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紅い勇者と翠の少女(仮)  作者: 華珠夜
1/8

プロローグ

プロローグに戦闘シーンの描写はありませんが、今後ストーリーが進むにつれ多少の暴力的描写が出てくることになると思いましたので、ファンタジー作品ですがR15とさせていただきました。


※表現のおかしかった文章を少し修整しました。

──その日は雨が降っていた。静かで優しい雨。


僕はそんな雨が好きだった。心地好いリズムにあわせて冷やりとした風が森の湿った香りを運んで来る。濡れるのも気にせず窓を開けてると、毎回じいちゃんに怒られた。

それから雨があがるときまって外へ駆け出したんだ。キラキラと輝く森への大冒険。


雨に濡れた森の匂いは僕の冒険心に拍車をかける。折れた枝を拾い剣にして、木々から滴り落ちる雫をパシっと弾く。2回、3回と続けて弾く度、強くなった気分でいる僕はどんどん森の奥へと進んだ。そしてたどり着くいつものゴール地点。周りのどんな木と比べても一際大きな大木がそびえ立つ森の広場。どこか神聖で威厳さえ感じさせるその場所は、僕だけの秘密の神殿だ。


「ただいまっ!」


いつもの様に挨拶をして、大木の根元にある椅子状の窪みに腰をかけた。すっぽりとハマるいつもの指定席は安心感があり、森の安らぐ香りと相まって眠気を誘う。物心つく前に両親を亡くしていたせいか、守ってくれる父の強さ、包み込んでくれる母の温かさをこの大木に感じていたのかもしれない。


あくびをしながらぐいーっと背伸びして「ちょっぴりお昼寝だー」っと天を仰いだ瞬間、見慣れないものが目に入った。


此処には何度も来ているが自分以外の誰かを見たことは無い。村でも誰かが「森の大木が〜」などと話題にしてるのを聞いた事は無かった。それ故ここは僕だけの秘密の場所となっていたのだ。なのに何故あんな物が・・・。


すっぽりとハマった身体を起こし、大木をぐるりと一周見て回る。が、アレ以外はキズひとつ無い。誰がこんなひどい事をしたのだろうか・・・痛々しく楔の様な物が深々と突き刺さっている。


「すぐに取ってあげるからね・・・」


大木に抱きつきそっと撫でた。


楔の刺さっている場所は僕の身長二つ分くらいの高さに見える。

届くだろうか?いや、弱音を吐いてはいられない!

一番盛り上がった高さのある根っこに登り楔を眺める。ここから少し助走をつけて跳べば・・・。


すぅーっと息を吸い込んで、思い切り駆け出す。スピードに乗った身体の勢いを殺さぬ様に、バンッと踏み切り楔めがけて跳び出す。


「はあぁっ!」


楔に掴まろうと思い切り右腕を伸ばしたが、掠る事も無くそのまま地面に着地した。


「くそッ!あと少しなのにっ!」


もう一度だ、次こそ行けるっ!再び根っこに登り呼吸を整えた。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉっ!!!」


気合いと共に駆け出しトップスピードからの跳躍。さっきと同じ跳び方じゃまた失敗するだろう・・・。身体が落ち始めたらそこでっ!

空中で一瞬身体を縮め、大木を蹴り上げての二弾跳び。今度は余裕の跳躍で両手が楔に届いた。「ヨシッッ!」と、内心で喜びを抑えながら全身の力を込めて楔に身体を引きつけた。真横になった体勢を落ちそうになりながらも両足でしっかり踏ん張り、楔を掴む両手にグッと力を込めた。


「フぅーーーーっんんんん!!」


力んで真っ赤な顔になりながら、もっともっとと力を求めた。


───キィィーーーーーーーーン


耳鳴りの様な音がどこからか聞こえた気がした。


楔がググッと少し動く。と、思った瞬間。スパーっン!と凄い勢いで飛び出し、受け身などとれるはずもなくそのまま地面に落下した。


ゴツっごフッッ!!


鈍い音と共に僕の意識は薄れていった・・・・・・。

そんな中、微かに聞こえた気がしたんだ。


────アリガトウ────

初投稿掲載作品となります。

文章、文節、表現、描写などおかしい点などあるかもしれません。

ご意見やご感想などございましたら是非お聞かせください。

今後の作品づくりに活かしていきたいと思います。

作者のモチベーションにもつながりますので宜しくお願いいたします。

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