のじゃんぴーす
『妾の財宝か? 欲しけりゃくれてやる……探してみろこの世の全てをそこに置いてきたのじゃー!』byゴール・D・ノジャー
たった1人ののじゃーさんが残した名言だ。
今現在世界にたくさん存在するのじゃーさんの1人が、偉大なるそののじゃーさんが残した言葉であり、世界の全てののじゃーさんと人間と時代を動かした大いなる道しるべ。
それがゴール・D・ノジャーの末期の言葉。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「乗り移られる前に全部打ち砕くのじゃー!」
「「「わかったのじゃー!」」」
舵を握る船長のじゃーさんの言葉に多くの船員のじゃーさんが大きな曲刀を振り上げて声を揃える。
一斉に掲げられた全ての刃が接近しようとする一隻の大型ガレー船に向かって振り下ろされる。
振り下ろした刃から繰り出される緑の光がガレー船に直撃する寸前で張られた干渉障壁に阻まれるが一部を砕く事に成功している。
「もう1発なのじゃー!」
「「「のじゃー!」」」
再度の雄叫びのあと砕かれた隙間に殺到する緑の光がガレー船へと到達し、けたたましい破砕音と緑の閃光を爆発させる。
光が収まった頃にはガレー船から立ち上る緑の煙はゆっくりと沈み行くガレー船に飲み込まれていく。
「船長、やったのじゃー!」
「よくやったのじゃー!」
大きな曲刀を放り捨ててハイタッチして喜びを分かち合う船員のじゃーさん達。
船長のじゃーさんの労いの言葉に嬉しそうにはにかむ船員のじゃーさんにほっこりしていると1人の船員のじゃーさんがボクに近づいてきて、にこやかに腹部に強烈な蹴りを入れてきた。
すでに胃の中身がなくなり、胃液を少しだけ吐き出すが船員のじゃーさんがにこやかなままボクの頭を踏みつけてぐりぐりと甲板とツンと鼻を突く胃液に顔を押し付ける。
「人間なんてあの程度なのじゃー! おまえも飽きたらああなるのじゃー!
だからしっかり妾達を楽しませるのじゃー!」
「は、はひぃぃ」
ボクの情けない声に満足したのか最後に鼻っ柱に爪先を叩き込んで他の船員のじゃーさんの下に楽しそうに駆けて行く。
どうしてこうなったのか、ボクは遠のく意識の中でゆっくりと思い出していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
豪華客船シルバーノジャー号。
世界を1週する巨大客船に乗り込んだボクはのんびりとその豪華絢爛な船内で優雅な一時を過していた。
全てがダイナミックでデリシャスでファンタスティックなシルバーノジャー号で過す日々はまさに日ごろの疲れを忘れ去せるものだった。
でもそんな一時も1週間くらいで終わりを告げた。
真夜中に唐突に奇襲を受けたシルバーノジャー号。
超高出力干渉障壁に常に守られて外敵の侵入を一切許さないはずのこの海上の要塞も、内部からの攻撃にはあっさりと陥落してしまったのだ。
乗員乗客3000人にも及ぶ人員が、人間、のじゃーさん問わず虐殺されていく。
その後に徹底的に身ぐるみを剥がれ、金品を奪われていく。死体は海の藻屑だ。
そんな中戦える人間とのじゃーさんが協力して一部の守る事が可能なだけの人数を死守していた。
ボクもそんな戦える人間の1人。
手にした干渉ブレードがまた1人のじゃーさんを真っ二つにしていく。
迸るはずの血液は干渉ブレードの高温により焼ききられて少量しかでないのが救いだ。
それがなければ今頃あっちの方と同じになっている。
あっちの方には純粋な金属で出来た武器で戦っている人達が返り血と自分の血に塗れてひどい有様だ。
「君! 戦い続けだろう! そろそろ交代した方がいい!」
