表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界×科学は無双の予感。  作者: 水滴
【第一章】王都内戦闘編
5/18

初依頼です。

 俺が西の門に着いたのは11時頃だったが、もう既に冒険者たちが集まっていた。

 いたのは、10人ほど。

 そのうちの一人が俺に近づいてきた。


「君がセリシアさんが言ってた昇格試験生かい?」

「ああ。そうだ。あんたが一緒に行くって言っていたsランク冒険者か?」


 短剣を腰に入れているのを見ると攻撃職なのだろうが、俺よりも少々背が低い。

 しかし、感と言えば感だが、強者の貫禄はある。

 年上だろう。


「おうとも!俺はリグル。こっちはパーティーの仲間だ!」

「同じくsランクのロッシュ。今日はよろしく」

「アルベドよ!新人のくせにバカ強いっていってたから大男を想像してたんだけど、すらっとした美青年じゃない」

「スフィアです。よろしくです」


 男女二人ずつのパーティーだ。

 リグルが前衛、ロッシュ、アルベドが後方支援の魔導士、スフィアが回復役、という所だろうか。

 とてもバランスの良いパーティーに見えるが、近距離線が行える攻撃職が一人しかいないのはどうなのだろうか。

 後ろからの奇襲などがあれば、対応は難しいはずだ。


「ふふふ、スフィア、初対面だと絶対に勘違いされるわよねっ」

「アル、無駄なことは言わない方がいいのです」

「だって、絶対そういう目だったじゃない!っていうかいつもそうじゃない」


 ふむ、何の話だろうか。


「二人とも、それくらいにしなよ」

「そうだぞ!まだ彼の名前も聞いていないだろう。なんて言うんだ?」

「ソウタだ。今日はよろしく頼む」

「おう!よろしくな!」


 この四人はパーティーのようだが、他の六人は個人の用だ。

 ランクが上がっていくと個々の力が強いので、報酬の配分を考えなくていい個人で活動する人は多い。


「チッ。あんなガキ一人いても荷物なだけだろ」

「家でままごとでもしてればいいものを」

「なんで俺らが子どものお守りなんてしなきゃいねぇんだよ」


 聞く限り、他の冒険者たちからは歓迎されてないようだな。

 まあ、無理もない。命がかかった任務なのだ。

 子どもを連れてこられたら誰でもイラつくだろう。


「すまない。俺たちが説明をしてこようか?」

「いや、奴らに言葉で説明しようとしても無駄だ。冒険者は実力至上主義なのだろう?」

「はっはっは。そうだな。よし、全員揃ったようだし、早めに出発して、さっさと帰って来るぞ!」


 リグルが他の冒険者たちに声をかけると、近くの岩場に座っていたものも立ち上がり、王都の外の森に入っていく。

 リグルさんはある程度名の通った冒険者なのだろうか。


「ソウタ、今日俺たちが向かうのはこの地図の小さな湖。ここのすぐそばに盗賊団のアジトがあると見られている。今回の盗賊団は人攫いを平気でやる奴ら。国直下の依頼で、生死は問わないと言われている。どういうことか分かるよね?」

「つまり、やむを得ない場合は殺せという事だな?」

「まぁ今回、ソウタくんは助手として来てるんでしょ?基本的な事は私たちに任せちゃって大丈夫だよ」

「無理されると逆に迷惑。万が一のための連絡役として後ろにいてくれればいい」


 それだと昇格試験をクリアできないのではないだろうか。


「もともと、この依頼に昇格試験生を入れた国の意向が分からないです」

「そうそう。ソウタくん、今回は運が悪すぎだよ?一応ここに集められてるのってsランク上位なんだ」


 彼らがそうまでして言うとは、どれほどのものなのだろうか。


「まあ、セリシアさんが何も考えずにソウタを配属したわけではあるまい。きっと大丈夫だ!」

「はぁ。うちのリーダーはのんきだねぇ。ソウタくん、危ないと思ったら逃げるんだよ?」

「参考にしよう」

「参考にしてない言い方よね」


 もともと俺に逃げるという手段はないからな。


「よし、全員止まれ!ここからは戦闘態勢に入りながら進むぞ。敵のテリトリーだ。気を抜くなよ!」

「了解」

「オーケー」

「了解です」


 他の冒険者と共にゆっくりと木々に隠れながら進むと、地図に載っていた湖が見えた。

 周りに何もない。


「なあ、リグルさん、ここで合ってるんすよね?」


 一人の冒険者が言った。


「ああ、間違いなくここのはずだ。こんな短時間で移動したというのか?建物一つの目撃情報もあったんぞ?」

「そんな、大規模なパーティーで来たのに...」


 他の冒険者が嘆く。

 彼らは何を言っているのだろうか。


「建物ならあそこにあるぞ?」

「ソウタ、お前には何が見えているんだ?」


 ふむ、魔力探知できる者がいないのか。

 仕方ない。


——〈視覚共有(センセーション・アイ)〉——


「これで見えるか?」

「す、すげぇ!あそこに魔力の流れがあるのが分かる!」

「ガキにしちゃあやるじゃねぇか」


 未だに上から目線か。

 まあよいのだが。


「ソウタくん!どうやってるのか教えてほしいのです!!」

「スフィア、魔力探知の事か、視覚共有のことか、どっちのことだ?」

「どっちもです!」


 ふむ。


「魔力探知はもともとできた。視覚共有は俺が創った」

「全く理解できないのです...」


 俺にしては上手く要約できたと思ったのだが、まとめ過ぎたか。

 今度説明してやろう。


「とりあえず皆、突撃の準備だ。建物の構造は見えているな?一階と地下に分かれている。おそらく最深部に攫われた人たちがいる。最優先を彼らにして、上から順に制圧していく。ラスボスは下の方にいるだろうからな。よし、行くぞ!」


