おばあちゃんとはなちゃんと目玉焼き
昨日からおじいちゃんとおばあちゃんの家に
泊まりに来てます。
なので今朝は おばあちゃんが作った朝ごはん。
台所から聞こえてくる音で目が覚めます。
日曜日の朝はゆっくり起きます。
途中からお手伝い。
ごはんの炊けるにおいと
塩さばの焼けるにおいがしてきます。
お味噌汁。いつも おばあちゃんは
手の上で お豆腐を切ります。
いつも それがこわくてドキドキします。
おばあちゃんは
「包丁をひいたらダメだょ。ストンと垂直 直角
まっすぐ包丁を落とすように切るのがコツ」
と教えてくれながら トントンとさいの目に
お豆腐を切っていきます。
こわいけど 見入ってしまいます。
お味噌を とく番。
おばあちゃんは お味噌汁用のお味噌のための
取っ手のついた金属のザルでお味噌を さい箸でときます。
親戚のおばちゃんは洗ってある 金じゃくしで
お味噌を直接 お味噌の入れ物から すくってそのまま さい箸でお味噌をとくところを見たことがあります。
ひとによって 違うんだなぁと思いました。
どちらもかっこいいです。
ごはんが炊けました。
一番に お仏壇に ごはんをあげに行きます。
戻ってきて みんなの分 ごはんをよそいます。
おじいちゃんが最初。自分のが最後。
その間に おばあちゃんは はなちゃんの目玉焼きを作ります。
「何個食べる?」と聞かれたので
「2個」と答えました。
フライパンに油をひいて たまごを割って入れます。
たまごを こんこん カシャと 割る音が好き。
ジューと音がします。もう一回ジュー。
ジュー という音は わくわくします。
ごはんを よそいながらも 気になって ちらちら フライパンを見てしまいます。
少し お水を入れて 蒸すためにおばあちゃんがフタをしました。
ここからがお楽しみ。黄身の色が変わっていきます。
フタが透明なので中が見えるので
これも見入ってしまいます。
ごはんを よそう手がとまります。
わー サーモンピンク。お茶わんと しゃもじを持ったまま フライパンをのぞいてしまいます。
色が変わったらフタを開けて水分をとばします。
おいしそう。
「おばあちゃんはこのやり方が一番好き」
と言っていました。
ふと 数日前 お友達と目玉焼きの話をした時
のことを思い出しました。
「おばあちゃん これ何色?目玉焼きサーモンピンク
だよね。お友達に目玉焼きの色サーモンピンクって
言ったら けげんな顔してた。」
そういうと おばあちゃんが
「サーモンピンクに似てるねー」とつぶやくと
「もう1回作ろうか」と言ってくれました。
今 作っていた目玉焼きが水分がとんでしまったので
お皿に移しました。サーモンピンクに見えます。
とてもおいしそう。
ご飯 みんなの分 つぎ終わりました。
同時に 塩さばも 焼き上がりました。
今度は大きなフライパンを おばあちゃんが
出してきました。
「たまご3個持ってきて」と頼まれたので
冷蔵庫からたまご3個持ってきました。
引き出しから 高さ2㎝くらいの金属の輪っかを
おばあちゃんが出してきました。
大きなフライパンに 油をひいて 1個 普通に
たまごを割って焼きはじめます。
2個目も普通に焼きます。
すると次は 金属の輪っかをフライパンにのせました。「えっ」とびっくりしてたら輪っかの中に
たまごを割って入れました。
おばあちゃんは「見ててごらんなさい」
と言いました。
さっきと違って フタをしないで 焼いてます。
黄身は黄色のまま。
するとおばあちゃんは 途中で
たまご3個のうちの1個をフライ返しでコロンとひっくり返しました。
びっくりして おばあちゃんの顔を見上げました。
目玉焼きをひっくり返す?
きっと きょとん とした顔してただろうな。
おばあちゃんは にっこり笑っていました
しばらく待ちます。
待っているあいだに お漬物や麦茶やいろいろ 冷蔵庫から出したり 塩さばを お皿にうつしたり テーブルに運んだり します。
おばあちゃんが「できたよー」と言ったので
フライパンをのぞくと
3個とも 黄身は 黄色、半熟です。
小さめのお皿を持ってきて のせます。
1個目はひっくり返した目玉焼き。黄身の色はわかりにくい。よく見ると ただ ひっくり返したようではなく コロンとしている。不思議だ。
2個目は普通の目玉焼き。黄身は黄色。
3個目は金属の輪っかを外してお皿にのせたら
白身が まん丸。
「わー」と声を出してしまいました。
「おもしろいでしょ?」とおばあちゃんが
言いました。
「おばあちゃんはフライパン洗うから
はなちゃん お味噌汁ついでくれる?」と
頼まれました。
テーブルに鍋敷きをおいてお味噌汁の入った鍋を置き
お味噌汁をお椀に ついでいたら弟が起きてきました。それぞれ「おはよう」と声をかけあいます。
おじいちゃんも 外の花の水やりを終え 新聞を手に
家に入ってきました。
おじいちゃんが「おっ うまそうだな」と言いました。
弟が「おいしそう」と言いました。
「まん丸の目玉焼き食べていい?」と弟が
おばあちゃんに聞きました。
「どれ食べてもいいよ」と答えていました。
おじいちゃんは サバの塩焼きと大根おろしが
あったけど 目玉焼きも食べたそうにしてました。
弟が冷蔵庫からマヨネーズを取ってきました。
わたしは 粗挽きのブラックペッパーとお醤油を
かけて食べるのが好きなので そうしようっと。
おじいちゃんが「ソース取って」と頼んでいました。
おばあちゃんはフライパン洗い終わって
ソースとお醤油を出していました。思い出したように
「ケチャップいる人〜」と声かけていました。
誰も 返事をしませんでした。
おばあちゃんは「ケチャップはあのこ か」と
一人ごとを言っていました。
おじいちゃんは ひっくり返した目玉焼きが
好きらしく これも食べると言っていました。
おばあちゃんは黄身が黄色の目玉焼きを
食べるそうです。
わたしは最初の黄身がサーモンピンクの
目玉焼きです。
目玉焼きにも いろいろあるんだと
びっくりしました。
テーブルの上の朝ごはんをそろえてると
おばあちゃんはカリカリに焼いた
ベーコンを目玉焼きにのせてくれました。
フライパンを洗い始める前に 他のフライパンで
ベーコン焼いてたんだ。
おばあちゃん すごいなーと尊敬しました。
全部そろったので「いただきまーす」と
手を合わせてみんなで一緒に食べはじめました。
なんだか 気持ちが ホカホカしてきて 朝ごはんもおいしくて なんといっても とても楽しかった。
目玉焼きを、食べてたら ふと
お友達の顔を思い出しました。
サーモンピンク‥ お友達 もしかしたら白身まで
サーモンピンクになるって思ったかな‥
わたしの説明が悪かったのかも 今度 訂正しなきゃ
と思いました。
食べ終わったあと みんなで 後片付けをしました。