「あ、わかりました!」
襲い掛かってくるのじゃーさんを夢中で切り倒していたので時間の感覚がなくなっていた。
言われて初めて気づいた疲労に体が重い。
引きずるように交代の人とすれ違い背後でバリケードを築いているその中に入って水や食料を受け取る。
ここは倉庫区画近くだったのでこういった物資が豊富だ。篭城戦では非常に有利だろう。
だがボクが倒したのじゃーさんだけでも数十人。
いくらなんでもそれだけの数を倒したら普通は撤退するものだ。だがその様子は微塵も見られない。
何かがおかしい。でも疲労で鈍ったボクの頭ではそれ以上の思考は続かなかった。
ずっと続いていた喧騒が一際大きくなり、悲鳴があちこちであがる。
所々で爆発音が聞こえ、ボクの意識が覚醒する。
普段ならもっと早く覚醒していてもおかしくないはずなのだが、よっぽど疲れていたのか自分の周りがひどい惨状になるまでまったく気づけなかった。
目を覚ました時に飛び込んできたのはたくさんののじゃーさんに蹂躙され始めた倉庫区画。
子供も大人も人間ものじゃーさんも関係なく、全ての生物がのじゃーさんが放つ緑の光に焼かれている。
抵抗も悲鳴も懇願も何もかも無視して続く蹂躙。
その光景を目にしたボクが取ったのは1番近い緑の光を放つのじゃーさんに干渉ブレードを叩きつけることだった。
緑の光で迎撃しようとするのじゃーさんを一刀の下に駆逐すると、勢いそのままに獣のような咆哮を上げながら1匹2匹とその命を終わらせていく。
最早こののじゃーさんはボクの知っている可愛くて可愛くて抱きしめたくなるようなのじゃーさんじゃない。こんなヤツラはただの獣だ。
「なかなか見所のある人間なのじゃー! あいつは生け捕りにするのじゃー!」
一際偉そうな帽子を被ったのじゃーさんがボクに向かって曲刀の切っ先を向ける。
それを合図に5,6匹ののじゃーさんがボクに殺到するが緑の光を干渉ブレードで逸らすボクに殺到したのじゃーさんの方が引き裂かれ、物言わぬ躯と化す。
「面白いのじゃー! 妾が相手になってやるのじゃー!」
ひらりと舞った。
通常ののじゃーさんでは決してありえないその跳躍。
しなやかで美しくさえあるその肢体。
長大な曲刀と偉そうな帽子がなければ芸術とさえ言えるだろう。
だがそこから繰り出されたのは長大な曲刀による振り下ろし。曲刀の重量と重力と何よりこの美しすぎるのじゃーさんの圧倒的な膂力によりその一撃は恐ろしい、まさに死神の一撃のような印象をボクに与えた。
干渉ブレードの出力を最大に引き上げてなんとか曲刀を滑らせたボクだったが、衝撃波までは防げなかった。
床に激突した曲刀から凄まじい衝撃波が放たれ、吹き飛ばされた。
そこでボクの意識は一時的に途切れ、次目覚めた時には目の前にあの美しいのじゃーさんがいた。
「妾の一撃を逸らすとは本当に面白いやつなのじゃー! 気に入ったのじゃー!」
ふわっと柔らかい毛に包まれ、甘く優しい匂いで満たされる。
気づいた時にはボクは抱きしめられていた。だが次の瞬間には全身を砕かんばかりに強烈な万力の如き力で締め上げられ、数本の骨が折れる音と共に再び意識が闇に堕ちた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
気づいたらこの船に居た。
あのときの偉そうな帽子ののじゃーさんは船長のじゃーさんであり、部下は船員のじゃーさんだ。
戦闘をしていない時の彼女達は普通ののじゃーさんよろしくとても愛らしい。
でも一度戦闘になるとその凶悪な本性を曝け出し、暴れに暴れ全てを蹂躙し、奪い、何もかもを破壊していく。
