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1 ……雨が降ってるね。

 五月雨の恋人


 登場人物


 芹沢五月 運動部の女の子 小学五年生 冷静 落ち着いている。


 笠木時雨 五月のお父さん 教師をしている。すごく真面目な人。


 芹沢春香 涼風のお母さん。大学の研究者。


 瑞樹ちゃん 五月の友達 小学五年生 女の子


 プロローグ

 

 ……雨が降っているね。


 本編


 ……ずっと、一緒にいようね。 


 五月


 私が、あなたに恋をしたのは、よく雨の降る梅雨の季節だった。


 静かな雨の日の新宿駅。

 その駅前にあるビルの一階の中の綺麗な喫茶店カフェ『雨の音』の中。


「どう、美味しい?」

「うん。すっごく美味しい」


 親子と思われる眼鏡をかけた男性と小学生くらいの女の子が一緒のテーブルで食事をしている。

 実際に二人は親子の関係であり、お父さんの名前は笠木時雨という名前で、時雨は都内の学校で数学の教師をしている男性だった。

 時雨の前で、美味しそうにフルーツパフェを食べている小学生くらいの女の子の名前は芹沢五月と言った。

 五月はその美しい黒髪を今日はおさげの髪型にしている。


 時雨と五月。

 親子である二人の名字が、笠木と芹沢とそれぞれ違うのは、今年の始めの時期に、五月の両親でる父親の時雨と母親の芹沢春香が離婚をしたからだった。


 五月は母親の春香に引き取られることになり、こうして日曜日に何度か、父親の時雨と会って、話をしたり、どこかに遊びに行くことを母親の春香の許可のもとで、月に一度か二度くらいのペースで、行っているのだった。


 春香は大学の研究者であり、(遺伝子、細胞科学の分野の研究者だった)五月はそんなかっこいい母親の元で、元気に育っていた。

 時雨から見ても、年齢よりもずっとしっかりしていて、大人びて見える(そういう意味で、五月は母親の春香によく似ていた)五月には、自分たちの離婚前と離婚のあとで、とくに普段と変わった様子はあまり見られなかった。(少なくとも、時雨にはそう見えた)


 少なくとも、この東京に降る五月の雨の日までは……。

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