 リグルの合図で全員が一気に森から飛び出していく。

 透明になっている建物触れると、パリンッと魔法陣が壊れる音と共に透明化が解除された。


「「うおぉぉぉぉぉおおお!!!!」」


 冒険者の中にいた二人の盾持ちが扉を開け、その勢いのまま突進していく。

 扉の近くの見張りはその勢いのまま飛ばされ、気を失った。


 後ろから近距離攻撃職のリゲル達、続いて遠距離支援職のロッシュ、アルベド達と俺が入っていく。

 しかし、なぜだかスフィアはリゲル達に交じっていた。


「スフィア!この部屋広すぎだ!整地してくれ!」

「了解ですっ!!!」


 よく見ると、スフィアはいつの間にか両手にガントレットをはめていた。

 室内には生活できるような机などが数個と、盗賊団の下っ端らしき人物が15人ほどいた。

 広さは体育館の半分くらいだろうか。


 そこでスフィアは半歩下がった。


「〈身体強化(パワー・レイズ)(ダブル)〉!!!」


 スフィアが右手を前に出す。

 ものすごい速度で放たれたそれは、何にも当たらず、空振ったかと思った。


「皆さん、風圧にご注意、です」

「「「え...?」」」


 スフィアの事を知らない冒険者は、間の抜けた声を上げる。

 それと同時にスフィアの目の前は文字通り整地されていた。


 そこに合ったはずの家具たちは部屋の奥に飛ばされており、中にいた連中も同じく飛ばされていたが、気は失っていないようだ。


 数秒後に俺たちの方にも風圧の余波が来た。


「先ほど言っていたのはこういう事か...」

「そうよ。スフィア、ああ見えてもsランク攻撃職の二位だから。昔、回復役だと思ってスフィアを人質にとったバカがいたわねぇ。もう可哀想だったわ」


 身体強化のスキルは俺も持っていたが、『(ダブル)』と言っていたな。

 つまりあれが本気ではないという事。

 俺も今度試してみるか。


「リグルさん、この階は俺たち六人で十分です。全員縛ってから行きやすので、先に行っちゃってください!」

「分かった。早く終わらせて来いよ」


 リグル達四人は左の方にあった階段の踊り場のフロアへ向かっていく。

 そこに俺が付いていこうとすると、


「おい!ガキはこっちにいろ。すげぇ魔法使えたところで、ここからは戦場だ。上で待ってた方がいい」


 まだ子ども扱いか。


「そうだったな。あれはただの補助魔法。実力を見て信頼を得るのは当然の事。俺の実力が分かればいいんだよな?」

「...まぁそれはそうだが、何のつもりだ?」

「なに、実力を見せるだけだ。ほんの少しな」


 俺は収納空間から魔導書(グリモア)を取り出し、剣を抜いた。


 俺は今日の朝のうちに、この世界の魔法を調べ上げ、片っ端から魔導書に保存していった。

 初依頼なのに何も準備しないのはさすがに態度がデカすぎると思ったからな。

 なにげにこの世界の魔法を使うのは初めてだ。


——〈火弾(ファイアバレット)〉——


 剣の切っ先を下っ端共に向け、火の弾を打った。


「おい、あれって、火の魔法の最上級、〈獄炎煉(イーリオス)〉じゃないか!?...」

「じゃ...じゃなきゃあんな火力でねぇだろ...」


 いや、火の魔法最弱級の火弾の間違いだ。


「う、うわぁぁ!!!なんだこの炎!青色だぞ!!それに、水でも消えねぇ!どうしてだよぉ!!」

「常識だろう。一番強い炎は青色だ。科学を勉強し直すんだな」


 いや、この世界に科学はないんだったか。

 まぁいい。

 水で消えないのは驚きだな。

 これが魔法クオリティなのだろう。


「この紐を使え。これなら燃えない」

「燃えない紐!?」


 前世の科学の知識を使った、アラミド繊維で作った紐だ。

 耐久性と共に耐熱、耐火性に優れている。

 強化魔法もかけてあるので、万が一にも燃えることはない。


「これでわかっただろう?さっさと奴らを縛って合流しにこい」

「お...おう...」


 よし、やっと了承がもらえた。


「ソウタ、今のは〈火弾(ファイアバレット)〉?」

「ああ、そうだが?」

「僕でも魔法陣が見えてなかったら〈獄炎煉(イーリオス)〉だと思ってた。君はどこぞの悪魔か?」

「はっ、そんなたいそうなもんじゃないさ」


 そういえば悪魔だか鬼だかの不名誉な称号を持っていたな。


「ま、セリシアさんが呼んだ時点で強いのは分かっていた。急いで下に向かうぞ」

「ああ」

「よーし、一働きしないとね。見せ場はここからだよ!」

「私はも、頑張るですっ!」


 そうのんきに話しながら長い階段を下って行った。

 下に何が待ち受けているかも知らずに.....











 投稿が遅れてしまってすみません!(少々機械のトラブルがありました)


もう第五話ですね、早いものです。

 読んでいただきありがとうございます。

 未だにチートが安定してますね。

 こんどは強敵が来るかも???


 進め方って難しいんです。感想、アドバイスお待ちしています!


 評価もして頂ければ嬉しいです。


 次回の投稿は4月1日の朝9:00です!(もう四月ですか...)


 皆さん、体調に注意して家にいてくださいね!(そしてブックマークをして更新をお待ちください!!!)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