そしてその度にボクは何人かの船員のじゃーさんにぼこぼこにされる。
でも命まではとらない。
それは船長のじゃーさんがボクを気に入っているからだ。
ボクをぼこぼこにするのは問題ないが、ボクを殺してしまうと船長のじゃーさんの怒りを買ってしまうのだ。
気づけばこの船に乗せられてすでに3ヶ月が経とうとしている。
毎日戦いがあるわけではない。
むしろ戦いはこの3ヶ月で8回しかなかった。
頻度としては少ない方だろう。
ボクが知っている海賊行為を行っている輩の常識からすると半分以下だ。
もちろん海賊行為の常識などあってないようなものだろうが、海賊行為である以上リスクを背負わなければいけない。
この海賊団――ゴール海賊団ももちろん戦闘で命を失うのじゃーさんも多い。
ボクが乗せられた時に居た者でいなくなったものも1人や2人ではきかない。
だが、常にゴール海賊団は勝利し、戦利品を持ち帰ってくる。
まさに常勝無敗といえる快進撃だ。ただやり方は悪辣の一言に尽きるが。
まぁ海賊なのだから人の道を問うのは甚だ馬鹿らしいことではある。それでもボクは海賊団の一員ではなく、あくまで誘拐された一般人だ。
まぁ一般人というには少々腕は立つけれど。
今日もボクは船長のじゃーさんの豪華な部屋でお相手をさせられている。
まず今のボクの状況を説明しよう。
それは人間椅子。
うん、この表現が全てを物語っているね。
まず四つん這いになる。その上に船長のじゃーさんが座る。OK?
船長のじゃーさんはボクをぼこぼこにしないけれど代わりに色々な家具として扱う。
1番多いのがこの人間椅子だろう。
最初は膝が痛かったがもう慣れた。人間は慣れる生き物だからね。
今は船長のじゃーさんの小さなお尻が心地よいくらいだ。うん、小さなお尻はいいね。
「最近あんまり船に会わないのじゃー……。このままではまた上陸しなきゃいけないのじゃー……」
「船長のじゃーさんは陸が嫌いですからねー」
「2人っきりの時はごーちゃんと呼んでほしいのじゃー」
「ごめんごめん、ごーちゃん」
「ううん、いいのじゃー。大好きなのじゃー」
そういってボクのお尻をスナップを利かせてバチンバチンと叩く船長のじゃーさん――ごーちゃん。
彼女の手首は異常に切れがよく、その強烈なスナップから繰り出される張り手は紅葉どころか紫色になる。
でもこれが彼女の愛情表現なのだから仕方ない。
そう、なぜかボクは彼女に気に入られ、なぜか、なぜか……愛されている。
ただ愛されているだけならいいんだが、彼女の……ごーちゃんの愛し方は強烈だ。暴力的に強烈なのだ。
ボクの体が異常に頑丈だから耐えられているが、これがなかったら今頃尻が腐り堕ちているだろう。
「近くに船団がいるのじゃー……。でも船団は怖いのじゃー……」
「もう少し待ってみたらどうかな?」
「でもでも、船員達が我慢できないのじゃー……」
ふるふると可愛らしく首を振るごーちゃん。
あの勇ましくも美しい戦鬼と呼ぶに相応しい戦闘の鬼のような彼女と同一人物とは思えないほどに弱々しい。
これが本来の彼女だ。
船員達の前では常に虚勢を張り続け、己の目的のために邁進し続ける。それがごーちゃん。
だが、ボクの前でだけはその本心を曝け出してくれる。
本当は弱くて傷つきやすくて、船員がちょっと怪我をしただけで泣いてしまう。死んでしまうだけで1晩は泣き明かすようなか弱い女の子なのだ。
ボクだけが知っている彼女。
それがボクがこの船から逃げ出す事を拒み続けさせている。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「叩き潰すのじゃー!」
