お葬式
亡くなったお義兄さんの
冥福を祈らなくちゃいけないのに
本当にいつも
優しくして貰って
だから
心から冥福を祈って
お姉ちゃんにも
辛いよね
何もできないけど
何も分かってあげられないけど
そばにいるから
って声をかけなくちゃいけないのに
お葬式の会場で
思うことは
孫がまだ小さくて
おじいちゃんが亡くなったって
分からなくて
お骨になっても
話ができるのかって
ママに聞いている
切なくて
可哀相な光景が
目の前に流れているのに
お母さんの
心には
うらやましいの文字ばかり
お母さんが100歳になって
あなたが70歳で
それでも
逆縁のお葬式なんだけれど
今日のお葬式が
あなたの
お葬式だったら
どんなにか
いいだろうと
うらやんでしまう
亡くなったお義兄さんは
長い間病気で苦しんだから
身体が痩せてしまって
顔もこけて
本当に気の毒な様子だった
それなのに
あなたの
とてもきれいなまるで生きているような
綺麗な死に顔を思い出して
あんなに綺麗な顔じゃなくていい
年をとって
年輪の刻まれた
あの安らかな死に顔が
羨ましくてならなかった
あなたは
まだ17歳なのに
あんなに綺麗な手と
あんなにすらっとのびた足で
なぜ
なぜ
なぜ
お葬式の間中
泣いていた
ごめんなさい
お義兄さん
あんなに可愛がって貰ったのに
あなたの冥福を祈ることができませんでした
それなのに
少し先に行っている
あなたの義理の姪をお願いしますとお願い事ばかりしてしまいました
ごめんなさい
お義兄さん