてもらったし、ちゃんと礼を言わないとな。
「そうか、ありがとう」
そう言って席に座った。
読んでくださりありがとうございます。
最後まで書けるように頑張ります。