「「「のじゃー!」」」
一斉に上がる声、怒号のような響きなのに可愛らしいその声と共に緑の光が飛んでいく。
やっと遭遇した船はいつも襲っている規模の船より少し小さい。
だがずいぶんご無沙汰だった船員のじゃーさん達の鬱憤は溜まりに溜まっていた。
不運な船は瞬く間に蹂躙され、誰一人として怪我を負うことなく大戦果をあげることができた。
そしてぼこぼこにされるボク。
その夜、ごーちゃんに泣きながら介抱されていたボクは傷を舐めて癒してくれる彼女の温かみに触れながら眠りについた。
そして3年の月日が経過した。
その間、船員のじゃーさんが何度も何度も入れ替わった。
減っては補充されて増え、減っては補充されて増えた。どんどん入れ替わり増員されるうちにいつの間にかこのゴール海賊団は超大規模海賊団になっていた。
ごーちゃんが涙目で見せてくれた懸賞金が書かれたごーちゃんの顔が書かれた手配書には今までに掛けられた懸賞金額の最高峰の数字が書かれていた。
紙の端から端までゼロが連なっている。え、これ払えるの? って思えるほどの金額だ。
そんな紙をぷるぷる震えながら渡したごーちゃんは静かにボクに抱きついて泣いている。
彼女としては恐怖でしかない。
本来の彼女なら海賊行為なんて出来ないのだから。
なぜ彼女がこんなになるまでこんなことをしているか、彼女の目的のためだとはわかっている。
でもその目的を頑として教えてくれない。
どんなに弱っている時でも、どんなに甘い言葉を囁いてとろとろにしてあげたときでも絶対に口にしない。
でも彼女がこんなに震えてまで求めるものなのだからきっとすごいものなんだろう。
毎日毎日海軍がごーちゃんを捕らえ様と執拗に迫ってくる。
だがその全てがどんどん加わっていく屈強な船員達に打ち倒される。
船員はのじゃーさんだけじゃなく、人間、のじゃーさん問わず増え続けている。
一大海賊団となったごーちゃん率いるゴール海賊団は今日もごーちゃんの目的のためにこの広すぎる海を海軍を蹴散らしながら、略奪と死を振りまきながら進んでいく。
この広すぎる海は凶悪で、無慈悲で、そして全てに平等だ。
海軍も客船も海賊も何もかもを飲み込み打ち砕き、全てを藻屑と化す。
突然変わる天候。
方位がまったくわからなくなる現象。
巨大な、本当に巨大としか言いようのない大海龍種が怒涛のように餌を求めて押し寄せたり、食料などを求めて降り立った陸地では見た事もない巨人や生物が襲い掛かってくる。
安全などどこにもない。一大海賊団であるゴール海賊団ですら無傷ではいられない凶悪な領域。
日を追うごとに海軍からの執拗な追撃はその頻度を減らす。
代わりに凶悪で無慈悲で平等な海がボク達を蹂躙する。
更に1年半が経過した。
その頃には30隻以上いた巨大船団はたった2隻になっていた。
辺りは凪ぎの海が広がっている。
風ひとつ吹くことのない静か過ぎる海。
今まで通ってきた海が嘘のようなその光景に2隻の船の全乗員が呆気に取られ言葉を失っていた。
「……あ、あれはなんなのじゃー?」
最古参の船員のじゃーさんの呟きに全員が視線を向けると光を反射して輝く美しい何かがあった。
それはまるで全てを黄金で作られた、いや近づくに連れてわかってくる。
散りばめられた宝石のように輝くそれは砂浜だ。
黄金の光のように映っていたのは海岸の澄んだ海に反射した太陽の光だ。
ボクはこんな美しい光景を見た事がなかった。
それはボクだけじゃなくて、生き残った全員がそうだった。
「見つけた……ついに見つけたのじゃー!」
「ごー……ちゃん……?」
まだ距離があるというのにごーちゃんが駆け出し、ほとんどゆっくりとしか動かない船から飛び降りた。
