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正義のQ.E.D.
「私達はいつだって、正義の味方なのよ」
駐車場の最上階、そっと柵に手を添えて足下を見下ろした。
冬は暗くなるのが早い。チカチカと光る看板、ビルの窓、街灯。全ての明かりが、私たちの元まで届き、全員の瞳に反射する。
ひときわ輝いて見える信号機が、今青に変わろうとしている。
ここはスクランブル交差点。ほんの少しの待ち時間に耐えられず、たくさんの大人が前のめりになって赤を見つめている。
さあ、信号は今───!
黒マスクの下、つぶやく
「これで正義のQ.E.D.(証明完了)」