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この名も無い星を君にあげよう。

 

『星屑を拾いました』

 彼女が大事そうに両手で包む様にしたソレを見る。

「オセロ……じゃないな。両面黒だ」

「碁石ですよ? 囲碁の」

「コレが星?」

「囲碁の対局、一体何通りだと思います? 無限の星空の様だ、って或る漫画で言ってて、成程! と思ったのですよ」

 受け売りの様だ。

「この名もない星を差し上げます」

 否、要らねえよ、と言う此方の台詞ガン無視で、彼女は、ですから、と石を差し出して笑う。

「囲碁部、入ってみません?」

 

 

 うっかりして、星をひとつ落としてしまった。

 多分他の人間には大事な物だと解らない。持ってかれる心配はないが、踏まれたら割れるかも。

 ポケットに穴が空いてるのに何で気付かなかったんだ。

「――星屑拾っちゃった」

 必死に床に走らせてた視線が見慣れたハイヒールを捉える。

「何で……」

「バイト代わって貰ったの」

 大正解、と茶目っ気たっぷりに笑う彼女は、いつかみたいにソレを差し出す。

「もう名も無い星じゃないね、名人」


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