「ごーちゃん!?」
黄金に輝く海の上を疾走するごーちゃんに呆気に取られながらその背中を見つめる。
すぐに海の上を疾走していたごーちゃんは宝石をちりばめたかのような砂浜に到着し、その奥にある祭壇のようなものに駆け寄り、何かを手に取った。
手にした何かをごーちゃんが掲げ、叫んだ。
『おかあさんをたすけて』
強烈な光が祭壇から発せられ、全てを飲み込んだ。
あとに残ったのは両手を掲げたごーちゃんだけだ。
あれほど光り輝いていた海も、砂浜もその全てが色を失っている。
全員が呆気に取られる中1人の船員が唐突に叫んだ。
「ふざけるな! なんだこれは! 俺達のお宝はどこにあるっていうんだ!?」
その叫びが連鎖反応のように広がり、どんどん叫びが上がっていく。
それはここまでのまさに命を懸けた航海の結果を突きつけられた者達の本能の叫びだった。
彼らが話していた話では最果ての海でお宝を願えば手に入るはずだったのだ。
だが彼女が願ったのは違った。
自分の母を助けてくれという願い。
それはボクにとってはとても彼女らしい、とそう思えるものだった。
だが彼らには違った。
それは明確な裏切りでしかない。
その証拠にごーちゃんの願いを聞き届けたのだろう、力を失った祭壇や砂浜、その付近の海から色という色が失われて見る影もないのだから。
あとはもう――怒りしかなかった。
憑き物が落ちたような、儚い笑顔をしたごーちゃんに殺到する曲刀を持った怒りしかない者達。
ボクはその前に立ちはだかり、向かってくる全てを干渉ブレードで叩き切った。
切った切った切った切ったきったキッタKITTA。
たった2隻しか残らなくてもその2隻に乗っていたのは、この最果ての海に辿りつくほどの猛者達。
対してボクは空を見上げて微笑んでいるごーちゃんを庇いながら戦っている。
半分くらいを切り倒したところで状況が一変した。
突然の砲撃。
右腕を切り落とされて蹲っていたボクが視線を上げた先には海軍の軍旗がはためいていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こうして、最果ての海で願いを成就させたごーちゃんとボクの旅は終わった。
ごーちゃんとボクは生きて捕らえられた。
海軍で厳しい尋問を受けるものとばかり思っていたら、どうやらボクは誘拐されていたことを海軍は知っていたようだ。
そしてボクが最後の最後で船員の半分を切り殺した事もわかっていた。
ボクは結局の所何の罪も問われず釈放された。
そして今、彼女の最後に立ち会っている。
もう、ボクには何も出来ない。
切り落とされた右腕が疼き、幻視痛が酷い。
最早干渉ブレードを握れる腕はない。
利き腕ではない左腕ではたかが知れている。
ごーちゃんの周りを取り囲む海軍の将軍達には一矢報いるなんて無謀どころの話ではない。
ギロチン台に乗せられたごーちゃんは、絶えずその顔に笑みを浮かべている。
それは儚く、今にも消えそうな……だが決して消える事のない美しさを持っていた。
彼女はその笑みのまま最後の最後に叫んだ。
ごーちゃんではなく、ゴール海賊団船長としての最後のけじめをつけるために。
「妾の財宝か? 欲しけりゃくれてやる……探してみろこの世の全てをそこに置いてきたのじゃー!」
ゴール・D・ノジャー。
世界に大海賊時代の幕開けを告げた大海賊。
後の世にその殺戮の半生でもって多くの海賊、海軍、人間、のじゃーさん達に恐怖と畏怖でもって崇められ、蔑まれ、語り継がれるたった1人ののじゃーさん。
だがボクは知っている。
その子は本当はとてもか弱い、優しい女の子だったことを。
のじゃー